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ふわふわの次はサラサラ


「だから!入口で叫んだってば!」


『 こんな朝早く下で叫ばれたって聞こえるわけないよ!?』


「朝早く!?いい?もうお昼よ!外見てご覧なさい!ほら、太陽浴びてシャキッとして!」


『 え、う、うわ、押さないで!押さないでよ!落ちたら普通に死んじゃうから!』


「な、なあサーシャ、あれって多分魔王の手下だよな?」


「うん。」


塔をとりあえず上へ登って来たところ、魔王の手下に遭遇し、誰だ!と驚かれているところです。どうやら塔に登る過程であるトラップに目覚まし的な…侵入者アラームがあったみたいなんだけど、遠回り面倒くさい私がわざわざトラップ解除にまわるはずがなく、最短ルートでここまで来たことで色々準備が出来ていなかったらしい。明らかに寝巻きであるし寝癖が酷い。


「いいのよ、戦いに来たわけじゃないんだから。」


「え?」


「あと、貴方と話す為に道中魔物を殺すことはしなかったわ。」


『えっ?あいだだだ!何するの!?』


「じっとして!そんな髪型でいられたら話し中気になっちゃうでしょ!ほら、届かないからベッド座って!」


背が高いため、腕を引いてベッドに座ってもらい、長い髪の毛をとかしている間に2人に目線を送る。アキラには伝わらなかったみたいだけど、さすが命を共有してるだけあるサーシャは分かってくれて、部屋に置いてあった武器であろうものを回収してくれた。

意外にも大人しく髪の毛をとかされてくれて、サラサラになった銀色の髪の毛を片側耳にかけてやると、すごい美少年が出てきて驚く。

魔王の手下って言うからどんな人かと思ったけど、恐らく同い年か年下だろう。

目が合った後、ハッとして髪の毛で顔を隠し、その髪の間から不安げにこちらを見る少年の頭を思わず撫でたら、アキラに腕を引っ張られた。


「え、」


「おい、カレン、いくらなんでも油断しすぎだろ?」


「なによ、いいじゃない可愛かったんだもん。」


「えっ、」


「カレンは可愛いの好きだもんね。」


「キューン…」


アキラの肩から飛び降り4尾の状態に変化したシビがぺちぺちと私の足を叩くので、もちろんシビも可愛いと撫でると、満足そうに頬を擦り寄せてきたので可愛くて抱きしめた。


『もしかして…キュウビ?』


「シビよ。そして私はカレン、こっちはサーシャであっちがアキラ。あなたの名前は?」


「え?え?ボク?」


「そうよ!あと悪いけどさっきから声が小さすぎるわ。」


「あ、声、小さい、ごめんなさい、ボク、名前…シオン。」


「シオンね、で、貴方人間よね?なんで魔王の手下なの?」


「…武器、ない」


「悪いが、念の為回収させてもらった。」


「私達の武器も下に置いています。なのでどうか話をさせて下さい。」


サーシャが1歩前に踏み出した時、びく、と怯えてシーツを握りしめたシオンを観察した。


「人間、怖い。」


「なるほど。つまり、人間より魔物の方が信頼出来るってこと?」


「!」


「え?そうなの?」


「当たりっぽい。」


「さすがカレンね!」


「キューン!」


恐らく過去に人間不信になる何かがあったんだろうが、それを聞き出すのは目的にないし、初対面でずかずかと聞いていい問題でもないか。

と、すると、当初の目的アイテムを借りるってのを優先させた方がいいかな。


「シオン、私達が借りたいアイテムは今貴方が持ってるの?」


「…」


「じゃあ、それを持って私達と一緒に来ない?」


「「「え?」」」


「悪い人間ばかりじゃないってことを伝えるのも、私達を直ぐに信用しろっていうのも難しいでしょ。なら着いてきてもらって魔王と話し合うに値するか判断してもらったらいいんじゃないかなと思ったのだけど。」


どう?とサーシャを振り返ったら頷いてくれたので異論はないらしい。

アキラもしょうがねえな…見たいな顔してるし良いのだろう。

シオンの表情は髪の毛で隠れて見えないが、拒否をさせるつもりは無い。

もう一度髪の毛を耳にかけて隠そうとする手をとって震える瞳と目を合わせた。


「シオン、貴方、ここでずっと1人でいるつもり?きつい事を言うけれど、今ここで出なくても、どうしても人間と関わらなくてはいけない時がこの先いずれくるわ。」


『この先…』


「世間を知るチャンスだと思って。多少の事だったら私達が助けてあげられる。だから行きましょう。貴方は魔王の部下。私達は勇者一行だけど、魔王とは話がしたいの。貴方が見ていてくれれば心強いわ。つまり…私達には貴方が必要なのよ。」


「ボクが、必要…」


「って事で準備してちょうだい!」


「えっ、」


「アキラ!手伝ってあげて!」


「えっ!?オレ!?」


そのまま強引に連れ出した所、やっぱり人間って怖いって呟きながらも塔に戻らず着いてきてくれているので、そのうち外に出ようと言う気は持っていたということだろう。

ちなみに武器を渡したら別人格が出てきて前回サーシャを刺したのはこっちの人格だというのが判明した。



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