ついに発覚・事情聴取
(ようやく安心しておかゆが食べられる手つきになったな)
と思った直後に再び前歯と匙が熱烈な抱擁を交わした、と同時にチャイムが鳴った。
キンコーン
「………………」
「………………」
「配達でーす」
さてどうしようか。
俺は動けない。
コイツに応対は任せられない。
仕方ない、ここは居留守を決め込みますか。
「はーい」
えっ
あわてて止めようとするが体を起こすと同時に強烈なめまいを感じて動けなくなる。
「スギヤマさんのお宅でよろしいですか?」
「はい」
勝手に扉を開け配達員に応対するアイツ。
「ではここに捺印をお願いします、て、あら?」
やばい。
配達員が異常に気付いた。
そりゃあ野郎宛の荷物持ってひとり住まいの蓋を開けたらコスプレ少女、てのは異常だ。どうかプロ意識を持ってスルーしてくれますように。
「これは……もしかして、アナタ、食べた?」
「え、いや、たべて、ない、よ?」
「第二規則」
「……虚偽の申告はこれを罰する」
「よろしい。で、アナタ、食べた?」
「すこしだけ……」
「ちょっと上がらせてもらうわね」
え?どういうこと?
何やら不穏な会話が聞こえてきた。てかアイツと配達員は知り合い?
「お邪魔します。スギヤマさん」
「あ、はい」
きれいな女性だった。整った少しきつめの顔つきに濡れたような黒髪はどこかアイツを思わせた。
これでもっさい配達服でなかったら一発で俺は委縮して会話できなくなっていたであろう。
「失礼しますね」
「う」
やっぱり委縮した。
そりゃあ美人が間近で顔を覗き込んであまつさえ額に手を当ててきたら緊張しても仕方ないことだようわすげえドキドキするやべ息が荒く止まれ呼吸落ち着け俺この人はアイツとどんな関係なんだろうまさか姉妹ってことはないだろうけど顔は何となく似てる気がするなあ。
不意に体が軽くなった。
背筋を元気に走り回っていた悪寒は嘘のように消え体の隅々に活力が行き届くのを感じると共に顔が熱くなっていくのがわかる。
最後のは不調で抑えられていた赤面だ。
見れば美人さんは俺の額に手を当てじっと集中するように目を閉じている。
手を当てられている額から暖かな何かが体に染み込んで来ている。そんな感覚があった。
なんだこれ?
治癒魔法かなんか?
「……ふぅ」
「………………」
「これでもう大丈夫ですよ」
そういって優しく微笑む美人さん。やばい。それ以上はやばい。
営業スマイルだとはわかっているけど!
「あ、ありがとう、ございます」
「いえ、すいませんこちらこそ。スギヤマさんがこうなってしまったのはこちらの不手際のせいでもあるので」
「え?」
「あ、あの」
「アナタは黙ってなさい。すいません、これからお時間いただけるでしょうか。2時間ほどかかりますが」
「あ、はい、大丈夫です」
「ありがとうございます」
何やら複雑な顔をして黙り込むアイツ。まるでこの世が終わりが来るかのような顔をしているのがすごく気になる。
しかしこの場はすでに美人さんによって掌握されていた。
「どこから話せばいいか……あ、今からする話は他言無用でお願いします。まあ他人に話しても笑われるだけでしょうけど、制裁が下る場合もあるので注意してください」
なにそれこわい。
「………………」
「………………」
とりあえずベッドから身を起こそうとした俺とそっとこちらに近づこうとしたアイツを美人さんが制した。
「ああ、そのままの姿勢で拝聴していただいて結構です」
さりげなくそこで立ったままでいろ、と釘を刺されたアイツはなんかもう泣きそうな顔をしていた。でもその顔も嫌いじゃないぜ?
「では、はじめに、あなたにとって衝撃的なことですが落ち着いて聞いてください」
緊張に喉が鳴る。
「私たちは、人間ではありません」
な
なんだってぇー!
四日坊主になっていたのを思い出してまた少し書きはじめました。
予定は未定です。




