第5話 姫さまと愉快な仲間たち
朝6時、目覚ましが鳴った。
昨日、遅くまで飲み明かした為、寝不足である。
早く体を起こさないと、今日の会議に遅刻してしまう。
起きなきゃ、起きなきゃ、起きなきゃ……だめだぁ~
……この堕ちていく時の快感、何事にも代えがたい。
しかし私は知っている。
このまま堕ちてしまうと、ものすご~く面倒な事になる事を。
それは、今夜、至福のひと時が得られなくなる事。
私はゾンビになって、体を起こした。
・・・・・・
私の課は、事業部長によって新設された。
私の部下は、他の課から異動命令として、まわされて来た社員。
残念な社員と予想がつく。
そんな彼らと力を合わせて、業績を上げていかなければならない。
そう思っていた。
しかし、なんという事だ。
みんな、とてつもなく優秀である。
私の課の業績は、たちまち、ぶっちぎりのトップに躍り出た。
社内でも私の課は、いちもく置かれる様になった。
……事業部長は私の所に……精鋭部隊を作った?
・・・・・・
昼食は、大きな社員食堂を利用している。
大、小のテーブルが、等間隔に並んでいる。
気の合う社員でテーブルを囲み、雑談しながら食事している。
私はいつも、窓際に用意されたカウンター席で、スマホを観ながら、コーヒーとケーキとともに、1人で優雅に食事している。
昼食の時間になった。
今日も1人で社員食堂へ向かおうとした時、係長に声を掛けられた。
「どうですか、皆で一緒に昼食でも」
……まあ、断る理由は、無いかな。
「ええ、では」
係長と一緒にフロアを出た。
すると、私の課の社員が、ぞろぞろと後ろに付いて来る。
私を先頭に、広い廊下を集団となって歩いて行く。
すれ違う人達が廊下の端に移動して、道を開けてくれる。
こっ……これは……知っている、知っているぞ!
何かのテレビドラマで見た。
大きな総合病院、外科部長を先頭に、准教授、助教、研修医と、序列順に大きな集団となって、広い廊下を歩いていく。
すれ違う医師や看護師は、即座に廊下の端に移動し、静かに会釈する。
今のこれは、まさにあれだ!
いいのか?……これでいいのか?……本当にこれでいいのか!
……いい訳ないだろー!
・・・・・・
私はまたカウンター席で、優雅に1人で食事する事にした。
さあ、昼休みになった。
あれ?
係長が、うちの姫さまと何か話してる。
姫さまが立ち上がった。
食堂へ向かうようだ。
よし!
私が立ち上がると、まわりも一斉に立ち上がった。
そして、みんなゾロゾロと姫さまの後に付いて行く。
なんなんだぁ~!
も~みんな、姫さま大好き!
次回:(最終話)約束の場所で




