サーシャ
私はただ、彼女の役に立ちたかった。
勇者である自分に付き合わせてしまって申し訳ないと思っていた頃、彼女は私に”今まで生きてきた中で今が1番楽しいわ”だからむしろ感謝してるの、と笑ってくれた時、胸が高鳴った。
全身の血が沸き立っているかのように身体が熱くなって、彼女の為ならば自分は何でもできる。そう思っていたのに、彼女は何をするにも完璧すぎて私が出る幕などなかった。
自分から彼女への気持ちが友人として親友として隣にいたいという気持ちではなく、もっとドロドロとした、彼女の1番になりたいという気持ちだと気づいたのは、仲間達が自分と同じ視線をカレンに送っていると気づいたからだ。
カレンは私の事大事に思ってくれていると実感できているけれど、やはりそれは友人として。妹のように思っているかもしれない。
でもそれだけじゃ嫌だ、もっと自分を見て欲しい。自分だけを。
『もう勇者の肩書きはいりません。新しい世界でカレンと私をこの世界の住人にして下さい。』
魔王と和解した際に現れた神に勇者の願いを伝えた時、カレンが驚いているのがわかった。
この世界にいたいなと相談をした時じゃあ私も一緒に、と言ってくれてはいたけれど多分新しく世界が生まれ変わらせることにであろう。
だって、私、今のままは嫌なの。
彼女は気づいていないから。
魔王が私の言葉に耳を傾けたのは、私が勇者だから。
勇者の魔法は〔この世界の住人をメロメロ状態にする〕魔法であったこと。
仲間はみんなカレンに惹かれてたはずのに、私の魔力で私が好きになった。
けど私はそんなの望んでいなかった。そんな力で好きになられても不安だし、私が1番結ばれたい人には効かないのだから。
今のままじゃ、魔力のおかげでこの世界に受け入れられている状態じゃ、堂々とカレンと結ばれる事が出来ないの。
『最初からずっと私の勇者様はカレンなの。』
自分勝手だって分かってる。
勇者の願いなんてものに頼ってしまうくらいカレンが好き。
ずっと思ってた。
きっと私から勇者の肩書きがなくなったら主人公はカレンだって。
だから私はあなたの運命の人になりたいの。
そう、貴女の攻略対象に。




