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草と天災じゃ危険度が全然違う件について  作者: mittun


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第11話 そんなざまぁ!やめたげてよぉ2

加減が、加減が、難しい。

俺がなんか言うたびにザワザワしていた会場はヒステリーテ軍団が退場した事で緊張を伴った沈黙で満ちている。

どうやら皆んなペコペコYESマン王を作って甘ーい生活を夢見ていたのに、ヤベェ奴を王にしてヤベェ事されそうだと気がついたらしい。


『ハイ!じゃどんどんいくyo!

じゃ次は第一王子家族。

皆んな大好き守ってあげたい系なのにどこか色っぺえお姉さんと言えばこの人!

ラウアリさ・・・あるぇ?

ムキムキゴリゴリマッチョな背中に鬼神がやどる!

いつの間にお姫様抱っこされたい系姉さんになったんで?

え、その腕に抱いているのは美しい姫君はよく見たら兄上(旦那)じゃないですか!』


ウラアリはかつて儚げな美女だったのがなんて事でしょう今や世紀末覇者的な強靭な肉体と精悍な顔つきになっていた。

ブラッドエンドの路地裏でもゴロツキを威圧できそうなくらい。

うーん、デカい!ゴツい!強そう!

どうやら呪いの指輪で周囲から精気をすいまくり強化されたらしい。

戦士なら呪いどころか祝福の指輪だったね。

まぁ、本人は羞恥に真っ赤になって歯を食いしばっているが。ぷーくす。

意地なのか気の利く誰かの嫌がらせなのか昔と変わらない儚げひらひらドレスに頭の花飾りが余計に哀愁を感じさせる。ぷーくす。

呪いの指輪は脱落防止魔法に破壊阻止の防御魔法もかけられていた。

つまり物理以外で死ぬまで取れないのだ!

そして第一王子は第二王子と同じく毒を飲んだのだが。

悲しきかなその時、内臓は長年毒に蝕まれて貧弱になったおらと交換されており大ダメージを受けた。

そして追加で嫁さんから常時エネルギードレインされたことによりHPゲージは赤色固定に。

そして毒で手持ちの息子が昇天したせいか、もう性別を超越した彼は最盛期のラウアリに勝る美しさを得ていた。

もう王子やない姫ですな。

服が男女逆だったらもう完璧絵本のヒーローヒロインやね。

こらこらラウアリさん自分の旦那様みて嫉妬で歯ぎしりしないの。

そんな世紀末歯ぎしり嫁にうっとり顔の第一王子、もう嫁しか見えないくらいアタマもイッチャッテルネ。

『なになに情報によりますとラウアリは呪われた指輪により周囲から常に精気を集め、身体がバリバリ世紀末的強化。

だからそげな立派になりんしたね!

なになに体で結ばれた者は依存し、崇拝者となり死ぬまで側を離れず他者を排斥と。

ラウアリさんには誰も近づきたくないし、第一王子も嫁さんを独り占めしたいと。

独り占めしたところで第一王子のムスコ様は毒で永眠あそばしていて、超プラトニックお花畑夫婦交際とのこと。

いやぁ、子孫や国政どころか社会生活ムリぽ。

ハイ!離宮に部屋あげるから夫婦仲良く暮らしてイイヨ』

黒子さんがわらわらやってきた沢山のお花で飾り付けられた神輿に第一王子夫婦を乗っける。

えっほえっほと運ばれるお姫様(笑)と世紀末覇者に我慢できなかったお子様がわーわー声援をかけていた。

うん、子供は純粋だな。

こっちの大人(男性陣)は内股になってるし、あっちの大人(女性陣)は持ってるグラスを見てガタガタさせているけども。


『さあ、最後になりました。

お父さん、お義母さん?僕は立派な王になりす。

色々?お世話に?なったお礼?に、もう王族から引退させたげるね!

王城から出て夫婦仲良く家族でのんびり暮らして下さいね』

だいぶ人が減り静かになった中段にいる老夫婦を見下ろす。

父である国王はぽかんとした顔で俺を見ていた。

まるで今までの流れについていけていないように、息子家族が居なくなった場所を見やる。

そして、足元で蠢き唸り続ける王妃を見て、あからさまに目を逸らした。

うん、ソレめっちゃ怖いよね。

終わりのないヒステリー、なにそれめっちゃミステリー。

解けない謎は謎のままそっとしておくのが熟年離婚の秘訣だよ。

王妃が幅を利かせてこれたのは実家の権力と富がピカイチだったからだ。

気の強い王妃に気弱な国王は言いなりだったので、王妃の家族がやりたい放題だった。

そう今までは。

今やその栄華を誇った一族は見る影もない。

なぜかヤバいお薬に皆んなでハマって頭がハッピーになり、博打や爆買いやなんやかんや散財したり詐欺にあって食い散らかされた挙句、爵位も売り払って王都の路地裏に転がってるらしい。

まぁ、なんて諸行無常。

あ、掃除業者に連絡しなきゃ。

つまり亀甲縛りで転がっているのは実家がカスっカスのおばさんである。

国王は俺をすがるように見上げ、情けない震えた声を出す。

「セシルは国政にも社交界にも慣れぬだろ?

