101話 役者
俺らに倒されろや?
フェルク・ザン・ゼネス
グレンハム王宮跡
フェルク「・・・
もはや これが
ラスボスの宿命だね
フェルク「わかったよ
だったら
どんな感じで戦いたい?
パネラ「・・・
・・・は?
フェルク「”今の感じが良い?”
それともシリアスが良い?」
パネラ「・・・」
パネラ「・・・じゃあ
・・・シリアスで」
フェルク「おっけー」
フェルク「・・・
空気が変わった!
明らかに!
先ほどの
フェルクとは違う!
威圧感!
存在だけで
他者を圧倒する!
絶望
その言葉だけが
どうしても
脳裏に焼き付いてしまう!!
アージュ「・・・くっ」
パネラ「・・・なんだ
・・・これは!」
フェルク「・・・
僕は
フェルク・ザン・ゼネス
魔族戦争を終焉させた
ルガスタの希望であり英雄
フェルク「その僕に抗うと言う事は
世界を敵に回す事と
同じなのだよ?
アージュ「・・・」
フェルク「君たちが
どんな想いで
僕に
戦いを挑んでるか
知らないけど
世界の想いに応えた僕の
想いを越えられるか?
パネラ「・・・」
フェルク「その想いを
越えられない限り
刀を!
アージュたちへ向けた!!
フェルク「・・・君たちは
・・・僕を越えられない
フェルク「倒す事なんて
夢物語だ」
アージュ「・・・」
パネラ「・・・」
フェルク「そんな僕に
勝てるわけないだろ?
フェルク「君たちは
どれだけの想いを背負ってる?
世界の想いに応えた事はあるのか?
アージュ「・・・」
パネラ「・・・」
フェルク「これで
わかっただろ?
想いの覚悟が違う
フェルク「君たちには
僕を倒すのはムリだ!!
そんなことはない!!
アージュ「・・・ミア」
クシャ「私たちだって!!
紡ぐノートの!
全プレイヤーの!
想いを背負っている!!
クシャ「・・・たくさんの人たちが
・・・支えてくれたから
・・・私たちは今
・・・ここに居る
フェルク「・・・」
クシャ「・・・たくさんの想いが
・・・私たちを
・・・ここまで
・・・連れて来てくれたの!!
クシャ「私は!!
みんなの!
犠牲と想いを!
ムダにしたくない!!
そうですね
クシャ「・・・お兄ちゃん?」
アージュ「みなさんが教えてくれました
支えてくれるから
いま こうして
戦う事ができるのだと
クシャ「・・・お兄ちゃん」
アージュ「・・・独りでは
・・・ムリでした
アージュ「ここまで
たどりつくことも
こうして
フェルクの元に
届くのも
・・・独りでは
・・・ムリでした
フェルク「・・・」
アージュ「支えられて
いま 私たちは
こうして
あなたと戦える
アージュ「だから私は
刀を!
フェルクへ向けた!
アージュ「だから私は!!
みんなの想いに応えたい!!
パネラ「・・・アージュ」
アージュ「あなたが
世界の想いに応えてきたのなら
私も
同じレベルへ
いや
それを
越えてみせます!!
アージュ「それが
想いに応えるって
ことなのでしょう?
アージュ「だから
私たちに倒されてください?
フェルク「・・・
・・・面白い
フェルク「あくまでも
僕を越えようと言うのか!?」
アージュ「それが!
みなさんの望みですから!!」
フェルク「その覚悟が本物かどうか!!
試してやる!!
アージュ「フェルク・ザン・ゼネス
あなたを越えてみせる!!
フェルク「アージュ・ルドウィンス!
僕の想いを!
越えてみせろ!?
アージュ「うおおおおおお!」
フェルク「おおおおおおおおお!」
双方 突進!
激突した!
つばぜり合いになる!!
お前らなああああ!!
アージュ「え?」
フェルク「どうしたの?」
クシャ「な~に~?」
パネラ「・・・シリアスって
お前ら!
リアルで!
役者でも!
してるのかよ!?
アージュ「私は脚本家を」
クシャ「私は女優志望で~す♪」
フェルク「僕はラスボスとしての
演出を」
パネラ「そういうの!
どうでもいいんだよおおおおお!!
パネラ「なんでだよ!
MMOで!
そういう設定いいから!
普通に戦えよ!?
フェルク「だって~
シリアスが良いって言ったの
君じゃん?パネラ?
そういう意味だとは!
欠片も思わなかったわああ!!
パネラ「なんでそうなる!
もう!
普通に戦え!?
僕は
普通だけど~?
パネラ「は?」
フェルク「だって
MMOのラスボスって
普通に
このくらいの
セリフを言うでしょ?
パネラ「・・・
・・・たしかに!!
フェルク「僕から言わせれば
プロの用意した台本に
”乗れる”プレイヤーの方が
おかしいけど?
パネラ「・・・
てめえらかああ!?
アージュ! クシャ!?
パネラ「なんで!
プロの台本に!
即興で演技!
できるんだよ!?
アージュ「・・・
脚本家だからですかね?
パネラ「・・・」
クシャ「私は~
女優志望だからで~す♪
クシャ「しかも もう
スカウトきた~♪」
ユナハ「えぇ!
本当なの!?
ミア!?」
パネラ「・・・
・・・俺の
・・・ラスボス戦の
・・・空気を返せ?
パネラ「・・・こんな
・・・緊張感のない
・・・ラスボス戦は
・・・初めてだ
フェルク「じゃあ
パネっち~?」
パネラ「なに!
その軽さ!
フレンドリーだな!?」
フェルク「じゃあ
君たちのノリに合わせて
戦えばいいの?
パネラ「・・・もう
・・・そうしてください
フェルク「じゃあ
アージュ?
パネっち~?
戦おっか?
パネラ「・・・」
アージュ「戦いますよ
パネラ?」
パネラ「・・・あ、あぁ」
・・・・・・・・・・・・・
パネラ「・・・なんか
・・・これはこれで
・・・盛り上がりに
・・・欠けるな
じゃあ
どうすればいいの?
パネっち~?
パネラ「お前がな!!
ラスボスなのに!
優しいとか!
意味が!
わかんねんだよおおお!!
クシャ「なんか~
パネっち~
ゲルターみたいに
なってきたね~♪
・・・お前も
・・・犠牲者か
人格変えられたみたいに!
言うんじゃねええよおおおお!!
シエス「・・・あの
・・・始めてくれませんか?
そうしてええけど!
調子狂わされてるんだよお!!
カーン!!
パネラ「・・・え?」
シエス「・・・
・・・ゴングです
シエス「・・・強制的に
・・・ラスボス戦
・・・始めなさい?
アージュ「・・・ごめんなさい」
パネラ「・・・悪かった」
ラスボス戦
アージュ「・・・始めましょうか」
パネラ「・・・そうだな」
フェルク「じゃあ
”今のままと”
シリアス
どっちが?
始めさせろおおお!
次話 ラスボス戦




