特訓Ⅱ
「ちょ...待って...これ無理...」
「いやいける。絶対いけます。俊なら出来る」
ただ今絶賛糸通し中です。3個同時に。
いや違うんです、1個は出来たんです。2個も1時間かけて出来たんです。でも流石に3個は無理です。
「最初は『使ってる』って感覚がないから、自分が今何をどうやって浮かしてるか、操作してるか分からないの。
今は繊細な作業を同時にやってその感覚を鍛える特訓。
ちなみに3個から格段に難しいなるよ。人間は多くても手の数の2個までしか同時に操作出来ないからね」
いや難しすぎだろこれ。全然出来ないもん。1個も入らないもん。入る気すらしないもん。
「う~ん...いきなりこれは難しすぎたかな?」
「うん!うん!」
「じゃあ、パワーの方を鍛えて行こうか」
きました得意分野。遠藤さんには手も足も出なかったけど。
一応自信はある。あった。うん。
「俊は今どれ位のものまでなら持ち上げられる?」
「持ち上げられるのは100kgくらい、操作は80kgからスムーズにいく感じ」
「結構いけるね。まあ足りないけど」
「え?なんで?人持ち上げられるんだよ?空飛べるよ?」
「さっきもやってもらった見たいに、持ち上げたり操作したりするのは3個から格段に難しくなんの。
100kgのもの1個を持ち上げるのと10kgのものを3個持ち上げるのは同じくらい脳を使うの」
「へ~。なんでそんなに知ってんの?」
「...それじゃあ特訓を再開しましょうか!
10kgの鉄アレイ3つを同時に上げ下げしましょう!はい!」
「...はい」
なにか隠したいことでもあるのだろうか。
まあどうでもいいけど。
何事も3個から難しくなるのか、心に留めておこう。
今度から個人練習も3個以上のものを使っていこう。
─
...あれから1週間が経ったけど、まだ3個の糸通しをクリア出来ない。
やっぱり俺才能無いな...マジシャンなんてなれるのだろうか。
「師匠はどれくらいでこれが出来るようになっなの?」
「私は3週間くらいね。急ぐ必要は無かったし、近くにライバルとか敵も居なかったから、多少ゆっくりだったかも」
じゃあ俺は2週間を目指そう。俺も母さんの子だし、急いだらそれくらいで出来るはずだ。
他も色々試したいことがあるけど、それは個人でやろう。
「師匠はいまどんなことが出来るの?」
「まず全部の家事を一気に出来るでしょ。あとあれ、自慢出来るのだったら、半径2m以内の雨を全部止められる」
「は?なにそれヤバくない?他は?予知とか」
「えーっと...予知とかヒールとか千里眼とか」
「え?なんなの?天才なの?」
「そんなの練習すれば誰だって出来るようになるって」
...うちの母さんは支部長レベルでした。




