第14話:これからについて
「ん……んぅ――痛い!」
「ん、もうなんですか巫女様……朝からうるさいですよ……」
「そうですよ〜巫女様のせいで目ぇ覚めた〜」
「ご、ごめん……」
いつも通りの頭痛。最近ないな〜とは思ってたけど今くるなんて思ってなかった。めっちゃ痛いよぉ……
「? いい匂いがする。ご飯?」
「あ、気づきました?」
「魔族だからって栄養が必要ないわけないんだよね〜」
「そ、そう……初めて知った」
「じゃあ行きましょっ! 朝ご飯美味しいですよ!」
手を握られて強制的に連れ去られる。なんだろう…不思議と嫌悪感はなく、心地良い気がした。きっと、私の国に同じような人がいるからだろう。
到着すると、朝から豪華な料理が並べられていた。その日に適した料理を振る舞っているらしい。そんなことできるなら、アクア・アイランドにも一人くらい欲しい。
「ん〜美味しそ〜!」
「まぁそう早まるな。揃ったな、食べよう」
「「「「いただきます」」」」
「美味しい……見慣れないものばっかりだけど意外と食べれる……」
「それはよかった。お前は魚介類ばっかり、肉も食え」
「食べてるし……多分」
食べてる……よね?学園では海鮮食べて、アクア・アイランドでは海鮮食べて……肉は?
「その顔……食ってないな」
「い、いいじゃん!それでなんにもないんだからさ!」
「はぁ……」
私は気にすることなく食べ進める。昨日と同じでめっちゃ美味しかった。なんでなの?
やっぱり食事中は静かだった。元気ないの?と思うくらい喋らない。
「ふぅ……ごちそうさま」
「ああ、ごちそうさま。それで巫女、話があるのだろう?ここで聞くぞ」
「あ〜そうだった。忘れてた」
メイドたちが食器を片付けている間、そんな会話をする。心地よすぎて忘れてた。
「よし、私が来た理由……それは学園に放たれた核魔法について聞きに来たの」
「……核魔法、か」
「そう、核魔法。あれは魔王君が放ったの?あの質量、君じゃないとできない」
――確信はないけど、なんとなくわかる。あれは、魔王君の
「……そうだ。あれは、我が放った」
「やっぱり。どうしてあんな不意打ちみたいなことするの?」
「戦力は気づかぬうちに削ぐ、合理的なやり方だ」
「……目的は」
「言わない。これは幹部にも言わない、我だけの秘密だ。」
「――わかった。好きにしていいけど、海には何もしないでね」
「わかっているとも、だが……もしかしたら破るかもしれん。その時は、頼む」
「……うん」
魔王君は覚悟を決めたような顔をしていた。なんにも、ないよね……そうなるなら――
「少し暗い話してしまったな。幹部は仕事を、お前は部屋でゴロゴロしておけ。明日帰るのだろう?」
「あ、うん……わかった」
――あの核魔法、威力が高かった。冗談のつもりじゃなさそう。私が止めてなかったら今頃……
それぞれ席を立ってどこかに向かっていった。
私は部屋に戻り、昨日の夜から変わっていないもふもふの青いパジャマを着たまま、ベッドで本を読んでいた。
――あれ、この本の裏になにか……
「いっ――が…壊れ……あ――」
恐ろしいほどの頭痛が襲ってきた。まるで拒むように。
私は頭を抑え、苦しんだ。今まで感じた中で最も痛かった。
意識を失い、ベッドに横になる。右手に握られた本があり、私が見ようとした裏には――
――海は巫女を離さない。巫女は転生を繰り返し、何度も生まれ変わった。これは、誰にも止めることはほぼ不可能である。もし、解放しようとした場合、海が抵抗するだろう。
♧
「……海の巫女、もっと知りたい。文献探さないと……」
私はダークネス家の図書館に来ていた。図書館には先祖代々保管されてきた本がたくさんある。
その中でも注目を集める本が一つあった。
私はその本を手に取り、読み進めた。
「へぇ……海の巫女って昔色々やらかしてたんだ……意外と天然なところある」
半分くらい読んだところで、絵があった。
「――なにこれ、祭壇? 中央の人は、巫女? 笛で音楽を奏でてるみたいだけど……」
色もあり、この絵だけ特別感があった。何かを伝えようとしているのか……それはわからない。ただ、巫女の後ろにいる人物がとても気になる。
――この人は一体誰なんだろう……只者じゃないよね……
「マローン! ご飯の時間よ〜!」
「あ、はーい! すぐ行くから!」
本を元の位置に戻して、お母さんの声の方向に向かう。あの優しく子守唄のような声は今でも大好き。
「今日のご飯なにかな〜料理長のご飯毎回美味しいんだよね〜」
誰一人として、あの本が重要であると見破る者はいないだろう。きっと……
――ごめんねシャルルちゃん。でも、見ちゃいけないの。わかって。
「続きが気になる……!」
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