↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したらしいよ?  作者: 田舎モン
第1章
17/75

第14話 憎悪

今回と次回、少しグロテスクな表現がありますのでご注意下さい。



村が、俺の知っている風景とは一変していた。


辺りに響くのは悲鳴と轟音、焦げた匂いと鉄錆の様な匂いが鼻を突く。


何なんだよ、少し前まで、いつもの風景だっただろう?


何で、こんな事になったんだよ……!?


燃え盛る家屋、その傍らに倒れる人の姿。


その中に、これまで何度も村で見たことのある人が何人も倒れていた。


皆背中や首を切り裂かれ、恐怖の表情で絶命している。


再び、吐き気が込み上げて来た。



「うぷっ……うぅっ!?」


その場に、吐き出した。


先程吐いたから、最早何も出て来ない。


胃液の独特の酸っぱさが口内に広がる。



「アルファンド君! しっかり!」


背中を擦るアーリアさんの手、しかし俺は何も考えられなかった。


ただただ恐かった。



「しっかりして! 村の人達を助けないと!」


「無理だよ……死んでる……もう、皆が……!」


「まだ生き残ってる人がいる筈よ! 諦めちゃ駄目! 貴方の両親は!? 友達は!? 皆死んだって決めつけて諦めて逃げるの!?」


その言葉が耳に届いた時、俺は我に返った。


そうだ、父さんと母さんは……!?


二人だけじゃ無い、エミリアは? ウィルは? レイシーさんは!?


アーリアさんに掴まれた手を振りほどき、俺は駆け出した。


探さないと! まだ、皆生きてる! 父さんがきっと皆を助けてる筈だ!


後ろからアーリアさんの声が聞こえたが、足を止める事なく家に向かって走った。





「はぁっ……はぁっ……!!」


ずっと全速力で走っている為、肺が潰れそうな程痛い。


いつもの道に差し掛かる。


この角を曲がれば、直ぐそこに家がある。


大丈夫、きっと大丈夫だ!


自分自身に言い聞かせ、角を曲がった。



「っ……!?」


声が出なかった。


ずっと暮らして来た家が、炎に包まれていた。


そんな……母さんは……? 父さんは……?


その場に、膝を着いた。



「あ……あぁ……」


「アルファンド君!!」


後ろから、遅れてアーリアさんがやって来る。


後ろから俺の肩を掴み、顔を覗き込む。



「アーリアさん……家が……俺の家が……」


「っ……!!」


アーリアさんが息を飲む。


遅かった、父さんと母さんの姿は見えない。


考えたく無かった結果が、目の前に広がっている。


何でだよ……俺が……父さんが……母さんが……この村の人達が……何をしたって言うんだよ?


こんな、酷すぎる……。


涙が俺の意思とは関係無く溢れる。



「うっ……うぅっ……」


何でだよ……何で……!


アーリアさんが、そっと俺の体を抱き締めた。



「ごめんなさい……私のせいで……ごめんなさい……」


悲しげな表情に歪み、ひたすら謝るアーリアさん。


違うよ……アーリアさんは何も悪く無いじゃないか……。


悪いのは……。



「おい! 女とガキがいるぞ!」

「女だって!?」

「ガキはいらねぇから殺せ! 女はやっちまおうぜ!」


耳障りな声が聞こえた。


あいつらの仲間だろう、数人の男が剣を手に近付いて来た。


そうだ……悪いのは全部……あいつらじゃないか……。


どす黒い何かが、体の中から溢れる様な感覚を感じた。



「っ! アルファンド君! 私が守るから貴方は下がって……」


「お前らのせいで……」


「えっ?」


「お前らのせいで……村の皆が……」


立ち上がり、男達に一歩ずつ近付く。



「何だこのガキ? 自分から殺されに来たぜ?」

「じゃあ願い通り殺してやるか」


一人が剣を構えて俺に近付いて来た。


殺す? 俺を? 村の皆みたいにか?


ふざけるなよ。



「死ねガキ!」


振り上げた剣が、迫って来た。


は? 何だそれは? 父さんの剣術に比べたら、全然素人じゃないか。


体を少しずらし、降り下ろされた剣を避けながら腰の剣を剣気を纏わせて抜き放った。


ほんの少し抵抗を感じたが関係無い、そのまま剣を振り抜いた。



「あ?」


男の口から声が漏れる。


その言葉を最後に男の上半身が傾いて行く。


そのまま上半身がずり落ち、大量の血と内臓をぶちまけながら倒れた。


あぁ……何て脆いんだ……こんな簡単に死ぬのか……。


初めて人を殺したが、自分でも驚くくらいに冷静だった。



「な、何だこのガキ!?」


突然の事に慌てふためく男達に向かって手を翳す。



「アクアボール」


初めてアーリアさんに教わった初級の水魔法。


あれから特訓を重ね、大きさと威力はかなり上がった。


あの時の優に倍の大きさのアクアボールは凄まじい速度で男達に向かって飛んで行き、三人の男の体を消し飛ばした。



「魔法を使ったぞ!?」

「やべぇぞ!? おい! 人を集めろ!」


集まらせるかよ、いや、集まった方が楽か?


どうせ……





全員、殺すんだからな。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。