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転生したらしいよ?  作者: 田舎モン
第3章
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第35話 拒否





「悪かったわアーリア、この子の言う通り貴女はFランク冒険者、昔の事を掘り返す様な事はもう言わないわ」


「……もういいわよ、私も悪かったから」


互いにそう言って、これ以上は何も無く穏便に済ませる事が出来た様だ。


でも先程の殺気、やはりアーリアさんは元Aランク冒険者の名に恥じない実力を兼ね備えているのだろう。


本気の戦いを見た事はまだ無いが恐らく俺なんて足下にも及ばないぐらい強い筈だ。



「ところで、アルファンド君だったわね?」


「はい?」


「貴方の実力、とても素晴らしいものだったわ、対人戦は初めてでは無いわね?」


「……まあ、そうですね」


好奇心に満ちたフロワさんの視線に、俺は目を伏せた。


対人戦どころか人を殺した事があるんだから当然と言えば当然なのだけど。



「……どうやら、貴方にも何かしら理由があるらしいわね」


村での事を思い出し、知らずの内に顔が不快感で歪んでいたらしい。


フロワさんはそれ以上追求する事はせずに腕を組んで俺を見つめる。



「過去に何があったとしても別に構わないわ、冒険者の中には色々な事情がある人が多いから、でも貴方の年齢でこれ程強いなんて驚いたわ」


「鍛えて貰いましたから、父さんとアーリアさんに」


「成る程、やっぱり貴方は期待のルーキーって事ね」


期待のルーキー、か……。


確かにやるからには上を目指すつもりだけど、何だかそう言われると気恥ずかしいな。


するとフロワさんの口から驚きの一言が告げられた。



「どうかしら? 貴方とアーリアなら実力は申し分無いから直ぐにEランク昇格試験を受ける事が出来る様に手配するけど」


「えっ? 本当ですか?」


「えぇ、アーリアの実力は知ってるし貴方の実力も今ので知る事が出来たから特例としてね……どうかしら?」


それが本当なら迷い無く受ける、だけど一つ問題がある。



「……エミリアは、受ける事は出来ないんですか?」


そう、俺とアーリアさんが昇格試験を受ける事が出来るのはわかった。 だがエミリアも一緒でなければ、これから先三人で行動するのに支障をきたすのだ。



「……そうね、彼女は水晶の結果を見て分かる通り見習い冒険者として幾つかの結果を出さなければ試験は受けられないと思うわ」


「そうですか……なら試験は受けません」


「えっ!?」


俺が迷い無くきっぱりと言い切ると、フロワさんの後ろに立つマリーさんが驚きの声を漏らした。


マリーさんの考えてる事は何となく分かる、普通ならこんなチャンスを逃すなど考えられないだろう。 しかし、エミリアも一緒に昇格試験を受けられないのなら意味が無い。


三人で一緒にパーティーを組むのだから。



「……それでいいの?」


「はい、エミリアも一緒じゃなければ嫌ですから」


「アル……」


エミリアが申し訳なさそうな表情で俺の服を掴む。



「そんな顔するなよ、別に今受けないといけないって訳じゃ無いんだし、エミリアが一緒じゃないと俺は嫌なんだよ」


「っ……アル、ありがとう!」


嬉しさから、エミリアが抱き付いて来る……仄かな膨らみが気持ちいいです、はい。



「あ、えっと……せっかくのお話ですがそういう事ですので、これから幾つか依頼を受けて三人一緒に昇格試験を受けます」


柔らかい感触に一瞬だけ思考が停止していた俺だが何とか我に返りフロワさんへとそう告げた。



「あらあら……ふふっ、わかったわ、私も若い恋人を離ればなれにさせるつもりは無いから」


「いや、恋人では無いですよ?」


「えっ?」


「えっ?」


何やら変な空気が流れた。


フロワさんとマリーさんはぽかんと口を開け、アーリアさんはどこか不適な笑みを浮かべて二人を見てる、そしてエミリアは不機嫌そうな表情で頬を膨らませながら俺を見詰めていた。


あれ? 何だこの空気は?


いやいや、恋人じゃないのは事実だし俺は本当の事を言っただけなのだが。



「じゃ、じゃあもしかして……アーリアと……?」


「いや、アーリアさんは俺の先生ですよ?」


「えっ?」


「えっ?」


アーリアさんが驚愕の表情で固まる。


いやだから何でそんな顔するんだ?


何やらエミリアは小さく拳を握りながらアーリアさんへと挑発的な笑みを浮かべている。



部屋の中は、しばらくの間静寂と妙な緊張感に包まれていた。




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