表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残響魔術(エコー・コード)  作者: 天音シオン
第二部 特異点と教団

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
48/62

第48章 アリスの決断

第48章 アリスの決断



対魔局の地下特別拘置施設での戦闘から、さらに数日が経過した。

氷室の野望は完全に打ち砕かれ、過激派の残党も次々と捕縛されていった。

「世界の鍵」が破壊されたことで、調律者による世界凍結の危機は去り、対魔局本部には久しぶりに平穏な空気が流れていた。


しかし、その平穏は、ある一人の少女の心には届いていなかった。


「……アリス、またご飯残してるぞ。……具合でも悪いのか?」


カフェテリアで、蓮が心配そうにアリスの顔を覗き込む。


「……ううん、大丈夫。……ちょっと食欲がないだけ」


アリスは、フォークでサラダをつついたまま、力なく微笑む。


「……そうか? ……でも、最近ずっと元気がないじゃないか。……何か悩み事があるなら、俺たちに相談してくれよ」


蓮が、アリスの頭を優しく撫でる。


「……うん……。……ありがとう、蓮お兄ちゃん」


アリスは、蓮の手の温もりに少しだけ表情を和らげたが、すぐにまた俯いてしまった。


(……アリスの様子がおかしい。……あの戦い以来、ずっと何かに怯えているような……)


蓮は、アリスの小さな背中を見つめながら、胸の奥に引っかかるものを感じていた。


その日の午後。

蓮は、アリスの様子について相談するため、天野博士の尋問室を訪れた。


「……博士、少しよろしいですか?」


蓮が、尋問室のドアを開ける。


「……蓮くんか。……構わんよ。……ちょうど、私も君に話したいことがあったところだ」


天野博士は、拘束衣を着せられたまま、静かに微笑んだ。


「……話したいこと?」


「……ああ。……アリスのことだ」


天野博士の言葉に、蓮はハッとする。


「……博士も、アリスの様子がおかしいことに気づいていたんですか?」


「……もちろんだ。……彼女は今、自分の力に怯えている。……いや、正確には、自分の力が『誰かのために使われること』に怯えているのだ」


天野博士が、重々しい口調で言う。


「……誰かのために使われること……?」


「……そうだ。……アリスは、幼い頃から教団に『道具』として扱われてきた。……彼女の『創造』の力は、教団の目的を達成するための便利な道具でしかなかったのだ」


天野博士の言葉に、蓮は拳を握り締める。


「……だから、彼女は自分の力を使うことを恐れている。……力を使えば、また誰かに利用されるのではないかと……」


「……そんなこと……! ……俺たちは、絶対にアリスを利用したりしない!」


蓮が、声を荒げる。


「……分かっている。……君たちがアリスを大切に思っていることは、私にも痛いほど伝わってくる。……だが、アリス自身の心に刻まれたトラウマは、そう簡単には消えないのだ」


天野博士が、悲しそうに目を伏せる。


「……どうすれば、アリスを救えるんですか?」


蓮が、切実な声で尋ねる。


「……アリス自身が、自分の意志で力をコントロールできるようになるしかない。……誰かの命令ではなく、自分自身の願いのために力を使う。……それができなければ、彼女は一生、自分の力に怯え続けることになるだろう」


天野博士の言葉が、蓮の胸に重くのしかかる。


(……アリス自身の意志……。……俺たちにできることは、彼女がその一歩を踏み出すのを、見守ることだけなのか……)


蓮は、無力感に苛まれながら、尋問室を後にした。



その夜。

蓮は、眠れずにベッドの中で寝返りを打っていた。


(……アリス……。……俺は、お前をどうやって守ればいいんだ……)


