私、頭いいので
無事にアキラとシビと合流し、サーシャの護衛兼王子の婚約者候補になった所で私の記憶の話をしたい。
今回の試験は、婚約者候補の護衛をする王宮騎士の穴埋めの募集だったらしいので、試験内容としては、その人の経歴を調べ、問題なければ王宮騎士と手合わせをし、ランクが付けられて、ランクによって王宮内の警備場所を与えられたり、試験を見学していた婚約者候補が気に入った者がいればそのまま婚約者候補の護衛になれたりするとの事だ。まあ、ほとんどの受験者が見習いとされ、訓練生というものになるらしいが。
「だから私が気に入ったアキラが護衛騎士になることには問題ないのよ。」
「ん。」
「コネみたいで気に食わないみたいな顔してるから一応説明してあげたんだけど。」
「あー…はい。アリガトウゴザイマス。」
「あと、サーシャの前世?の話をしたいんだけれど、いいかしら。」
ちらりとサーシャを確認すると頷かれたので、私、サーシャ、アキラ、シビ…あと敵ではなさそうなアルバートとロイ以外の人には部屋から出ていってもらい、まあ、聞かれても別に構わないんだけど、一応敵に情報を与える様なことはしたくなかったので部屋に防音の魔法をかけた。
「信じなくても構わないのだけれど、私、前世のサーシャと魔王討伐の旅をしていたの。」
「え、」
「アキラもシビも一緒に旅してたわ。名前も見た目もそのままだからまだ親しくしてた前の人と重ねたらごめんなさい。」
「えっ、」
「私の記憶はロイに会った所位で終わっていたんだけれど、さっき魔王城前のキャンプの所まで思い出したわ。サーシャはどこまで覚えてるのかしら?」
「ちょっと待って下さい。私も一緒に旅してたんですか?」
「ええ、途中から。ちなみにシオンも一緒だったわ。」
シオン、と名前を口にした途端、部屋の空気がピシリと固まる。
彼に関しては何やらあるらしい。
アキラも首を傾げているので、彼も私と同じくシオンの何らかの事情はわからないのかと思ったが、そうでは無いのがその後の言葉によって気付かされた。
「シオンって誰だ?」
その一言で頭の中がごちゃごちゃしたが、それを一瞬でまとめるのは苦ではない。
流石にアキラでも自分の国の王子の名前を知らないはずは無い。先程私の後ろにいたサーシャに気づいた時に、サーシャ様って慌ててたし、大々的に王子の婚約者ってはり紙あるくらいだから隠されているわけでもない…シオンの中にはレオンというもう1人の人格があったはず。
…レオンが主人格になったのかしら?それが1番しっくりくる気はするが、シオンという名前は伝わることから、存在は皆知っているようで、第2の人格としてシオンが現れたとしてもここまで空気が凍るほどの性格では無いと思うし…ということは…
「アキラ、レオン王子は知っている?」
「ああ。第2王子…であってるよな?」
「なるほど…貴方たちシオンを隠してるわね?」
「!」
どうやら正解だわ。
恐らく双子。何らかの事情があって世間から隠している。こんなところだろう。
ちらりとサーシャを見たら気まずそうに顔を伏せたので、放棄していた中にシオンの事もあるのだろう。
私が怒るとでも思っているのだろうか、視線が合わなくなったサーシャと、様子を伺っているロイとアルバートと、待ってまだ何ものみこめない、とパニックになっているアキラを見てまた頭を働かせた。膝に乗ったシビがきゅうーんと鳴いてこちらを見上げてきたので、大丈夫よ、と笑って撫でた。ふわふわ…癒されるわ…




