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第24話:神祭 その3

これで神祭編は終了です

「ローズガーデン城って結構広いんですね。数年来てなかったら大きさも忘れます」

「ほんとですよ。ユラびっくりしちゃいました」

「えっと……どこに行くんだっけ?」

「確か部屋があるらしいです。」

「こっちですよ!」


 ユラについていくと、大きめの扉が。

 扉を開けると先に人がいた。多分国王だろう。


「おぉ巫女殿。そこに座ってくれ」

「りょうかーい」

「お主らの席も用意しておる。巫女殿の両隣に座るといい」

「ありがとうございます」


 かなり気が利く。元気なリリアとは正反対……遺伝子大丈夫?


「料理はあと少しで運ばれる。それまで少し話さないか?喋るのが好きなんだ」

「へぇ……初めて知った。いいよ!暇だし話そっか」

「……やはり、巫女殿は優しいな」

「チョットナニイッテルカワカンナイ」

「シャルル様、カタコトになってますよ」

「ユラそういうの好きです。シャルル様らしくて」

「どこが!?」


 なんの前触れもなく部屋全体に笑いが起きる。私なんかした?

 よくわからないまま時間が過ぎていく。

 ローズガーデン王と話すと夢中になれる。きっとそういう才能があるんだろう。引き込まれるみたいだ。

 

 その時、すごくいい匂いがした。きっと料理だろう。


「ん……そろそろ?」

「そのようだな」


 扉が開き、次々と料理が運ばれてきた。

 肉、野菜、フルーツ、デザート……たくさんある。まぁ食べ切れる量だし大丈夫。



 

「ふぅ……ごちそうさま」


 料理を食べ終えると、ローズガーデン王が真剣な目でこちらを見ていた。なんなんだろ。

 

「……巫女殿、これから世界はどうなるのだ。最近は魔界と戦うことが増えている。以前のように落ち着いて生活などできん」

「……私から言えるのは一つ。このままじゃどっちかがなくなる」

「シャルル様……」


 アイが何か言おうとしたが、私は止まらない。

 

「私だってこんな未来は嫌だ。人間界の魔界、どっちもいいところがある。だから……その時は、私がなんとかしてあげる」

「……本当に…優しすぎる。だが、その必要はない。必ずこちらで解決させよう」


 自信に満ち溢れた声。きっと嘘ではなく、本気で言っているのだろう。

 

「……でも、油断は禁物。私からはそれだけ。中立の立場だし」

「それもそうだな。良い時間だった。巫女殿は部屋でゆっくり休むといい」

「うん、そうさせてもらうよ」




「はぁ……今日はほんとに疲れた。特に儀式」


 ベッドで仰向けになりながらつぶやく。両側にはユラとアイがいる。

 

