プロローグその2-紺城 怜
「ねぇ、こいつ、死んじゃってんじゃないかい?」
声が聞こえる。十代後半の女性の声だ。
「ん……」
俺は目を覚ました。ここは、どこだ? まぶしい。まるで、洞窟の中で、入り口
から光が差しているようだ。確か、俺は神聖石を探していて、とある洞窟に入っ
た。それからの……記憶がない。
「ん~? やっと起きたか。しっかし、中々の美形だねぇ」
光の中に見えるその女性は俺の顔を覗きこんだ。俺は飛び起き、後ずさると、腰
に差していた両木刀を構えた。
「何者だ!」
「おっと、自己紹介がまだだったね、私は、いずな。そして、彼は、」
いずな、と言った女の後ろには、(今まで強い光で見えなかったが)大きな、武装
した男がいた。30代半ばくらいだろうか。
「マイセン、とでも言ってもらおうか。怜、お前には用事が三つ程ある。一つは
、我々が手に入れた、神聖石の欠片を、あと二つ、手に入れるのだ。もう一
つは神聖石、本体の場所を特定しろ、ククッ、お前は行ったことがあるのだろう
。最後は何かあった時、この、邪影石と、魔王様をお守りすることだ」
俺は、驚いた。その男の後ろには、暗黒に煌々と煌めく、両手に持てるぐらいの
石と、カプセル状のものの中に眠った、翔が、確かにいた。いや、俺の知ってい
る翔より、成長している? これは、魔王? なのか?
「そう、ここは、お前にとって未来だ。ちなみに、若い、魔王様と、あの憎々
しい、変幻使い、美智子、と最近の情報によると、光秀なんて小僧もこの時代に
来ているらしい。ま、若い魔王様の確保、と、美智子と小僧の掃除も頼もうかな
」
「なんだ、と?」
俺は、何となく、わかってきた。
「なるほど、何故、俺が一度、別の未来で神聖石のある地に行ったのかを知って
いるのかは知らないが、この未来では、まだ神聖石の力は使われていない、とみ
て間違いないな?」
女性は軽い調子で、
「そだねー、それは間違いないよ、うん、アタイが言うのだから、間違いない」
と頷いている。
大男は、
「どーするよ? 我々に大人しく従えば、過去に返してやる。さらに、お前が力
を欲していることも知っている。未来の力をくれてやる。さあ、どうする?」
邪影石、さらに、未来の眠っている翔(魔王?)、そして、神聖石の力を欲してい
る。極めつけに、翔の確保と仲間を倒せ、ときた。答えは、決まっていた。
「答えは、ノー、だ、それに見たところ、お前らは、能力者じゃない。三下が俺
に勝てるとでも」
大男が首をふると、女が唇をペロリと舐め、
「アタイに勝てるとでも?」
……そして。
「グハッ、これが、未来の、力、か。」
俺は気を失う寸前、確かに聞いた。
「おい、こいつを、あのマジックウエポンで、洗脳しろっ」
「あいよっ!」
すまない……、翔、美智子、光秀。俺は……。
プロローグ、その2、です。
3もあるかもしれないし、4もあるかもしれません。
結局、主人公は誰なんだ、と思わせるのが狙いです。
(言っていいのかよ!)
まあ、大体わかると思いますが……。
始まりはもう少し、後、になりそうです。




