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第39話:魔物肉の食べ方

「よし、みんないるわね?」


 私たちは実習で使った大森林に来ていた。今日は休日なのでたくさん時間を費やすことができる。


 一体ここまで来て何をするのか、それは……


「森の魔物は強いわよ。気をつけて狩ること」


「「「「「了解」」」」」


 魔物の狩りだ。そしてそのあと解体して料理するつもりでいる。もちろん命をいただくわけなので感謝する。それは魔物であっても変わらない。


 リリアはなぜか小刻みに震えていた。


「やっぱ大森林って緊張するぅ……」


「それな! 謎だらけやからわからんのよ! でもそれがええ」


「だね!」


 大森林は謎が多い。だから未確認生物がいたり植物があったりして面白いのだ。まあ海よりかは解明されてるけどね。


「やっぱ枝が邪魔するわね……」


「進みづらいです……」


 枝や植物が大量にあるのですっごく進みづらいし、脚が重くなる。それでも頑張って進み続ける。


 少し進むと広場があった。そして六つの分岐点がある。使えそうだ。


「ここを拠点にする。みんなは今か魔物を狩ってきて」


「はーい!」


 私は右に向かう。マリーは拠点を立てるらしい。頼もしい限りだ。


 少しするとうさぎが現れた。これは魔物ではないので逃がす。


「はぁ…はぁ……見つけた……」

 

 そして数十分後、ようやくイノシシの魔物を見つけた。全体的に大きいし、食べる肉の量が多いのが特徴。今回のは三メートルくらいだね。


「グォ゙ォ゙ォ゙ォ゙!!!」


「とう!」


 私は単純な突進を軽々避ける。でも当たったら致命傷だし注意してる。


「今だ!」


 放った水魔法で頭を吹っ飛ばす。それでも動くので心臓まで貫くことになった。


「はぁ……お肉減っちゃったじゃん……ごめんね」


 魔物に謝ったあと、その体を水で包みこんだ。もし細菌が入っていたら感染症になるし浄化しながらね。


 歩き始めると、周りに違和感を覚えた。


「……まさかこの魔物を狙ってるの?」


 気配はどんどん近づいてくる。一体正体はなんなのか、私の警戒心は増していた。


 そして……その気配が現れる。


「……あれ?」


 めちゃくちゃ可愛い犬がいた。こっちに歩み寄ってきて私のふくらはぎに顔をスリスリしてる。


「か、可愛い……」


 私は犬を抱き上げて高い高いをしていた。ほんとに可愛くてペットにしたい。


 だけどこの魔物を運ばないといけない。つまり離れる。名残惜しさ全開で犬を抱き上げるのをやめた。


「ごめんね。私行かないと」


「ワン!」


 犬はどこかへ姿を消した。私も同様にマリーのもとへ帰る……


「っ!」


 バコォォンッ!


「なに!?」


「ガルルルル!」


 体長二メートルは超えてる大型の犬? が私に攻撃してきた。いきなりとは卑怯だ。正面から来てよ!


「……あれ、さっきの可愛い犬!?」


 顔の形に見覚えがあった。ないとおかしい。さっきの可愛い犬は魔物だったのだ。普通に考えればなんとなく予想できることなんだけどね……


「ごめん……攻撃されたからには倒す!」




「……はぁ……」


 私は落ち込みながら拠点に戻った。あの可愛い犬を倒してしまったという罪悪感が心を締めつける。


「あ、戻っ――大物すぎない?」


「そうなんだよぉ……はぁ……」


「どうしたのよそんなへこんで」


 その時の話をするとマリーは珍しく真剣に聞いてくれた。頭を上下させて頷いてくれる。すごく話しやすかった。


「……そうね。よくわかるわ。だから今日はそれを忘れるためにとびきり美味しい料理を作りましょ」


「……うん!」


 そんな話をしていると、いつの間にか全員揃っていた。マリーは全体に『料理するわよ!』と言って活気づけた。


「メインはなに?」


「今日は……フローズン王国で人気のハンバーガーよ。もちろんセットのね」


「やった! ウチ大好き!」


 ということで作っていく。


 まずはイノシシの魔物とルイが狩ってきた牛の魔物の肉を用意し、細かくブロック状に切る。そしてミンサーでミンチにしていく。その肉を合わせて合いびき肉にする。


 塩、胡椒、さらに自家製スパイスを加え混ぜる。


 こねた後、空気を抜くように丸め、形を整える。フローズン王国のハンバーガーはバンズが大きくジャンキーなので大きめの丸形になると最高。これでパティの完成だよ。


 次はソース作り。


 トマトを一口大に切り、玉ねぎはみじん切りにする。トマトは完熟してるものを使うとめっちゃいい。マリーが野菜を用意してくれた。


 フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、にんにく、玉ねぎを加えてしんなりさせる。そしてトマトをぶち込んで炒める。


 水分がなくなるまで煮込む。そして砂糖で味を整える。


 火を止め、バターを一切れ入れ混ぜたら完成。これでようやく下準備が終わった。


「ふぅ……よし!」


 今からはハンバーガー作り。


 バンズを半分に切り、フライパンで軽く焼き色をつける。同時進行でマロンがトマト、リリアがベーコンを。サインは味見担当で、マリーとルイは盛り付け。


 油を敷いたフライパンにパティを投入。弱火でじっくり火を通す。両面焼けたらチーズを乗せ蓋をする。これもマリー持参。


 その間にマリーがバンズにソースを塗り、キャベツ、トマト、ベーコンの順番で乗せていく。


「お、いい感じにできた」


 焼けたパティを最後に乗せ……


「マリー! できてるよ!」


「ありがとう」


 私が作っていたチーズソースをたくさんかけて、最後にバンズを乗せれば……!


「完成よ! フローズンバーガー!」


 皿にはフローズンバーガーとフライドポテト、キャベツがある。これが六人分。


「ごくり……いただきます!」


 かぶりつくとチーズの濃厚な味とパティの肉汁が口の中に広がった。ジャンキーで太りそう。フライドポテトが欲しくなる。


「美味しい!」


「……やっぱり癖になるわね、この味」


「……太りそう」


「マロン! それは言わないお約束!」


 楽しい時間が過ぎていった。

「続きが気になる……!」


「もっとないの!?」


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