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もし高天神城が落ちる前に本能寺の変が勃発したら  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』


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39/43

横須賀では

 当初高天神を攻めるにあたり横須賀城を補給基地に定め、そこから船で兵糧物資の運搬を計画していたのでありましたが小浜景隆の妨害に遭い頓挫。それならばと陸路での搬入を画策するも、こちらは依田信蕃と出浦盛清によって阻まれ。更には周囲を武田勝頼の軍勢により取り囲まれ、奪取したばかりの高天神城で兵糧攻めとなってしまった徳川勢。そこに……。

小浜景隆「ん!?岡部様は確か諏方ノ原を……。」

岡部元信が合流。

岡部元信「うむ。だが殿の指示により小浜殿の役目を手伝う事になった。」


武田勝頼「岡部を諏方ノ原から外す!?」

真田昌幸「えぇ。諏方ノ原を守る今川氏真は岡部様の元主君であり、亡き信玄公が駿河に入った際もその忠誠心が揺らぐ事はありませんでした。その事を殿も?」

武田勝頼「買っておった。故に元信の息子を旗本とし、昌幸同様独立した軍団長の一人として重宝している。」

真田昌幸「このまま諏方ノ原攻めを任せれば、大きな成果を得る事は確実であります。ただ岡部様にとって氏真様は大事な方であります。岡部様が今川に鞍替えする事はあり得ませんが……。」

やり難い相手であるのは確か。

真田昌幸「幸い高天神に居た方々は我が領内から選抜された選りすぐりの皆様であります。岡部様が外れても問題は無いと考えます。」

武田勝頼「岡部はどうするのだ?」


岡部元信「私の率いる水軍を束ね、徳川の船を拿捕して欲しいと言って来た。諏方ノ原は横田に任せる。私としても氏真様と戦うのは気が引けるのが正直な所。

『これまでの鬱憤を晴らしてくれ。』

との指示をいただいていますので。」

小浜景隆「それは助かる。」

岡部元信「ただ……。」

小浜景隆「どうした?」

岡部元信「殿から小浜様に伝言を与っていまして……。」


真田昌幸「徳川の船を拿捕するだけでありましたら岡部様の船で問題ありません。小浜様には岡部様の船では出来ない事をお願いしたいと考えています。」


小浜景隆「補給拠点を叩いて欲しい?」

岡部元信「はい。殿が私をここに移動された理由は2つありあます。1つは水軍を束ねる事の出来る部隊を増やす事にあります。私が高天神にいる間、この仕事を担う事が出来たのは小浜様のみでありました。これを是正するため。そしてもう1つが今高天神に居る徳川を疲弊させる事にあります。攻めるためであります。これを小浜様にお願いしたいとの事であります。」

小浜景隆「異存は無い。守りばかりでは正直面白くないからな。」

岡部元信「ありがとうございます。」

小浜景隆「となると目標は横須賀か?」

岡部元信「最初私もそう思いました。しかし殿の指示は……。」

別の所にあります。


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