蓮の脳裏に、アリスの悲しそうな笑顔が浮かぶ。


その時、蓮の部屋のドアが、控えめにノックされた。


「……蓮お兄ちゃん……。……起きてる?」


ドアの向こうから、アリスの小さな声が聞こえる。


「……アリス? ……どうしたんだ、こんな夜中に」


蓮が、慌ててベッドから起き上がり、ドアを開ける。


そこには、パジャマ姿のアリスが、不安そうな顔で立っていた。


「……眠れなくて……。……蓮お兄ちゃんと、少しお話ししてもいい?」


アリスが、上目遣いで蓮を見上げる。


「……ああ、もちろんいいぞ。……入れよ」


蓮が、アリスを部屋に招き入れる。


アリスは、蓮のベッドの端にちょこんと座り、膝を抱えた。


「……蓮お兄ちゃん……。……私ね、怖いんだ」


アリスが、ぽつりぽつりと話し始める。


「……怖い? ……何が怖いんだ?」


蓮が、アリスの隣に座り、優しく尋ねる。


「……自分の力が、怖い。……私の『創造』の力は、何でも作れちゃうし、何でも書き換えられちゃう。……もし、私が間違った使い方をしたら、世界が壊れちゃうかもしれない……」


アリスの体が、小刻みに震えている。


「……アリス……」


「……それにね……。……もし、私がまた誰かに操られて、蓮お兄ちゃんたちを傷つけちゃったらどうしようって……。……そう思うと、怖くて、夜も眠れないの……」


アリスの目から、大粒の涙がこぼれ落ちる。


蓮は、アリスの震える肩を、そっと抱き寄せた。


「……大丈夫だ、アリス。……お前は、絶対に俺たちを傷つけたりしない」


蓮が、力強く言う。


「……でも……!」


「……俺が保証する。……お前は、誰よりも優しくて、誰よりも強い心を持ってる。……だから、お前の力は、絶対に誰かを傷つけるためには使われない」


蓮の言葉に、アリスは顔を上げる。


「……本当……?」


「……ああ、本当だ。……それに、もしお前が間違えそうになったら、俺が全力で止めてやる。……だから、一人で抱え込むな」


蓮が、アリスの涙を指で拭う。


「……蓮お兄ちゃん……」


アリスが、蓮の胸に顔を埋め、声を上げて泣き始めた。


蓮は、アリスが泣き止むまで、ずっと彼女の背中を撫で続けた。


(……アリスは、ずっと一人で戦ってきたんだな。……自分の力と、そして、教団という巨大な闇と……)


