第1話:謎の少女
世立総合学園魔術科入学試験当日。
世立総合学園は人類が魔物に対抗するべく、世界が団結して造ったらしい。
剣、斧、弓、槍、魔法……様々な部類で専門的な知識を学ぶことができる、いわば軍事特化型学園。
そんな学園の入学試験にひときわ目立つ人物が四人。
「あ、あれ……」
「嘘……間近で見れるなんて!!」
水色の髪色に長く伸ばしているロングヘア。青い瞳を宿しており、別名『氷の女王』と呼ばれている存在。誰にでも優しく、『美しい』が似合う容姿から、落とせなかった男はいないという。
――マリー・フローズン――
「隣にいるのって……」
黒色の髪色に長い髪を一つにまとめ、緑がかっているポニーテール。緑色の瞳を宿しており、別名『風の使者』と呼ばれている存在。天真爛漫で優しい性格から、『親しみやすく、頼りやすい』と評判。
――リリア・ローズガーデン――
「あ マリー様の左にいるのは!!」
「こんなところで見れるなんて……今日が命日でもいい……」
赤色の髪で短い。赤い瞳を宿しており、別名「炎の皇帝」と呼ばれている存在。マリー・リリアと同じく、誰にでも優しく、『かっこいい』が似合う容姿から、落とせなかった女はいないという。
――ルイ・フローズン――
「あ、こっちもすごい人いる!」
黒色の髪に紫がかっているショートヘア。紫色の瞳を宿しており、別名『闇の支配者』と呼ばれている。内気な性格から友達は少ないが、仲のいい友達は皆、『めっちゃいい子』と言うらしい。
――マロン・ダークネス――
マロン以外の三人は一緒に行っており、試験について話をしている。
「リリア、ルイ、調子はどう?上位取れそう?」
「もっちろん! めちゃめちゃ調子いいし、首席狙えちゃうかも!」
「流石にないだろ。姉さんがいる限りリリアの首席はない」
「ひどーい! ウチだって強いのに!」
「わたしのほうが強いわ」
そんな他愛のない会話をしながら集合場所である第一体育館へ向かっていた。
その様子に『きゃー!』と叫ぶものや『美しい……』と言って失神しかけるものもいた。
そんな中、突然現れた少女に目を奪われる生徒が多数いた。
「はぁはぁはぁ……ま、間に合った……よし、ここからは歩こう」
白い髪に長く伸ばしているロングヘア。右目には海のように青い瞳、左目には炎のように紅い瞳を宿している。
とても美しい容姿をしており、通った場所からは「海のような匂い」がしたらしい。
「ねぇ、あの子だれ?」
「知らない。あんな子見たことない」
「だよね、誰なんだろう。あんなに顔立ちいいなら誰か一人でも知ってるはずだよね?」
そんな会話を多くの人がしたことだろう。マロンは聞き耳を立てていたので後ろを振り返った。
少女が進む姿を見ると、思わず言葉をこぼしてしまった。
「……きれい……」
マロンははっとして口を塞いだ。だがその行動と矛盾するように、目は少女を見ていた。
「あ、行かないと」
切り替え、第一体育館に向かった。
全員が揃い、時間となった頃、学園長と思わしき人物がステージに立つ。
「えぇ皆さん、お集まりいただきありがとうございます。わしはこの世立総合学園魔術科の学園長の一人。名前は覚えなくて結構」
学園長の一人である人物が淡々と話す。そして、入学試験についての説明を始める。
「入学試験は筆記と測定の2つです。測定についてはこの機械で魔力量を測定します。それだけです」
その発言に多くの人が驚き、呟き始める。
「(なんか楽そうじゃね?)」
「(いや、規定超えないとだめだろ。気を抜いたら終わりだ)」
「(それもそうだな)」
「私語はそこまで、今から筆記試験です。各自移動を」
それぞれ指定された教室に、一斉に向かう。
少女もついていくように移動したがスキップするという余裕を見せた。その姿を見た受験者たちは『あいつやばくね?』とヒソヒソ話していた。
約1時間後、筆記を終えた人たちがズラズラと体育館に入っていく。
第一体育館の端でパイプ椅子に座っていた学園長が立ち上がり、またステージに立つ。
「皆さんお疲れ様でした。では今から魔力量の測定を始めるので六つに分かれてください。順番は自由です」
話の間に教師陣が分かれ、測定機が六つの場所に設置される。
受験者たちはきれいに六つに分かれていく。マリーたちは会話のために一緒の測定場所に集まっていた。
「魔力量増えてるかしら」
「姉さんあれだけ頑張ったんだからきっと増えてるよ。心配しないで」
「そうそうルイの言う通り! みんなで頑張ったんだよ?努力が実らないわけないじゃん!」
「それもそうね」
三人の間には緊張というより期待の雰囲気が漂っていた。それを見た受験者たちは「流石だな」と謎に納得していた。
一方マロンは緊張しまくっていた。
「うぅ……増えててお願い……なんでもしますから……」
自分の順番になるまで両手を組んで祈っていた。貴族とは思えないギャップに、一部の人はクスクスと本人にわからないように笑っていた。
数分後、少女の番になる。
「次、お名前と番号を教えてください」
「シャルル・シー・アクア、番号0720です☆」
「はい、アクアさんですね。ではこの水晶に手をかざしてください」
少女の名前はシャルル・シー・アクア。受験者全員が初めて聞く名だった。
気にする様子もなく青色の水晶に手をかざす。すると水晶にヒビが入り、やがて粉々になった。
「あ、あれぇ? なんか壊れちゃった……だ、大丈夫ですよね?これ接着剤でぇ……いや水の表面張力使えばぁ……て聞いてます!?」
めちゃくちゃ慌てていた。だが教師は目を点にして、まるで聞こえていない。伝説を残して試験を終えた……
「続きが気になる……!」
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