料理も得意
「武器、もどして…」
「申し訳ないけど我慢して。溶かしちゃったから戻すのは無理よ。」
「武器、ない、不安…」
「泣いても無理なものは無理よ。ほらこれ食べて落ち着きなさい。」
目の前のお皿に唐揚げと卵焼きを置いてやる。もそもそと口に運んで、少し目を輝かせたのが可愛かったので衝動に突き動かされ頭を撫でた。
「っ、」
「…なんかカレン優しくね?」
「そうかしら。」
取り分けて欲しかったのか、とアキラの皿にも唐揚げを乗せてあげたらそうじゃねえけどサンキュと言われた。
「カレンはいつもやさしいよ。」
サーシャが首を傾げてね?と、こっちを見るのでサーシャの頭もわしゃわしゃ撫でた。
慌てるサーシャも可愛い。
「なんか気に食わねぇ…」
「なによ、文句あるなら食べないでいいわよ。」
「いや、飯は美味い…。」
「そう?ところで次の目的地だけど、シオン、次のアイテム持ってる人の所までって遠いの?」
「ん、1日、では無理、だと思う。」
「そう。途中に宿はあるかしら。」
「ない、と思う。」
「そう。じゃあ野宿になるわね。」
「げっ、野宿?久々だぜ…」
「私、野宿初めてよ。楽しみだわ。経験者のアキラ頼むわね。」
「ほんとカレンはポジティブだよな。(なあサーシャ、素直に次の目的地教えてくれたのは突っ込むべきか…?)」
「カレンが楽しそうだしいいんじゃないかな。」
「ねえ、サーシャ、明日お弁当作って行きましょ!いつシオンがここに帰ってくるか分からないし、ここの食料使ってもいいわよね?」
「う、ん、いいよ、お弁当、食べたい」
「これは胃袋を掴んだのか…?ついていけてないのオレだけ?」
「カレンが楽しそうだからなんでもいいと思う。」
「…そうだな。」
その後なんだかんだご飯を食べ終え、シャワーをかりて眠る時間になり、横に伸ばしたベッドへと向かう。
自分のベッドなのに遠慮をするシオンを引っ張り寝転ばせ、その隣に自分も横たわった。あくまで引っ張るために手を差し出したのだが、思ったより力強く握られていて、本当に武器がなくて不安なんだな、と思い、自分は何もする気がないことをアピールするためにもそのままでもいいか、と目を瞑った。
『あったかい。』
「貴方の手が冷たいのよ。」
「え、ごめ、なさ」
「別に謝らなくていいわ。こんな面積の体温少しくらい持ってかれた所で死ぬわけじゃないし、嫌じゃなければ手くらい握ってたっていいわよ。」
「嫌じゃ、ない。」
「なら今日の所は大人しく寝ましよう。」
「わかった。」
「いや!分かったじゃねえよ!おま、それは!」
「なによ。アキラも手繋いで欲しいの?シオン、悪いんだけど、アキラと…」
「違ぇよ!ただ…なんか…」
「だからなによ。」
「いや、なんでもないって、手!?」
「つなぐ?」
「おおおお…まじか…」
「いや…?」
後ろからでもしょんぼりとした耳が見えてその向こうに慌ててシオンの手を掴んだアキラが見えた。これは面白い。
「じゃあ私はサーシャと繋いで寝るわ。」
「あっ、」
「喜んで!」
「キューン!」
シオンと手を離して直ぐにシビが間に入って来たのでこれは暖かいとシビに背中を預け、サーシャの手を取った。流石に無防備な背中を晒しとけばシオンも安心だろう。いざとなったらアキラが何とかしてくれるだろうし。
「シビ、もあったかい」
「なんか違ぇんだよな!」
「うるさいわね。寝なさい。」
「おやすみ、皆。」




