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人は皆消すべきなんだ
ただなんとなく、自分がこの世から消えたい願望があった。
人の汚さを目にし、人の愚かさを感じ、人の醜さに奥歯を噛み締め、アホ面をして今を一喜一憂する街征く人種。
それでも死ぬのはごめんだ。怖いし、痛いし。何よりも遺族なるものに迷惑を掛けたくなければ、こんな自分でもいなくなれば後窯を務めるものも居ない。
自分が延命するには取るに足らない友人や繋がり。そんな中途半端な繋がりのために、男が見つけ出した答えはある日目覚めた影の力だった。
「お前は……」
見慣れたシルエット、影、表情──
黒の立体が象るその姿は自分だった。
「……ホントウノ……セカイヲツクロウ……ケガレヲジョウカシ……タダシキニンゲンダケノセカイ……」
その声にもならない呻きめいた声色。
その溢れるような言葉に、男は身を震わせ『最後の延命』を決心した。




