第28話:海旅行 一日目
「ふんふんふーん」
私はみんなが話してる隙に別荘の裏口に来ていた。なんか長くなりそうだし自由にしたい!
「えっと……あ、ここか」
扉を開けると、裏口とは思えないほど清潔に保たれている部屋があった。もっと緑豊かだと思ったのになぁ……変なの。
そのまま部屋を散策してると、貝殻でできたイヤリングとダイヤモンドでできたネックレスがあった。
「なんだろこれ、つけてみよ」
片方しかないがイヤリングをつけ、ネックレスを首にかけた。すごくしっくりくる。
「うん、いい感じ。イヤリングを左耳につけたのが正解なのかな。反転しても違和感ないね」
一応右耳にもつけてみたけど変な感じがしたのですぐ外した。すごく嫌悪感がある。
確認のためにその場で一回転してみた。
「……なんか自分でやって恥ずかしくなってきた……やめよ」
恥ずかしさから体中が赤くなる。なんでこんなことしたんだろ。
私はその後も部屋を散策したけどこれ以上出てこなかった。ここはイヤリングとネックレスを保管するところだったのだろうか。
「シャルルー! どこいるんやー!」
「いるよー!」
サインの大声が聞こえてきたのでなんか咄嗟に出てしまった。すると扉が開き……
「見つけたで! まったく、どんだけ探したと思ってんねん!」
「ごめんね。話が長くなると思って……」
「あ……予想通りやで……」
私の勘というのは変なところで発動する。しかも大体当たっている。
「とりあえずこっち来て! ご飯作るで!」
「ご飯!? 今すぐ行こ!」
私はサインについていく。
家の中は奇妙なほど清潔で白い。きっと常にメイドさんでもいるんだろう。それか掃除したか。
「あ、おっそい! もう準備始めてるよ!」
「ごめんごめん! なに作るの?」
「お楽しみ! じゃあシャルルは野菜切って!」
私はキッチンに行って、リリアに言われた通り野菜を切っていく。六人分だからか量が多い。
「いっ……目に染みるぅ……」
「切ったのここにいれて! 煮込むよ!」
切った野菜を種類ごとにわけてボウルに。そしてそれを硬いものから順番に鍋の中に入れていく。
「よし、しばらくこのまま。その間にウチなんかしたい!」
「ならちょうどいいのがあります。用意しますね!」
マロンはそのまま二階に消えていった。一体なにを取りに行ったのだろうか。
数分後、マロンは謎の箱を持ってきた。
「なにそれ」
「これは『人生ゲーム』と言って、異世界でよく遊ばれているそうなんです」
「へぇ……こういうこで遊ぶのね。不思議だわ」
「それな! ほんま異世界ってようわからん!」
「じゃあ早速しよ! 時間もったいないし!」
人生ゲームという目新しいものをするからワクワクが止まらない。早くしたい気持ちを抑えるので精一杯だ。
私たちは箱を開け、説明書通りに広げていく。普通の机だとやりづらいので床ですることになった。冷たいよぉ……あ、カーペットありました……
「じゃあ始めていきましょう。まずは私から……」
マロンがサイコロを振ると、出た数字は六。一気に進みすぎじゃない?
「えっと……おばあさんのお手伝いをした。千円ゲット……?」
「あ、これみたいだよ! てかマロン人助けしたんだね!」
「ま、まあしてないですけどね……」
「次、わたしの番」
マリーがサイコロを振ると、出た数字は五。
「……最大のライバルに大敗し、逃亡。二マス戻る……」
「あはは! そのままやん! おもろー!」
「うるさいわね。勝ってるもの」
なんか私に向けて言ってるような気がして怖くなってしまった。いや、あの目は私を見ている。
「俺が次か。よし……」
勢いよく振ると、出たのは四。勢いがあればあるほどいいという考え方はないらしい。完全な運。
「大切な人に嫌われ意気消沈。二回休む……」
「みんな運ありませんね……」
「まだわかんないよ! 私最近ちょうしいいんだから!」
さっきのみんなの振り方をみて学んだ。いける!
「とりゃっ!」
出た数字は……一。
「シャルルちゃん……叩きつけても意味ないんやで」
そう、私は振らずそのまま地面にサイコロを叩きつけていた。なんでか? 離すタイミングわかんなかったからだよ!
「一マス進んで……大犯罪を犯し牢屋に連行、誰かがゴールするまで動けない!?」
「シャルルちゃんだけ異様に理不尽やなぁ……」
「私なんかした!? 悪いことなんて——してるかも?」
「自覚あるんかい!」
そりゃあるに決まってる。特大魔法、入学式遅刻……あれ、このくらい? 大きな問題は。
あと巫女のときの……あ、数えだしたらきりがないや。やめとこ。
「よし次あたい! えい!」
数字は三。
「おじいさんを介護し出世する。五マス進む……株で成功し三万円、六マス進む……占いでいい運勢、一マス進む……」
「進みすぎじゃない!?」
結局サインは十五マス進んだ。運が良すぎて私自信なくしそうなんだけど。
「そう? あたい昔から運いいしそのせいなのかな」
「絶対それだよ! ずるい! 絶対越す!」
意気込みながらサイコロを振る。出たのは……二。
「出世失敗で三万円の借金を背負う……」
「……サイン以外地獄ね」
「続きが気になる……!」
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