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最終章 海と別れ

空気は凪いでいた。遠くで、波が何事もなかったかのように岸辺に穏やかに砕けていた。


アーレンは旗艦の甲板に横たわる遺体の間を歩いていた。敵もいたが、あまりにも多くが味方だった。


何年も見てきた顔を認めた。路地で共に眠り、共にパンを盗み、何の疑いもなくついてきた少年たち。彼を信じていたから。今は静かに横たわり、空ろな目で、まだ武器を握ったままの手で。


トリンの前で立ち止まった。少年は仰向けに横たわり、拳にまだ剣を握っていた。最後の瞬間にアーレンが見た、あの戸惑いの表情がそのままだった。退けと叫んだ時、もう手遅れだった。


アーレンは彼の傍に膝をついた。指でその目を閉じ、顎を食いしばったまま動かなかった。


―お前はついてきた ―震える声で呟いた。―いつも迷わずについてきた。そして俺は、お前をまっすぐ……


言葉は出る前に砕けた。


リラが静かに近づき、肩に手を置いた。何も言わなかった。言う必要がなかった。


―あの噂を聞くべきだった ―アーレンは顔を上げずに言った。―金属の筒、火と煙……目の前にあったのに切り捨てた。注意を払っていれば、トリンは生きていた。全員が生きていた。


―一人で背負うことはできない、アーレン ―リラが優しく答えた。―彼らはここにいることを選んだ。トリンは誰よりも。


アーレンは答えなかった。ゆっくりと立ち上がり、倒れた仲間たちを最後に見つめ、関節が白くなるまで拳を握りしめた。罪悪感は消えなかったが、歩き続けるのに十分なだけ、奥に埋めた。


ケールは船室に横たわり、毛布に半ば覆われていた。呼吸は遅く、重かったが、穏やかだった。生き残った仲間たちが見舞いに入り、回復すると自分に言い聞かせようとしていた。


―船長……良くなりますよ ―一人が声を詰まらせて言った。


ケールはかすかに微笑んだ。


―もっとひどい目に遭っても生き延びてきた……だが今回は駄目だ。


マルクスが次に入ってきた。しっかりした足取り、食いしばった顎。ケールの傍に立ち、何か普通の操船の議論でもするかのように腕を組んだ。


―大げさに振る舞うなよ、ケール。お前がこれよりひどい状態から、翌日には何事もなかったかのように怒鳴り散らしていたのを見てきた ―口の端が震える笑みで言った。―大丈夫だ。お前はいつも大丈夫だったじゃないか。


ケールは、もう偽る力のない目でマルクスを見た。


―マルクス……自分に嘘をつくのはやめろ。俺たち二人とも、どう終わるか分かっている。


マルクスの笑みが崩れた。唾を飲み込み、まるで船室の木材が突然この世で最も興味深いものになったかのように壁に目を逸らした。


―こんなことするなよ、この頑固者…… ―最後の言葉で声が割れた。


―よく聞け ―ケールの声に、いつもの威厳が少し戻った。―暁の風の若い連中はお前に任せる。お前のものだ。いつもそうしてきたように面倒を見てやれ。ただし今度は、誰の影にも隠れない。船長はお前だ。


マルクスは拳を体の脇で握りしめた。涙が頬を伝ったが、止めようとはしなかった。だが声はしっかりしていた。


―お前は今まで最悪の上司だった。そして最高の友だった。


―知っている ―ケールが半笑いで答えた。―もう行け。出る前に顔を拭け ―命令のつもりの唸りで言った。―暁の風の新しい船長がここからそんな顔で出てきたら、俺が海で一番厄介な借金を残したと思われるぞ。


マルクスは湿った笑いを漏らし、ケールの肩を力一杯握りしめ――それで引き留められるかのように――そして振り返ることなく出て行った。できなかった。


次に入ってきたのはリラだった。目は赤かったが、ケールは彼女が口を開く前に止めた。


―すまない、リラ…… ―苦しそうに囁いた。―お前の家族に何が起きたか、お父上が亡くなった後のことを知るのが遅すぎた。あの人たちを救えなかった。それが、あの総督に復讐した理由のひとつでもある。


間を置いて、彼女を慈しむ目で見た。


―お前はお父上の気性を受け継いでいる……そしてお母上の美しさも。 ―声がさらに細くなった。言葉の方が、傷よりも痛むように。―お前にもっと早く言うべきことがたくさんあった。お前の父のこと、あの人が俺にとってどれほど大きな存在だったか、そしてお前が……


扉が開き、アーレンが入ってきた。ケールは口を閉じた。言い残した言葉は、胸と喉の間に消えた。リラにはわかった――まだ続きがあると。だがもう時間はなかった。


ケールは苦しそうに息を飲み、アーレンに顔を向けた。言えなかったことすべてを、もう誰も開けない引き出しにしまうように、表情が変わった。


―あの娘を頼む。お前に任せる。


ケールはアーレンを見つめた。今度は正さず、説教もせず、「小僧」とも呼ばなかった。対等な者として見つめ、口の端がわずかに上がった。もう皮肉ではない何かだった。


―俺は海から逃げていた……お前は海と向き合うことを学んだ。その途中で、物事を変えたいという信念を失ってしまった。俺のようになるな……


その目がアーレンの目にしっかりと据えられた。


―だがよく聞け――勝てない戦いがある……そしてそれを見極めることを学ばなければ、二度と取り戻せないものを失うことになる。


再び沈黙が部屋を満たした。アーレンは関節が痛むまで拳を握りしめた。涙が頬を伝ったが、拭おうとはしなかった。声は震えなかった。


―俺は常に海に立ち向かう……大切なものを二度と失わないために退く時を忘れずに。誓う、ケール。あんたの名誉を取り戻す。歴史はあんたが本当は何者だったかを知る。


ケールは数秒間彼を見つめ、かすかに頷いた。


―なら……賭けた甲斐があったのかもしれないな。


アーレンとリラは彼のそばに残った。ケールの呼吸は次第にゆっくりと、間隔が開いていった。嵐が過ぎた後に凪いでいく波のように。


若者たちの目が涙で曇り、もう直接見ていなかったある瞬間、ケールの唇が動いた。風さえも運ばないほどかすかな囁きだった。


―賭けはお前の勝ちだ、若造……


誰にも聞こえなかった。その顔に浮かんだ微笑みが最後のものだった。


目はゆっくりと閉じられた。苦痛もなく。音もなく。ただ安らぎだけ。


リラは彼の胸に泣き崩れ、アーレンは立ったまま、自分の運命を変えた男を見つめていた。王は海に向き直った――今や支配するのではなく、敬うべきものだと知った海に。



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