GM・ベリル
僕と光秀が城に行こうと立った時、目の前にふわっと空から人が一人舞い降りた。当然、警戒したが魔石は反応していない。敵ではない? でも……、知らない人だ。光秀は警戒を緩めることなく、聞いた。
「誰だ?」
「おやおや、口の聞き方がなってないな。昔々の日本では自分から名乗った、って聞いたけど? まあ、いい。僕は早手のベリル。僕の用件は実は今、君が聞いたことでね。聞いてもいいかい。君達は一体何者?」
僕は突然現れたベリルと名乗る男性が、何を言いたいのか、よくわからなかった。僕が、
「どういうことですか?」
と聞くと、その人は、
「だって、考えても御覧よ、不可侵と言われたこの世界に難なく入り、さらに、神域でリンが召喚した神、ドン・レ……ああ、君達が戦った、この城だね。を、倒すなんて。不可能なんだ、普通に考えたら。いかに君達が強力な上位の攻撃をもっていたとしても、だ。信じられない。それが本当なら、グランドマスターと同等、もしくは、それ以上の力を持っていることになる。危険だ。野放しにはしておけない」
凍てつく視線が僕達を射る。魔石が急に反応しだした。ここで返答を間違えたら、確実に殺される、そんな気がした。そんな中、光秀は、
「チッ、まず、お前がどこの誰だか、説明しろっ」
と、突然光秀は真上から何かの衝撃を受けたかのように倒れて、そのまま、四つん這いで、動かなかった。僕は光秀! と近くによると、わかった。光秀は動かなかったんじゃない、動けなかったのだと。上から見えない何かで押し付けられているかのようだ。当然僕も四つん這いにならざるを得なかった。
「失礼、説明が足りなかったかな。僕はベリル、グランドマスターのベリルだ」
「あ、あなたが」
僕は、見えない何かに凄い力で押さえられて身動き一つ出来なかったが、光秀は、
「ざけんなっ、お前なんか知らないが、こんな奴がグランドマスターの訳がない」
と、両腕を立てたが、更に強い力を上から加えられ、再び、倒れた。全身が、悲鳴をあげている。
「まあ、何者かはもうどうでもいい。こうも簡単に僕の攻撃を受けるだなんて……。正直、拍子抜けだが。グッバイ、さようなら。名もわからぬ侵入者よ」
いつの間にか先程のように、空間がグニャグニャ曲がっている。光秀は、こんな、こんな終わりって、と、涙を流していた。僕も流石に激怒し、能力を使おうと思っても、盾が出ず、バースト化をしようにも指一本動かせない! 頼みの綱のリミットブレイク、リバウンド・ゼロも、今日はもう使えない!
光秀は、ごめん、美智子ーー! と叫び、その瞬間、上からの力がふっと消え、空間も元に戻った。
「今、なんて!?」
光秀は、気絶していた。
「彼は今、なんて言ったんだ!?」
グランドマスター・ベリルはちょっと、困惑ぎみの表情で僕に聞いてきた。僕もあまり力は残っていない。なんとか立ち上がると、
「ごめん、美智子と。この世界には、グランドマスターの美智子さんに導かれてきたんです」
と答えた。
「な……んだって!?」
僕はグランドマスターの美智子さんが邪影石の意志をとりこみ、石になっていること、バースト化のこと、僕のリミットブレイクのことを話した。すると、やっと警戒をといてくれた。そして、
「すまなかった」
と、一応は謝ってくれたが、僕は、冷静に、
「GM・ベリル、正直、あなたがしたことは許せません。光秀だって、許さないと思います。ですが、僕達のわからない情報を提供、もしくは協力してくれるのなら、光秀だってそれなりには許してくれると思います」
「わかった、情報を提供しよう。出来る範囲で協力もする、でいいかな?」
はい、と僕はうなずくと、静に携帯で連絡し、回復能力者である愛さんを一時的に連れてきて、僕達の回復をしてもらった。GM・ベリルは携帯で、仲間と連絡をとったようで、それをきった。
「ちょうど仲間達の用事も終わったようだ。情報交換もしたいし、とりあえず、集合しよう」
光秀は、すぐに目を覚ました。
最近はとにかく前に進みたくてもがいております。
……が、中々前に進むのは大変ですね。




