そこは神のみが住んでいた世界
そこは、ジグザグの道がある先に古ぼけた、大きな城が見えた。今いる場所は道の中でも広い場所で車三台くらいは停まれるスペースがあるのだが、その先の道は、人、二人が同時に通れるぐらいの、狭い道で、踏み外すと、底が見えない。また、雲のようなものが眼下には広がっている。僕と光秀は、一人ずつ慎重に進んだので、踏み外すなんてヘマはしなかったが、底が見えないのはさすがに怖い。城の前まで行くと、先程の道とは対照的な広場があった。
「でけー、何、このいかにもって感じの西洋風の城。まるでRPGの魔王城みたいだな」
光秀は城を見上げて、そう言ったが、確かに、そんな感じがする。グランドマスター達のいる場所とは思えない。僕達がしばらく城を見ていると、いきなり、空間が変わった。いや、変わり続けている! 万華鏡を回すと見ているものが、変わり続ける、正にそんな感じだ! グニャグニャと変わり続ける景色の中、僕は最大級の危機感を感じていた。
「逃げるぞ、光秀!」
僕はすぐさま、光秀の方を振り向いたが、光秀は手をかかげて固まっている。
「どうした!?」
光秀はゆっくりとこちらを振り向くと、ひきつった顔で、
「出ないんだよ、光の扉が、出口がでない!」
「なにー!」
前を見ると、あり得ないことが起こっていた。城から、
「邪悪な力を感知、同時に光の力も感知。警告、警告、正体不明のものの侵入を確認。マスターズに通告!」
という声と、城の中心に巨大な砲台のようなものが。そして、後ろの道を見るとなんと、きれいさっぱりなくなっている!
「光秀、飛んで、逃げることはできるか、僕も連れて」
「ああ。……あれ? 能力も使えねー」
光秀は、だぁーー、絶対絶命だぁーー、と頭を抱えて叫んでいる。盾もでない。城は、冷酷に告げる。
「認可。侵入者二名、ハ、イ、ジョ、する」
僕はどうせ、能力が使えないのなら、と、空中に『能力』と書き、バースト化の条件をみたした。文字が薄い緑色に淡く光って消えたので、発動するとは思うのだが、……。冷や汗が流れる。城の砲台に光が集まっている。何か、来る!
そして、バースト化の結界は思ったより、はやくでてきた。そして、僕の周りに透明な膜のようなものが、五枚位張られているのを確認した。
「光秀、僕の後ろに!」
光秀はああ、と頷くと、僕の背後にまわり、膜の中に入った。
城の攻撃、それは今までのモンスターとは比較にならない規模と質量だった。砲台から巨大な丸い光の玉が射出されたかと思えば、中央で、それは止まり、一気に花火のように光の矢が四方八方に広がった。僕と光秀は透明な膜(絶対障壁と名付けよう)によって、なんとか耐えているが、少しずつ後ろに押され続けていた。光の玉は少しずつ小さくなっているものの、相変わらず光の矢をだし続けている。その時、絶望の音が聞こえた。パリン、また、パリン、パリン、。
「翔、バリアが……」
「そんな馬鹿な! バースト化の結界もあるんだぞ!」
何の音か、気づいた時には、最後の一枚にところどころ微少なひびが入り、それが、壊れた。
「使え……」
だれだ? 時間がないはずなのに、もう死ぬ、いや、死んだかもしれないのに、ゆっくりと声が聞こえる。時が止まってるかのようだ。
「使え!」
僕が、誰だ! っていう前にそいつは言った。
「ゼロの力を!」
いつの間にか、僕は叫んでいた、
「リバウンド・ゼロ―――――!」
僕は目をつむり、手を構えていたが、ゆっくり目を開くと、何のことはない、空は来たときのままに戻っていたし、城は喋りもしないし、砲台もなくなっていた。
「夢……じゃないな。光秀!」
後ろを向くと、光秀はあお向けに倒れていた。
「光秀!」
光秀は、大きく息を吸い込み、そして、はいた。
「生きてるよぉ~、びっくりして力が抜けただけだ。なんか、どっと疲れた」
良かった。でもなんで、能力は使えなかったのに、リバウンド・ゼロとバースト化は使えたんだろう?
そして、あの声、聞いたことがある。あれは……僕の能力の天使?
僕達はしばらく休んでから、城の中に行くことにした。
いや~、お久しぶりです。
夏のサンタクロースです。
最近、忙しく、しばらく書けなかったのですが、
周一ぐらいのペースで再び少しずつ書いていきたいとおもいます。
よろしくお願いします。




