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染まる春色と告げる手紙
月明りで手紙を読みながら、女性は桃色に染まった唇を笑ませた。彩られた爪は春を思わす淡い色合いで、女性は一枚しかない手紙を大切そうに封筒にしまう。
(まさか懇願されるなんて思わなかったわ)
「いつもこう素直なら許してあげるのにね~?茶炉、ありがとね」
名を呼ばれた小鳥は、手のひらに乗ってしまうくらいに小さく、その小さな首を傾げる。
「じゃあ、さっそく準備をしなくてはね。茶炉も嬉しいでしょう?カワイイあの子が来るのよ?」
彼女はうきうきと小鳥を話し掛けながら、優しく指先でその小さな頭をなでた。
「でも、もうきっと素敵な娘さんよね。どんなに可愛くなったのかしら」
――小さくて壊れてしまいそうな手を、柔らかく握った事がある。もうその時とは違うけれど、その温かな記憶はまた増えた大切なものと一緒に、宝箱にしまっておこう。これからもその過ぎ行く時間を見逃さないように、些細な幸せを大切にしていきたいと彼女は思い、微笑みを浮かべた。




