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転生したらしいよ?  作者: 田舎モン
第3章
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第32話 冒険者ギルド



「うわぁ……」


門をくぐった先の光景に、思わず間の抜けた声が漏れてしまった。


エミリアも口を開けたまま周りをキョロキョロと見渡していた。


門の先には大通りが続いており、その通りを埋め尽くすかの如く多くの人が行き交っている。


よく見れば人だけでなく獣人やドワーフ、更にはエルフといった亜人と呼ばれる者もいる。



「アルファンド君、エミリアちゃん、初めての都市はどうかしら?」


「いや、凄いとしか言えないですね……」


「ふふっ、そうでしょう? 私も昔は驚いたものよ」


懐かしむ様に周りを見回すアーリアさん、果たしてアーリアさんの言う昔とはいつの事何だろうか?


そんな聞くに聞けない疑問を抱く俺にアーリアさんは首を傾げながら歩き出した。


俺とエミリアもその後ろに続く。



「さて、早速だけど冒険者ギルドに向かいましょう。 そこで登録してから宿を探すわよ」


「「はい!」」


二人で返事をして、俺達は大通りを歩き始めた。





大通りを歩き出して都市の中心部へと辿り着いた。


そこに周りの建物とは造りが違う、一際大きな建物。


その迫力に思わず入るのを躊躇ってしまう程だ。



「ここが冒険者ギルドよ、入りましょう」


アーリアさんは物怖じする事無く入口の扉を開き中に入ってしまった。


俺とエミリアは一度目を合わせ、二人で慌ててアーリアさんの後を追った。



中は外見からわかる様にかなり広かった。


入口から見て左手に受付があり、右手は酒場の様になっており沢山の冒険者が仲間と共に酒を飲んでいる。


その喧騒は凄まじく、一部では取っ組み合いの喧嘩をしている者までいる始末だ。


しかしそれが日常茶飯事なのか、周りはその喧嘩を酒の肴にしながら野次を飛ばして煽っている。



「相変わらず馬鹿が多いわねぇ……二人共、こっちよ」


アーリアさんは冷めた目を酒場に向けてから受付へと歩き出した。



「いいかしら? 冒険者登録をお願いしたいのだけど」


「あ、はい! 冒険者ギルドへようこそ!」


声を掛けたのは二十歳ぐらいの若い女性だ。


受付嬢ってやつか、周りを見ると受付をしているのは全員が女性だった。



「登録はお一人ですか?」


「いいえ、私とこの二人よ」


アーリアさんに言われ、女性が俺とエミリアへと視線を向けて来る。


そこでやはりというか、俺の髪と瞳の色に一瞬だけ驚いた様に目を見開く。


しかしそこは流石受付嬢というべきか、直ぐに表情を戻して数枚の紙を取り出した。



「では三人分ですね、こちらの書類に記入をお願いします」


ペンを渡され、書類に目を通す。


書類の内容はありきたりな同意書の様なものだった。


定期的に依頼を受ける事、その依頼で怪我をしたり死亡しても一切の責任をギルドは負わない事、冒険者同士の争いは基本的に咎める事は無いが住民への暴力を行った場合冒険者の身分を剥奪する事、書いてある内容はそんな感じだ。


そして最後に名前を書いて書類を受付嬢に返す。


ちなみにエミリアには書類の内容を読み聞かせ、理解した上で俺が名前を代筆した。


うーん、計算は教えていたけど文字の読み書きは教えて無かったな、今日から剣の特訓だけじゃ無く文字の勉強をするか。



「ありがとうございます。 それでは次にこちらをお願いします」


そう言って受付嬢が取り出したのは、一見何の変哲の無い水晶だった。



「あの、これは?」


「これは冒険者登録するに当たりギルドカードという身分証を発行するのですが、この水晶には強力な魔法が掛けられていて登録者の身元の識別や、ギルドカードに必要な称号を与えたりする、冒険者の必要な儀式とでも思って下さい」


「へぇ……この水晶が……」


ただの水晶にしか見えないが、どうやら凄い物らしい。


それより称号か、俺はどんな称号が貰えるんだろうか?



「では一人ずつ、この水晶に手を翳して下さい」


そう言われ、最初にエミリアが手を翳した。


その瞬間淡い光を発する水晶。



「エミリアさん本人で間違いないですね、称号は”見習い冒険者”です。 こちらがギルドカードとなります」


受付嬢がギルドカードをエミリアに手渡すのを横から見ると名前と称号が書かれたシンプルなカードだった。


成る程、これがギルドカードか。


見習い冒険者、まあ妥当というか当然の称号かな?


続いてアーリアさんが行う。



「アーリアさん本人で間違いありません。 称号は……えぇっ!?」


突然、受付嬢が驚いた声を上げた。


何事かと周りの受付嬢達から視線が集まり、目の前の受付嬢は何でも無いという様に首を横に振っていた。


やがてギルドカードをアーリアさんに差し出しながら控え目に口を開いた。



「え、えっと、称号は、”魔女”です……」


「そう、ありがとう」


アーリアさんは何事も無かった様に涼しい顔でギルドカードを受け取る。


おぉ、流石アーリアさんいきなり魔女だなんて……っと、次は俺だな。


手を翳し、水晶が光る。



「えっと、アルファンドさん本人ですね、称号は……”魔剣士”!?」


再び大声を上げて周りからの視線を集める受付嬢。


我に返って真っ赤な顔で周りの受付嬢に謝っている、哀れだな。


それにしても、魔剣士……格好いい称号だ。 魔法と剣術が使えるからかな?


驚く受付嬢には悪いが俺は称号の格好よさにテンションが上がってそれどころじゃ無かった。


ギルドカードを受け取り、まじまじと見つめる。


これで晴れて、冒険者になったんだな。





「おうおう、こんなガキが冒険者になるのか?」


突然、後ろから声を掛けられた。


あれ? これって、ある意味お約束の展開なんじゃないか?


後ろを振り向くと、数人の男達がにやにやと笑いながら佇んでいた。




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