シオンの能力
綺麗にまとめられた髪の毛と、それによってよく見えるようになった美しい顔面を素直に褒めつつ朝食を終え、次のアイテムを手に入れるべく塔を降りた。
「カレン」
「?」
「塔の外、怖い。」
「なるほど?」
名前を呼ばれて振り返ると、手が差し伸べられたので、反射的にそれを握る。
今までどうやって塔の中で暮らしていたのか。
少なくとも食事の材料はあったわけだし…
「今、行く、届けてた。」
「なるほど?」
「おい、なんで手繋いでんだ?」
「今までは次行く所にいる人?が面倒見ててくれてたから、塔から出てなかったんですって。だからまだ怖いそうよ。武器も溶かしちゃったことだし。」
「へぇー。」
森の中を歩きながらアキラとサーシャに説明すると、ぎゅっと手が握られたので、目線をシオンに向けた。
「カレン、すごい、ボク、わかる。カレンなら、力、貸す。」
「ああ、なるほど?そう言えばアイテムかりに来たんだったわね。」
言いながら首から下げていたペンダントを見せてくれたシオンにお礼をいいつつ、それを見る。
「触ってもいいかしら。」
「うん。」
「特に魔力、感じないわね…」
このアイテムをどう使うのか、シオンは知っているのだろうか?首元から、視線を上げると、ぎこちなく揺れた瞳と目が合った。
『あのね、ボク、触れた相手の気持ちがわかるんだ。テレパスって言うらしい。』
「え?」
『このアイテムは、 勇者の力でボクの力を吸い取るアイテムなんだって。』
「つまり、サーシャが覚醒すれば、使えるってこと?」
『そう。他の人達が持ってるアイテムも同じだと思う。みんな特殊な能力を持ってる。』
「なるほど?」
「カレン?」
「どうした?」
「ああ、私にしか聞こえていないの?」
きょとんとした顔を見せたサーシャとアキラに頷いたシオンと、周りを警戒してくれているシビ。
歩きながらシオンに聞いた話を説明した。
「それであの塔に1人で…」
「なるほど…カレンに懐くの早かったのは本当に敵意がないことが分かったからなんだな。」
「聞きたい、違う。」
「そうね。まあなんにせよ頼りになる力だし、貸してくれるっていうのはありがたいわ。」
そのペンダントも、のちのちよく見させてもらうとして、自分の魔力でもう一度周囲をマーキングした。
気づいたシビがこちらを見て頷いたように見えたので、引き続き周囲の警戒をお願いして、再び歩きながら情報を整理した。
「読心術系の魔法は私でも習得してる訳じゃないの。天性の才能かそれとも別の理由なのか、なんにせよ興味深いわ。詳しく調べさせて頂戴。」
「うん。」
「じゃあ」
『気持ち悪いって言わない』
「そろそろ」
『手離さないでくれてる』
「お昼にしましょうか?」
『嬉しい』
これは私に言ってるのかしら、と見上げたシオンがこっちを見て頷いたので、むしろ楽でいいわと思って、笑い返しておいた。
こっちの気持ちは読んでいるだろうし。