蓮は、アリスの小さな体を抱きしめながら、彼女を絶対に守り抜くことを、改めて心に誓った。



翌日。

対魔局本部に、再び緊急のサイレンが鳴り響いた。


『……緊急事態発生! ……緊急事態発生! ……教団の過激派残党が、東京都内の複数の施設を同時多発的に襲撃しています!』


シロの緊迫した声が、館内に響き渡る。


「……なんだと!? ……過激派は壊滅したはずじゃなかったのか!」


蓮が、会議室に駆け込みながら叫ぶ。


「……どうやら、氷室が捕まる前に、残党たちに最後の指令を出していたようです。……『もし自分が捕まったら、特異点アリスを奪還し、計画を続行せよ』と」


紗綾局長が、モニターに映し出された都内の被害状況を見ながら、険しい表情で言う。


「……アリスを奪還する……。……あいつら、まだ諦めてないのか!」


アランが、拳をテーブルに叩きつける。


「……現在、残党たちは、アリスちゃんが対魔局本部にいると推測し、本部への総攻撃を準備しているようです。……すでに、本部の周囲には多数の敵が展開しています」


シロが、本部の周辺地図を表示する。

地図上には、無数の赤い点が点滅していた。


「……本部を直接襲撃する気か……! ……狂ってる!」


凛音が、青ざめる。


「……蓮くん、特務部隊は直ちに迎撃態勢に入ってください。……アリスちゃんは、地下の最深部にある安全なシェルターに避難させます」


紗綾局長が、指示を出す。


「……了解しました! ……みんな、行くぞ!」


蓮が、共鳴剣を手に取り、会議室を飛び出す。


「……待って、蓮お兄ちゃん!」


その時、会議室の入り口に、アリスが立っていた。


「……アリス! ……お前は早くシェルターに避難しろ!」


蓮が、アリスに駆け寄る。


「……嫌だ! ……私も行く!」


アリスが、蓮の目を真っ直ぐに見つめて言う。


「……ダメだ! ……お前が狙われてるんだぞ! ……外に出たら、奴らの思う壺だ!」


蓮が、アリスを説得しようとする。


「……だからこそ、私が行かなきゃいけないの! ……私が逃げ隠れしていたら、蓮お兄ちゃんたちが私の代わりに傷つくことになる。……そんなの、絶対に嫌だ!」


アリスの瞳には、かつてないほどの強い決意が宿っていた。


「……アリス……」


蓮は、アリスの言葉に圧倒される。


「……私、もう逃げないって決めたの。……自分の力から逃げない。……誰かの道具にもならない。……私は、私の意志で、みんなを守るために戦う!」


アリスが、両手を胸の前で強く握り締める。


その瞬間、アリスの体から、淡い純白の光が放たれた。

それは、以前のような暴走しそうな光ではなく、穏やかで、しかし力強い光だった。


「……アリスちゃん……。……その光……」


結月が、驚きの声を上げる。


「……アリス、お前……自分の力を完全にコントロールできているのか?」


透が、信じられないという表情でアリスを見る。


「……うん。……蓮お兄ちゃんが言ってくれたから。……私が間違えそうになったら、止めてくれるって。……だから、もう怖くない」


アリスが、蓮に向かって微笑む。


蓮は、アリスの成長に胸が熱くなるのを感じた。


「……分かった。……一緒に行こう、アリス」


蓮が、アリスに手を差し出す。


「……うん!」


アリスが、蓮の手を力強く握り返す。


特務部隊は、アリスと共に、対魔局本部を包囲する過激派残党の迎撃へと向かった。



対魔局本部の正面ゲート前。

そこには、黒いローブを着た数十名の過激派残党が集結していた。

彼らの手には、様々な魔法の武器が握られており、今にもゲートを突破しようと殺気立っている。


「……特異点アリスを引き渡せ! ……さもなくば、この施設ごと氷漬けにしてやる!」


残党のリーダー格の男が、拡声器で叫ぶ。


「……断る! ……お前たちの野望は、ここで俺たちが打ち砕く!」


蓮が、ゲートの上に立ち、残党たちを見下ろす。


「……対魔局の犬どもめ……! ……やれ! ……一匹残らず始末しろ!」


リーダーの号令と共に、残党たちが一斉に魔法を放ってくる。


炎、氷、風、雷。

無数の魔法が、対魔局本部に向かって降り注ぐ。


「……『氷結』――絶対防壁!」


結月が、巨大な氷の壁を展開し、魔法の雨を防ぐ。


「……『炎』――爆炎・紅蓮地獄!」

「……『風』――暴風刃!」


アランと凛音が、結月の壁の隙間から反撃の魔法を放つ。


「……『空間』――空間断裂!」

「……『時間』――時間停止!」


透と朔が、敵の陣形を崩し、動きを封じる。


