第41話:放課後の至福
「ふんふんふ〜ん」
いつも通りの放課後。だけど週に一度だけ訪れる至福の時間が今日だ。
私は廊下をスキップしてた。毎週だからもうみんな慣れている。まあそれでも毎回視線送ってくる人いるよ? 見たことない人ばっかりだけど。
「……よし――あ、提出物」
先生に言われた言葉を思い出す。
『明日までにこのプリントのアンケートに回答しておくこと。忘れたは通用しません』
「……後ででいっか」
面倒なことは後回し。やりたいことをしっかりしたあとするという私なりの鉄則がある。毎回忘れるけど。
こんな経験があるから……
「……いや、今したほうがいいか? でもそうしたら遅れるし……いや……難しい!」
こういうことになる。今か、後か。絶対に……いや、後にしよ(洗脳済み)
ということで私はまず学園を出て海鮮の専門店に行く。お腹が空いたからね、まずは腹ごしらえ。
店に入ると、一気に空気が変わる。先程のふんわりとした空気から一変し、真面目にしないと怒られるという感じがする。
「……嬢ちゃんか、いつものかい?」
「うん!」
「好きだねぇ……まあうちの魚たちを美味しそうに食べてくれるから大満足さ」
私はカウンターにあるイスに腰を下ろす。内心ワックワクで待ちきれない。
――ここのお魚、身がプリプリしててとろけるから大好き! 早く食べたいなぁ……
先週も行ったはずだが、始めてくるような顔をしてたと思う。無意識に『ワクワク!』とか言ってたからね。
「お嬢ちゃん、もう少しでできるから待ってな。そんなキラキラした目で見られても時間は変わらんぜ?」
「だって! 早く食べたいもん!」
「はいはい、じゃあ早めに準備するよ」
すると、店主の腕の動くスピードが上がった。どんどんネタができていく。
数分で品が完成。
「はいよ、寿司三十貫と海鮮丼だよ」
「待ってました!」
「よくもまぁこんなに食えるな。うちの店としてはお前さんが喜んで収益も上がるから万々歳。一石二鳥よ」
「そうなんだ……じゃあこれからも来る! 何回でも!」
「……そうかい。早く食べな」
「は〜い」
急かされ、まずはお寿司に手を付ける。取ったのはブリ。
パクっと一口。すると臭みのない油の乗った旨味が舌を刺激する。最高の一品だ。
そして……本題のまぐろ。実はまぐろは異世界からしか仕入れることができないと言われている貴重なもの。まあアクア・アイランドではたくさん取れるけどね。隠してるもん!
「あむ……んー!」
口に入れた瞬間なくなった。しかしまぐろの味が口全体に広がっているため完全にいないわけではなさそう。
そして他と食べたとあと、海鮮丼に手を付ける。
「ん! 美味しい! こっちも! こっちも!」
海鮮丼は一つの丼に複数の刺身がある。だから一度に複数の味が楽しめて良き。まさに究極形態。
その一つ目の至福が終わり、次はスイーツ。
あの時行った『笛の海炎』だ。もう常連になってしまった。
まず最初に頼むのはカフェオレ。そしてショートケーキ。
ショートケーキはクリームが濃厚で生地がふわふわしているからめちゃくちゃ美味しい。そして飾りのいちごの酸味が甘味とマッチしてていい。
そしてその味をカフェオレのまろやかさで流す。これで一品目が終了。
次にきたのはモンブランとパンケーキ。一つは文化祭の出し物がメイド喫茶になった理由のやつ。毎週食べてるけどたまに食べたくなるんだよね。
パンケーキはね、もう素晴らしい。超ふわふわの生地にシロップとバターが合わさることで極限の甘さを引き出している。
モンブランはなんかお上品。鼻にほっくりした香りが広がって……わかんないけど上品。わかんないけど。
こうして、週一回行われる至福の時間、チートデイが終了する。意外と大食いでしょ? 私好きなものはたくさん食べるんだよね。
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