私が側で」

「いや、あんた周りにおべっか使われてただけでろくに仕事してないし。

使えない前国王とかただ邪魔なんで」

俺がムリムリと顔と手を振ると国王はガビーんとショックを受けた顔になった。

いや、あんたマジ判子押すだけの係だったじゃん。

「か、父に使えないなどど酷くはないか?

そ、それに王族が減れば国もゆらぐ。

お前も父に会えぬは寂しかろう?」

確かに、ぽっと出てきたダークホースの俺が唯一直系の王族では国の内外から面倒くさい争いを生むかもしれない。

俺を倒したらこの国乗っ取れるとか。

だがご安心くださいませ。

俺がぱんぱんと手を叩くとファンファーレと共に壇上に新たに2人現れる。

俺の隣に並ぶ9歳と5歳のザ王族色金髪の美少年達が並ぶ。

兄は俺に顔がそっくり、弟はバジルに顔がそっくり。

もう紛う事なく俺達の子供って分かる顔面遺伝子である。

『見よ!この可愛い王子達を。

可愛くて頭が良くて、良い子かは分からんが、めちゃ可愛いウチの子だ。

毒祖父母は教育上よろしくないので速やかにご退場下さい』

「ま、待て!

儂も孫達に会いたいぞ!

セシルにはあまり会えず寂しい思いをさせたが、お前を大事に思っていた。

わ、儂の思いはお前にも伝わっていたろう」

孫を見て慌てて言い募る国王に俺もふむと思案顔を見せる。

確かに父国王は俺と母を愛していただろう。

時たまやってきて俺たちの貧しいながら精一杯のもてなしに「側妃と出会った戦時中を思い出すなぁ」と懐かしそうに楽しんでいた。

贅沢ながら神経を使う王城の暮らしに疲れ、質素ながらあたたかい母のもてなしに癒されていたんだろう。

時たま気が向いたらやって来て、気が済んだら帰って行く。

こちとら来るたびぜんぜん助けになるどころか、王妃のヘイトがこっちに向いて嫌がらせはさせられるわ散々だったけれど。

俺と母の食料もまともにないところ父が来るたびに生活は苦しくなった。

それでも小さな俺はそれでも父に会えて嬉しかったのだ。

そして現実が見えた時、愛情は怨みに変わった。

可哀想な小さな俺、オッサンの俺がその怨みを晴らしたらぁ!

『そうですね、俺達は家族ですから。

遠くへ行くのは寂しいですね。

父上達は母が住んでいた離宮に住んで下さい。

母もきっと寂しくないでしょう』

国王は黙ってふむと思案顔になった。

その足元の王妃はびくりと大きく震えた。

まともに離宮を見て回っていない国王は気がついていないが、王妃はあそこがどんな場所か分かっているのだ。

吹き荒ぶ隙間風、滴り落ちる雨漏り、逃れられないカビ臭さ。

母が死んだ時の血痕もその最後がありありと分かる様に残っている。

さぞや昔が思い出さられて懐かしいだろう。

そして今頃、俺達が住む為にリフォームした所をまた元に復元リフォームしているはず。

母のためにこの2人が用意した場所だ、是非住み心地を実感してもらいたいもんだ。

『今までお忙しかったでしょう。

静かな場所で家族と穏やかにお過ごしください。

もちろん警備はしっかりしてますし、母がいた頃のように必要なものは王城から届きますから』

国王はふむふむと頷く。

王妃は恐怖に震える。

王城の生活は基本的に王妃の采配だ。

元々、鬱蒼とした木々に囲まれた離宮は人の気配から離れているが、母がいた時は通用門に兵士を置き外界との接触を絶たせていた。

母にはあるべき側妃の人員も、予算も、衣食住の必要なものの配給もなかった。

叔父が兵士に賄賂を渡してどうにか生きていける程度の物を持って来てくれていたんだ。

さて、これからそんな事を落ち目のあんたらにしてくれる人はが居るといいね。

『俺達家族もたまにお顔を見に行きますから。

ええ、父上がしてくださったように』

国王はまぁそれならと満足そうに頷いた。

そう、父の様に会いに行こう。

気が向いたら、仕事が嫌になったら、家族が嫌になったら息抜きに。

まぁ、その気にならなきゃ行かねぇけど。

読んでいただきありがとうございます。


うーん。

もげたらいきすぎだと思うんです。

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