特務部隊の連携は完璧だった。

しかし、残党たちは狂信的なまでに士気が高く、倒れても倒れても次々と新たな敵が押し寄せてくる。


「……くそっ……! ……キリがないぞ!」


アランが、大剣を振り回しながら悪態をつく。


「……このままじゃ、ジリ貧だわ……!」


凛音が、息を切らしながら言う。


「……みんな、下がって!」


その時、アリスが前に出た。


「……アリス!?」


蓮が、驚いてアリスを見る。


アリスは、残党たちに向かって両手を広げた。


「……私は、もう誰の道具にもならない! ……私の力は、みんなを守るために使う!」


アリスの体から、眩いほどの純白の光が放たれる。


「……『創造』――概念書き換え(コンセプト・リライト)・武装解除ディスアーム!」


アリスの光が、残党たちを包み込む。


その瞬間、残党たちが手にしていた魔法の武器が、次々と光の粒子となって消滅していった。

さらに、彼らが放とうとしていた魔法の魔力も、霧散して消えていく。


「……な、なんだこれは……!? ……武器が……魔力が……消えた!?」


残党たちが、パニックに陥る。


「……今だ! ……一気に制圧するぞ!」


蓮が、共鳴剣を構えて突撃する。


「……おおおおっ!」


アランたちも、蓮に続いて突撃する。


武器と魔力を失った残党たちは、もはや特務部隊の敵ではなかった。

次々と制圧され、地面に倒れ伏していく。


「……ば、馬鹿な……! ……我々の崇高な計画が……こんな小娘一人に……!」


リーダー格の男が、絶望の声を上げる。


「……お前たちの計画は、最初から間違っていたんだ。……魔法の力は、誰かを傷つけるためのものじゃない!」


蓮が、リーダー格の男を峰打ちで気絶させる。


戦闘は、わずか数十分で終結した。

対魔局本部を襲撃した過激派残党は、一人残らず捕縛された。


「……やった……! ……勝ったぞ!」


アランが、歓声を上げる。


「……アリスちゃん、すごいわ! ……あんな広範囲の概念書き換えを、一瞬でやってのけるなんて!」


凛音が、アリスに駆け寄り、抱きしめる。


「……えへへ……。……みんながいてくれたから、できたんだよ」


アリスが、照れくさそうに笑う。


「……よくやったな、アリス。……お前はもう、立派な特務部隊の一員だ」


蓮が、アリスの頭を撫でる。


「……うん! ……私、これからも蓮お兄ちゃんたちと一緒に戦う!」


アリスの瞳には、もう迷いや恐れはなかった。

彼女は、自らの意志で力をコントロールし、仲間を守るための「盾」となることを選んだのだ。



過激派残党の襲撃事件から数日後。

対魔局本部の会議室で、今後の対応についての会議が開かれていた。


「……今回の事件で、教団の過激派は完全に壊滅したと見ていいでしょう。……残るは、穏健派の動向ですが……」


紗綾局長が、資料を見ながら言う。


「……穏健派は、天野博士が捕縛されたことで、事実上解体状態にあるようです。……一部の信者は、対魔局に投降してきています」


シロが、報告する。


「……そうか。……これで、教団の脅威は去ったということだな」


アランが、安堵の息をつく。


「……ええ。……しかし、問題は『調律者』です。……天野博士の尋問から、彼らの真の目的が明らかになりつつあります」


紗綾局長の言葉に、会議室の空気が再び張り詰める。


「……調律者の真の目的……。……世界を凍結させることじゃなかったんですか?」


蓮が、尋ねる。


「……それは、氷室たち過激派の暴走に過ぎません。……調律者の真の目的は、もっと恐ろしいものです」


紗綾局長が、モニターに一枚の画像を映し出す。


それは、天野博士の記憶から抽出された、調律者の中枢星の内部構造図だった。


「……調律者は、この世界を『実験場』と呼んでいました。……彼らは、魔法という力を人類に与え、その進化の過程を観察しているのです」


「……実験場……。……俺たちは、モルモットだったってことか……!」


透が、怒りに震える。


「……そして、彼らの最終目的は、人類の中から『完全な魔法生命体』を創り出すこと。……そのために、彼らは定期的に世界を『選別』し、不要な人間を排除しているのです」


「……選別……。……それが、魔法発現の真実……」


結月が、青ざめる。


「……天野博士は、その選別を阻止するために、教団を組織し、特異点の力を集めようとしていました。……しかし、彼のやり方は間違っていた。……多くの犠牲を出し、結果的に過激派の暴走を招いてしまった」


