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試練の塔  作者: 甲羅に籠る亀


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6話

 飛び掛かった野犬の体当たりを回避した

マサキ。次に野犬が何かをしてくる前に行動した。


 野犬の方に体を向けたマサキは、今の野犬の状態を確認した。


 どうやら野犬は体当たりを回避されて着地をしたは良いもののすぐにはマサキの方に振り向ける状態ではない様だ。


 これはチャンスだ。


 そう思ったマサキは野犬に向けて刺突を繰り出した。それも倍加で槍の貫通力を2倍にして。


 刺突は野犬に突き刺さった。それもかなり深くまで突き刺さり、野犬の体を貫通して穴が空いてしまうほどに。


 槍が突き刺さった野犬は弱々しい抵抗を見せて暴れるが、それをマサキは槍を振り回されない様にしっかりと持って踏ん張ることで耐えた。


 野犬の動きが完全に止まるまで槍を手放さない様にしながら耐えた結果、野犬は力を失って消えてドロップアイテムに変わった。


 「あ、毛皮が出た。」


 ドロップアイテムは魔石以外にも野犬の毛皮がドロップした。


 手触りは野犬の毛皮とあって良くないゴワゴワした触り心地だった。


 「これ、どんな物に使われるんだ?」


 触り心地の良くない毛皮が何に使われるのか気になるところだが、今は周りの警戒をしないといけない事もあって魔石も含めてリュックに仕舞うことにした。


 「周りに居ないな。」


 周囲にモンスターが居ないことに安堵しながらも探索に戻ろうと思うのだが少し悩む。


 この近くのエリアなら野犬が現れるだろう。


 野犬も1匹なら問題なく倒せる自信があるけど、もし複数の野犬が現れる事になったら怪我をする可能性があると思われる。


 ステータスがもう少し育ってからこのエリアの探索をするか、それとも危険を覚悟にこのエリアで活動するのかを。


 「ん〜〜、よし決めた。」


 今日はどれだけのモンスターを倒してお金を手に入れられるのかを調べる為に活動している。


 それにマサキは1人で活動しているのだからなるべく危険なことを、それも探索者になってから日が経ってないのにだ。


 先ほどまで活動していたラビットの出るエリアまで戻り、そこで探索をすることにした。


 「あぁ〜、どうするかなぁ。」


 ラビットの現れるエリアに戻ってからそれほど時間が経たずにモンスターを発見する。


 見つけたモンスターはラビットだ。


 でも、そのラビットの数が2匹もいる。


 ラビットが群れて行動するのは偶にしか遭遇していなかったが厄介だ。


 回避を優先しないといけない。ラビットの攻撃に合わせて槍を構えている間に違う方向からもう1匹のラビットが攻撃を仕掛けるなんて事があるからだ。


 ここら辺での探索はほとんどしていない事もあって、あまり時間を掛けるとこの辺りから少し離れたところに現れる野犬が現れるかもしれない。


 なるべく早くラビットたちを倒してもう少しこの場所から距離を取って離れたいところだ。


 「あ〜もう気付かれてるよ。」


 ラビットたちが耳を立ててマサキの方に顔を向けてすぐに体を向けて走り出す用意をしていた。


 回避を優先にするのは当然として、でも槍を振るえる様にもしておく事も頭の中に入れておく。


 「首、あっちは足……。」


 どちらのラビットも視界に入れておきながら動ける様にしておいたマサキは的確にラビットたちの狙いを確認して攻撃を回避する。


 「反撃は出来ないか……。」


 先ほどまでマサキがいた場所を通り過ぎていくラビットたちを見ながら反撃を出来なかったことを惜しむ。


 出来ればあそこでラビットのどちらかに反撃してダメージを与えておきたいところだった。


 「次だ。」


 気持ちを切り替えることにしてラビットたちを見る。


 体勢を整えたラビットからマサキに向かって攻撃を仕掛けてくる。


 仕掛けてきたラビットが狙ったのは腹だ。


 もう1匹のラビットは今さっき体勢が整ってマサキに走り寄って来ているところだったのが確認できた。


 腹に向かって攻撃を仕掛けてきたラビットをこのまま反撃で倒せば、次に向かって来たラビットにやられるだろう。


 攻撃を仕掛けて来ているラビットの攻撃は回避だ。避ける事にしたが、それでバランスを崩して次に来るラビットからの攻撃を受けてしまうのだけは避けないといけない。


 体勢を崩してバランスを取れなくならない様に飛び退いてラビットの攻撃を回避する。


 「来た。狙いは首か!」


 首を狙ってくるのならそのまま串刺しだ。


 ラビットの軌道上に槍の穂先を向けて槍をしっかりと構えて離さない様にする。


 そして狙い通りにラビットは串刺しになって痙攣している。


 急いでマサキは槍の穂先に刺さったラビットを振り解いて地面に落下させると、もう1匹のラビットの方を確認した。


 ラビットを見たらもう既にマサキに飛び掛かっているところだった。


 「まずっ!?」


 ここからラビットの攻撃を回避するのは難しい。


 幸いなことにラビットが狙っているのは腹部だ。ここなら首と違って致命傷を受けることはないだろう。


 それでもかなり痛いだろうし、このまま何もせずにラビットの攻撃を受ける訳にはいかない。


 「【倍加】!!」


 肉体の耐久力に【倍加】を掛けた。


 これで少しでもラビットから受けるダメージを軽減させられるはずだ。


 「うぐぅぅっ!!??」


 腹部に強い衝撃が走った。


 それでも動けなくなるほどではない。我慢できる程度だ。


 マサキの腹に蹴りを与えたラビットがマサキから距離を取って離れている間に息を整えながら槍を構える。


 残りのラビットは1匹。


 あとはあのラビットを倒せば一先ずなんとかなる。


 でも、これまでもモンスターからの攻撃を受けてはいても、ここまでダメージを受けたのは初めてだ。


 不安を感じるが、それでもラビットの攻略法であるカウンターを狙って槍を握り締めた。


 「首なら。」


 首を狙ってくる牙を剥き出しにしたラビットの軌道上に槍を構える。


 「あっ……。」


 しっかりと握って構えていたが槍の穂先とラビットが当たる時に少し逸れてしまって、ラビットは変な風に槍に突き刺さった。


 「はぁ、まあそれでも倒せそうだからいいか。でも早く倒す為にも突き刺しておこ。」


 槍からラビットを振り落としてから、ラビットにトドメを刺す為に槍を突き刺した。


 ラビットが死んだことを確かめたマサキは周りを確認して他にモンスターがいないことを確認してから、先に倒したラビットのドロップアイテムを回収しようとした時にラビットがステータスオーブをドロップしていた。

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