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転生したらしいよ?  作者: 田舎モン
第2章
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第28話 実戦



「アルファンド君! こいつらはシルバーファング、下級だけど魔物よ!」


シルバーファング、確かアーリアさんの家にあった本で読んだ事がある。


狼の様な姿で基本的に群れで行動し、獲物を襲う魔物だ。


一頭一頭はそれ程脅威では無いが群れで襲われるとそれなりに厄介だ。



「こいつらが、魔物……!」


体が思わず震える。


しかしそれは恐怖からでは無い、この世界に来て初めて出会う魔物に感情が高ぶっているのだ。


剣を握る手に力が入る。


今の俺に、どこまでこいつらの相手が出来るのだろうか? 考えただけで勝手に口角がつり上がる。



「アーリアさん、こいつらは俺が相手をしてもいいですか?」


「……いいわよ、ただ危険だと判断したら私も参戦するわ」


「わかりました」


体勢を低く、剣を下段に構える。


全てのシルバーファングを視界に入れ、どいつが来ても対処出来る様にする。



「ガァッ!」


一頭のシルバーファングが襲い掛かって来た。


速い、だけど……!



「はぁっ!」


下段に構えていた剣を、シルバーファングの鋭利な牙が並ぶ口目掛けて振り上げる。


刃はそのままシルバーファングの上顎から上を撥ね飛ばした。


鮮血が顔に掛かるが気にしない、そのまま死体を蹴り飛ばして今度は俺の方から攻める。


掌に魔力を集中させ、風が勢い良く渦を巻く。



「ウィンドカッター!」


放たれた風の刃は四つ、不可視の風の刃がそれぞれシルバーファングへと襲い掛かる。


鳴き声を上げる事も出来ずに、四頭のシルバーファングの首が体から分断された。


仲間が一瞬で半数まで減らされて混乱するシルバーファングへと 一気に踏み込んで距離を縮め、剣を横凪ぎに振るい更に二頭を切り伏せる。



「フレアボム!」


やや離れた所にいた二頭に向けてフレアボムを放つと、二頭は瞬く間に爆炎に包まれ一瞬で消し炭となる。


残り一頭!


いける! そう核心して自然と笑みが浮かぶ。


初めての魔物だが、これなら俺だけで対処出来るじゃないか!


俺は、完全に油断していたのだ。 だから、最後の一頭が直ぐ目前まで近寄っていた事に気付けなかった。



「アル!!」


エミリアの悲鳴に似た声に我に返ると、大きく開かれた口が目の前に広がっていた。


あ、不味い……。



「大地よ、貫け……ストーンジャベリン!」


俺の足下の地面が隆起し、鋭い槍となって飛び出すとシルバーファングの頭部を意図も容易く貫いた。


頭部を粉砕された事で絶命するシルバーファングから目が離せずにいた。



「アルファンド君、魔物を相手にするからには最後まで気を抜いちゃ駄目、その油断が命取りになるんだから」


いつの間にか、俺の直ぐ後ろにアーリアさんが立っていた。


そうだ……魔物を相手に俺は何を考えていたんだ? 現に今アーリアさんが魔法を使わなければ、死んでいたかもしれないんだぞ?


思わず俯いてしまった。



「すみません、俺……」


「……ふぅ、でも初めて魔物を相手にしてこれだけ戦えたら十分よ。 これから先気をつけていけばいいんだから、そんなに気を落とさないで」


「アーリアさん……」


確かに初めてでこれだけ相手出来たら十分なんだろうけどやはり悔しいと言うか、不甲斐ないと言う思いに駆られる。


まだまだ駄目だ。 剣術や魔法だけで無く、精神面で更に強くならないと、実戦を積まないと駄目だ。


アーリアさんに更に鍛えて貰える様に頼もうと意気込んで振り返る俺の目の前に、さらけ出された深い谷間。



「……服をきちんと着て下さい!!」


出鼻を挫かれたが、俺は胸の内で決心するのだった。


強くなる事……そしてアーリアさんに一般的な羞恥心を持って貰う事を。




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