紗綾局長が、静かに語る。


「……博士は、今どうしているんですか?」


蓮が、尋ねる。


「……地下の特別拘置施設で、厳重な監視の下に置かれています。……彼は、調律者に関する重要な情報を持っています。……今後も、尋問を続ける必要があります」


「……そうですか……」


蓮は、複雑な思いで頷く。


天野博士は、蓮の父・誠一の教え子であり、かつては蓮にとっても恩師のような存在だった。

彼がなぜ、あのような凶行に走ったのか。

その真意は、まだ完全には明らかになっていない。


「……いずれにせよ、我々の戦いはまだ終わっていません。……調律者という真の黒幕が存在する限り、この世界に真の平和は訪れない」


紗綾局長が、力強く宣言する。


「……ええ。……俺たちは、絶対に調律者を倒します。……この世界を、俺たちの手に取り戻すために」


蓮が、決意を込めて言う。


「……私も、蓮お兄ちゃんたちと一緒に戦う! ……もう、誰にもこの世界を壊させない!」


アリスが、蓮の隣で力強く頷く。


「……僕も、最後までお供します。……特異点として、この世界の未来を守るために」


透も、静かに闘志を燃やす。


「……頼もしいわね。……アリスちゃんと透くんが正式に特務部隊に加わってくれれば、百人力よ」


凛音が、微笑む。


「……ああ。……これで、特務部隊は最強のチームになったな!」


アランが、豪快に笑う。


「……ええ。……みんなで力を合わせれば、どんな困難も乗り越えられるはずです」


結月が、蓮を見つめながら優しく微笑む。


蓮は、仲間たちの顔を見渡し、深く頷いた。


黒の教団との戦いは、一つの区切りを迎えた。

しかし、それは同時に、調律者という真の敵との、世界規模の最終決戦の幕開けでもあった。


蓮たちは、それぞれの決意を胸に、新たな戦いへと向かっていく。



会議の後、蓮たちは対魔局の屋上へと向かった。

夕日が沈みかけ、空が茜色に染まっている。


「……綺麗な夕日ね」


結月が、風に髪を揺らしながら呟く。


「……ああ。……この景色も、調律者たちに奪わせるわけにはいかないな」


蓮が、手すりに寄りかかりながら言う。


「……蓮お兄ちゃん」


アリスが、蓮の隣に並ぶ。


「……どうした、アリス?」


「……私ね、対魔局に入ってよかったって、心から思ってる。……最初は怖かったけど、蓮お兄ちゃんたちが優しくしてくれて、私の居場所を作ってくれたから」


アリスが、夕日を見つめながら微笑む。


「……アリス……」


「……だから、私もみんなの居場所を守りたい。……私の『創造』の力で、誰も悲しまない、優しい世界を創りたいの」


アリスの言葉には、確かな強さが宿っていた。


「……お前なら、きっとできるさ。……俺たちも、全力でサポートするからな」


蓮が、アリスの頭を撫でる。


「……えへへ……。……ありがとう、蓮お兄ちゃん」


アリスが、嬉しそうに笑う。


「……僕も、同じ気持ちです」


透が、二人の後ろから声をかける。


「……透」


「……僕は、特異点としての運命を呪ったこともありました。……でも、蓮さんたちと出会って、この力は誰かを守るためにあるんだと気づくことができた。……だから、僕も最後まで一緒に戦います」


透が、真剣な眼差しで蓮を見る。


「……ああ。……頼りにしてるぞ、透」


蓮が、透に拳を突き出す。


透も、力強く拳を突き合わせる。


「……ふふっ。……なんだか、青春って感じね」


凛音が、三人の様子を見て微笑む。


「……全くだ。……俺たちも負けてられないな!」


アランが、豪快に笑う。


「……ええ。……私たちも、もっと強くならなきゃ」


結月が、決意を新たにする。


夕日に照らされた屋上で、特務部隊のメンバーたちは、互いの絆を確かめ合っていた。

アリスと透という二人の特異点が正式に加わり、彼らの力はさらに強固なものとなった。


調律者との最終決戦は、すぐそこまで迫っている。

しかし、今の彼らには、どんな困難にも立ち向かえるだけの強さと、揺るぎない絆があった。


「……よし、行くぞ! ……俺たちの世界を取り戻すために!」


蓮が、夕日に向かって叫ぶ。


「……おおーっ!」


全員が、蓮の言葉に力強く応えた。


彼らの新たな戦いが、今、幕を開けようとしていた。





【第48章終了】





【第48章登場魔法・用語解説】


「概念書き換え(コンセプト・リライト)・武装解除ディスアーム」:アリスの「創造」魔法の応用。対象の武器や魔力の「攻撃する」という概念を書き換え、無害な光の粒子へと変換して消滅させる。アリスが自らの意志で力をコントロールできるようになったことで、広範囲かつ精密な発動が可能となった。



ここまで読んでくれてありがとうございました!


まだ【評価】と【ブクマ】が済んでいないという方がいましたら、どうかお願いします!

☆☆☆☆☆→★★★★★

評価して頂けると、ものすごく喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