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第18話:まさか……そんな……

 竜王の迷子劇から四日。何事もなく実習をこなし、評価も高め。先生たちも影で見てくれているからしっかりとしないと。流石にダンジョンの件は見てないよね?


「……実習もいよいよ大詰めね」

 

「そうだね〜やっと解放される。終わったらすぐ風呂入りたい」

 

「水魔法で体を洗い流すだけの生活はもうしたくないわ……」

 

「早く帰りた――静かに。気配がする」


 ガサガサっと、草がかき分けられる。そこにいたのは……


「ちょ、ちょっとリリアちゃん……進むの速すぎ」

 

「いいじゃん! すぐ行きたいの! アリアちゃんだって――」

 

「……あ」


 目の前にいたのは、リリア……と誰か。初めて見る人だし、わかんない。


「えっと……あなたは?」

 

「あたしはアリア」

 

「アリア……わかったわ」

 

「それよりなんでここに? 私たちは今から試練に行くつもりで――」

 

「ウチたち試練なの! 楽しみだな〜」


 どうやら同じ目的でここまで来たらしい。そう言う話をしてるところに……


「る、ルイ君! ちょっと待ってよ!」

 

「早くしないと間に合わない。早く――」

 

「――またか」


 見覚えのある顔、ルイとマロンが追加された。もはや神の悪戯(イタズラ)としか思わない。この三人を見たのは……六日前。


「な、なんでシャルルちゃんとマリーちゃん…それにリリアちゃんまで……」

 

「姉さん、これはどういうことで……この実習はあくまでペアと……」

 

「そうよね……仕向けられてるとかないかしら」

 

「……やっぱり姉さんも……

 」

「なにかおかしいと思ったわ。きっと、魔族よ」


 マリーのはっきりとした言葉、きっと冗談で言っていない。その目は、確信だった。


「魔族……本当ですか?」

 

「……ええ。きっと、なにかに()()してるんでしょう」

 

「あ〜前の五体の魔族のやつか……気づかなかったんだよ? 私」


 とんでもなく大嘘をついてしまった。人間界と魔界を遮断する結界を張ってから数日、大体の気配は感じていた。魔族は魔物と違い、人間界にいても死なない。ちなみに人間界で発生した魔物は死なない。あくまで、魔界から人間界に入ってきた魔物限定。


「あのあとケーキ食べて……えへへ、また食べたくなっちゃった」

 

「あなたね……どんだけ甘いもの食べるのよ。その魔族の事件の後、体育祭後、自主練前……」

 

「食べすぎじゃない!? ウチでも一ヶ月に一回食べるかどうかなのに……」

 

「俺は基本食べない。お祝いとか以外は」

 

「あたしは()()()()()()()かな」

 

「……でしょうね」


 その言葉に、全員が違和感を覚えたことだろう。なぜ?マリーは、アリアがケーキなどのスイーツを食べたことないと知っているふうに喋ったから。その意味が、よくわからない。


「……どういうこと?」

 

「アリア、あなたは……人じゃないわね?」

 

「――っ……」

 

「「「はぁ!?」」」

 

「……な、なに言ってるの?あたしは人で――」

 

「嘘はやめて。みんな、アリアから離れなさい」

 

「ちょっ…そんな急に――」

 

「早く!」


 怒声…なのかわからないけど、なにかまずいことになるのはわかった。


「……はぁ、せっかくローズガーデン第一王女を殺せると思ったのに。あわよくばあなたたち全員も」

 

「……え?ウチを……殺す?」

 

「まさか俺らも……」

 

「な、何考えてるんですか!そんなの、だめに決まってます!」

 

「うるさい。バレたなら、隠す意味もない。ここで、全員抹殺する」


 アリア……いや、目の前の魔族は私たちに向かって構えを取る。竜王には劣るものの、かなりの強者。きっと軍の大将レベルだろうね。


「倒すわよ!全員集中して!」

 

「――そこ」

 

「ひゃっ!」


 魔族の攻撃がマロンの首に当たりかけた。まさかの魔法を使う戦法じゃなくて、物質(剣とか斧とか)に魔力を流して戦うらしい。

 

 ――珍しいね。魔法使いは近距離戦が苦手だからそこをついてきたってところかな。


「突っ立ったままじゃ何もできないよ。首席」

 

「うわっ! 危な!」

 

「そこ、隙だら――」


「それはどうかな?」


 攻撃された。明確に、私に向かって。

 

 ――勝った。あの魔族が勝つことは……ない


水ノ泡(ウォーター・バブル)!」

 

「っ! しまっ――」

 

散れ(ラード)水の糧となれ(ウォーター・イート)!」

 

「――」


 ちょっと強めの水魔法を放った。もしかしたら、威力調整ができてなくて消滅するかも……これに関しては運に任せるしかない。


「う、うぅ……」

 

「……あ、あれ?服だけ…消えてる」

 

「み、見ないで!」

 

「きれ〜……ウチと肉付き変わんないじゃん!魔族って案外お手入れとかして――」

 

「それ以上は言わないで!」

 

「ん? てかもしかして……」


 私はこの魔族の顔をよく見る。なにか見覚えがある…気がしてた。初対面ではないような……

 

 ――あ!

 

 バレるかもしれないので、魔族の耳元に小声でつぶやいた。


「……あなた、魔王城で私のことからかってた子?」

 

「……?」

 

「だから……私、巫女なの」

 

「み、ミコサマ? 本当に?」

 

「うん。そうだよ」

 

「――た、大変失礼しましたー!」


 目の前の子、アリアという魔族はスライディング土下座をかましてきた。そりゃそうだね、巫女に対して魔法を放つなんて。普通なら、処刑。

「続きが気になる……!」


「もっとないの!?」


という方は下の☆☆☆☆☆から、応援をお願いします。


正直に書いてもらって大丈夫です。よければ感想も。


ブックマークいただけたら泣いて喜びます。


天然で鈍感な愛香君と愛香君が好きすぎるアリスちゃんのシリーズも見てもらえると嬉しいです。


今後もよろしくお願いします。

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