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転生したらしいよ?  作者: 田舎モン
第3章
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第45話 かつての



あれから更に備品を買い、今は先程来た通りを再び歩いていた。


いやそれにしても沢山買ったな、マジックポーチが無かったら今頃ひいひい言いながら買った物を運んでいただろう。



「さてと、じゃあ次ね」


「次はどこに?」


「ふふっ、昨日アルファンド君が言ってた市場に行くわよ」


「良いんですか!?」


「えぇ、目的の物はあらかた買ったし残りはアルファンド君の剣を直して貰うまでに十分揃えられるから」


市場かぁ……実はかなり興味があるんだよな。



「ねぇアル? 市場に行って何を見るの?」


「ん? それは着いてからのお楽しみだよ」


エミリアの問いにそう答えるとエミリアは不思議そうに首を傾げた。


前の世界、本当につまらないと思っていたけど唯一楽しみというか、趣味と呼べるものがあった。


それはお菓子作りだ。


……まあ、男としてその趣味はどうかと言われそうだけど、意外と奥が深いんだよねお菓子って。


料理も自炊してたから簡単なものは作れたけど、お菓子は仕事の休みの度に色々作ってたなぁ……何か懐かしい感じがする。


ってそりゃ懐かしいか、何だかんだ言って十年以上作って無いんだから。


昨日のあの店みたいにパンケーキがある訳だから、恐らく材料とかも前の世界と同じ様な物がある程度揃っている筈だ。


相場が高い様であれば諦めるが、手頃だったら早速今日何か作って二人に食べさせてあげたいな。



「エミリアちゃんの気持ちもわかるわね、市場に行って何を見るのか私も気になるわ」


「着いてからのお楽しみですよ、まあ目的の物があるかわかりませんし、まだ決まった訳では無いですけどね」


三人で、市場へと向かった。





「おぉ……!」


先程の通りとはまた違った賑わいに、俺は感嘆の声を上げた。


通りに面して、様々な野菜や肉、魚、向こうは恐らく調味料等だろうか?


人も冒険者ではなく殆どが主婦ばかりだ。



「さてと、市場に着いたけれども、何が見たいのかしら?」


「えっと……砂糖と小麦粉って、ありますか?」


こちらの世界で呼び方が違ったら色々と面倒な事になるため確認を取っておく。



「あるわよ? 細かい場所までは聞かないとわからないけど」


「本当ですか!? じゃあ行きましょう!」


あるんだ! 良かった!


一人でテンションが上がり、二人の手を取って通りを早足で歩き出した。



「すみません! この通りで小麦粉と砂糖ってどちらにありますか?」


「あら、小麦粉と砂糖なら向こうのお店で買えるわよ?」


歩き出して直ぐに人の良さそうな奥さんがいたから聞いてみた。



「向こうですね? ありがとうございますお姉さん!」


「あらあらお姉さんだなんてお上手ね」


笑顔で手を振り、奥さんと別れて早速そのお店へと向かおうとする。



「ねぇアルファンド君、もしかして貴方さっきの人ぐらいの年頃が好みなの?」


「はい?」


何を言っているのだろうか?


って何故かエミリアも真剣な表情で俺の言葉を待ってるし。



「いや、別にそんな事ありませんよ? 教えて貰ったからお礼を言っただけですし」


「本当ね? 嘘じゃ無いわよね?」


どんだけ必死なんだアーリアさん、エミリアも何か不安そうな表情だし。


……これは、はっきりと言っておいた方が良いのかな?


別に自惚れてなんか無いからな、念のため言っておく。



「本当ですよ、俺はアーリアさんとエミリアが好きですから」


「っ!?」

「はぇっ!?」


俺の言葉に、二人はまるで石像の様に固まってしまった。


あ、あれ? もしかして駄目だったか?


ちょっとした冗談というか、お茶目だったんだけど、流石に引かれたかな?



「あの、アーリアさん? エミリア?」


「アルファンド君! 今すぐ宿に戻って愛を確かめ合いましょう!」


「わ、私もアルが……す、好きだからね!」


お、おぉ……何か恥ずかしいな。


というかアーリアさん、それは流石に駄目でしょう、息を荒くしながら言われると恐いんですけど……。


エミリアも何だか目がとろんと蕩けている様にも見える。


結論から言うと、二人共危険な状態だと言う事だ。



「え、えっと、早く行きましょう!」


二人から逃げる様に教えて貰ったお店に駆け出した。


やっぱり二人は俺の事が……いや、もう少し慎重に確かめよう。


別に逃げてる訳では無い、へたれって訳でも無い、ただ今の二人との関係が変わってしまうのではないかという恐れを抱いてしまっている。



「すみません! 小麦粉と砂糖が欲しいんですけど!」


後ろから聞こえて来る二人の叫びを聞き流しながら、俺は目的のお店の店員に尋ねるのだった。




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