「シャルル様は完璧。なので疲れるのも当然です」

「一応ユラとアイも舞いましたから!」

「見てたよ。すっごくきれいだった!」

「……褒めたからってなにか出るわけじゃないですから」

「あ!ツンデレだ!」

「アイってやっぱツン――」

「その口塞ぐよ、ユラ」

「怖!」


 いつも通りの会話に、私は思わず笑ってしまう。それだけ二人の馴れ合いは面白い。


「……そろそろ寝よっか。明日はパーティーだし」

「そうですね」

「ユラもう眠たいです……シャルル様温めて……」

「……アイも」

「はいはい、一緒に寝ようね。おやすみ」


 そう言うと、私たちはすぐ眠りに落ちた。相当疲れていたんだろう。きっと夢を見ることはない。




「ん……朝……」


 目を覚まし、起き上がろうとしたが動かない。アイとユラに両腕をガッチリホールドされていた。

 無意識なのか、離すまいとギュッと力が強くなった気がする。これは……起きられない。


「……そっか。まだ……か」


 そのまま二度寝をする。体調悪く……はならない。巫女だもん。


「作戦成功だね、アイ」

「ほんと……バカな作戦考えたね。シャルル様の寝顔がみたいだなんて」

「だって可愛いしきれいだもん!」

「静かに、起きるでしょ」

「ご、ごめん……」




「よし……私大丈夫?」

「はい、完璧です」

「すっごく上品に仕上がってますよ!」

「ほんと?ならよかった」


「着こなせてない」って言われたらどうしようかと思った。ユラはともかくアイはそういうのズバズバ言うから気になってしょうがない。


「行こっか。そろそろパーティー始まっちゃう」

「あ、いつの間に夜……」

「ちゃんと外を見て。海の底じゃないんだから昼夜があるの」

「忘れてた……」

「早く行くよ!」


 私はいつまでも会話している二人を強制的に連れてパーティー会場に行った。盛り上がると止まらなくなるのが厄介。


「ちゃんとしてくださいよ、シャルル様」

「わかってるって……」

「とか言って、毎回問題起こすじゃないですか!」

「うっ……」


 痛いところを突いてきた。

 確かに私はパーティーのたびに何かしら問題を起こしてしまう。

 去年はお皿を三皿割り、一昨年は料理をぶちまけた。もう恒例すぎて驚かないどころか笑いが起きてしまう。


()()()()、なにもしないでくださいね?」

「……はい」


 確信はなかったが、とりあえずそう答えた。じゃないと……ねぇ……。


「着きましたよ。開けます」


 アイが大きな扉を開けると、そこには王族や貴族など偉い人たちがたくさんいた。

 このパーティーは人間界特有のものなので魔王とかはいない。逆にいたらピリピリする。


「おぉ巫女様、今年はなにをしでかす予定で?」

「グラスを割るとかじゃないかしら。巫女様ってそういうの得意そうだし」

「か、からかわないでよ!今年こそ、なんにもおこさないんだから!」

「期待していますわよ、巫女様」

「笑ってるじゃん……」


 どう弁明しようとしても無駄だった。この人たちは私のことを信用していない。あ、悪い意味じゃないよ。

 そして……その理由が明らかになる。


「っ!あ……」


 私はなにもないところで(つまづ)いた。

 幸い怪我はなかったけど、見事にグラスを割ってしまった。


「――シャルル様?」

「あ、アイ……これには事情が……」

「言い訳は結構。パーティーの後、お説教です」

「……ごめんなさい……」


 今年こそ!と意気込んだのも束の間、アイによるお説教が確定してしまった。毎年そう。


「巫女様、今年も派手にしでかしましたな!」

「本当ですわ。ちゃんと周りを見ておかないとためですよ?」


 心配してくれている人もいる。でも、大半は笑ってる。私は別にそれが心地良いから大丈夫なんだけど……

 

「うん……次から気をつけ――」

「シャルル様、それ……何回目ですか?」

「っ……覚えてない……」

「……お説教時間追加です」

「やだ!私怒られるようなこと……してる!」

「自覚してるなら直してください……」


 そんな会話が繰り広げられている。

 いつも通り。だけど、とても面白い。きっと私がいるからだろう。自意識過剰かな?


「シャルル様、食べてください!このお肉美味しいんですよ!」

「……アイ、お説教は受けるからさ、今だけは楽しんでいい?」

「……好きにしてください」


 許可をもらって、私は大いに喜んだ。尻尾があるならはち切れている。それだけ、食というのは楽しみたいものなの。


「食べさせてあげますね!はい、あーん」

「あーん……ん!すぐなくなった!」

「すごいですよね!あ、他の料理もありますよ!」

「よし…全制覇目指すぞ!」

「おー!」


 私はユラと一緒に料理を全制覇することを目標にした。なんとも子供らしい。だけど……それが一番楽しいことはみんなわかっているだろう。




「シャルル様は危機感をもってください。自分がどれだけ高い位にいて、力を持っているのだと自覚してください」


 パーティー終了後は、アイによるお説教タイムが始まった。途中から何言ってるかわかんなくなる。


「――聞いてますか?シャルル様が直さないから悪いんですよ」


 その後も続き、二時間ほどで解放された。

 本当に……お説教って辛い。

「続きが気になる……!」


「もっとないの!?」


という方は下の☆☆☆☆☆から、応援をお願いします。


正直に書いてもらって大丈夫です。よければ感想も。


ブックマークいただけたら泣いて喜びます。


天然で鈍感な愛香君と愛香君が好きすぎるアリスちゃんのシリーズも見てもらえると嬉しいです。


今後もよろしくお願いします。

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