1話『ファースト』
今より少し先の未来を舞台とした、日本のとある地にて起こる様々な出来事が書かれた、普遍的な物語。
しかし、〝異能の力〟を持つ人間が多々居る、そんな世界。普遍的である事は変わらないけど、主人公《甘飲 ルミノス》の、ちょっぴり大変な出来事を描く、そんな作品。
急げ─────。
急いで急いで、早く着け。
僕は今、住宅街を必死に早歩きをしている。
そう、残り10分までに学校へ着かなければ、色々とやばいのだ!!!!遅刻してしまうんだ!!!!
…いや、残り4分だ。支度を済ませ、今まで小走りをしてきた。時間は止まってはくれないのだ。その間にも、時は進みゆく。
その結果、残り4分で学校へ着かなければいけない。
『やばいって!!初日から遅刻?!
第一印象が遅刻するヤバい奴、とかは本当にやだ!』
間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え!!!!
《ドゴォン!!!!》
(────は?)
突如、鳴り響く轟音。
視界がアスファルトに覆われる。気付けば、僕は地に伏していた。
〝熱〟を、肌で感じる。パチパチと、何かが燃える音が、すぐ横から聞こえてくる。
住宅街にはあまり似合わない民家が、燃えている。周囲に、その一部を撒き散らして。
「さーて、気分がスッキリしたな!!火吹能力、最高!!」
民家から、のうのうと一人のチンピラが出てきた。
腑抜けた声で、何処か演技臭い様子で、クソッタレの言葉を吐き散らしながら、だ。
ウザい。
『何、お前…?』
(確実に遅刻だな、これは。)
(初日から先生に怒られないといけないのか…?)
(それも全部───────)
「あー?お前こそなんだy」
『お前のせいだ!!!!!』
相手は能力者。民家を爆発させたのだ、相当の実力者。
対して僕。実は…まだ能力を持っていない。
能力というのは、高校に上がって、初めて扱える技術。
いや、大抵はそうなだけ。責任能力があるのなら、政府に申請し、政府独自のカリキュラムで学び、高校に上がらずとも、能力を会得する奴らだっている。
でも、僕は例に漏れず、その為にまだ能力が無い。
だが、怒りを乗せて、恐らく能力を持っているであろうチンピラに向かって、叫びを上げた。
自分に非が全く無い訳ではない。もっと早く起きれば、こんなものには巻き込まれなかったのだろう。
しかし、それでも、許さない。一発殴らないと気が済まない。
そんな思いを胸に、チンピラを睨む。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
目の前に、クソガキが一人。
ソイツは突然叫んで来やがった。耳に、いや脳内に響く様な、甲高い声で。
普段は可愛らしいであろう声をしていた。が、叫べば不快極まれり。
(─────ま、仕方無い。)
予定通り、目の前のクソガキをぶっ飛ばしてやろう。
俺はそう考え、両拳を前に構えた。
次回はいよいよ戦闘開始。
自称火吹能力のチンピラ。ルミノスは、チンピラをぶっ飛ばせるのか。




