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転生したらしいよ?  作者: 田舎モン
第1章
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第8話 工房



誕生日の翌日。


俺はレイドと共にある場所に向かって歩いていた。



「父さん? どこに行くんですか?」


「ん? それは着いてからのお楽しみだ」


レイドはウインクしながら行く場所をはぐらかした。


うーん、イケメンだからウインクしてもやっぱり様になるなぁ。


そんなこんなで歩き続けること数十分、目の前に周囲の家とは明らかに作りの違う建物が見えた。



「ここは……」


「ここは鍛冶屋だよ」


「鍛冶屋?」


「あぁ、ここの鍛冶職人が父さんの昔からの付き合いでな、お前に渡す剣を頼んでいたんだ」


「け、剣ですか!?」


ヤバい……一気にテンションが上がった……!


昨日、確かに一人前と認められたが剣を貰えるのはまだ先だとばかり思っていた。


まさか翌日に真剣を貰えるとは……!



「ほ、本当に、剣を貰えるんですか!?」


「本当だよ……だけどなアル、真剣は今まで使っていた木刀とは違うんだ。 決して間違った使い方をしないと、父さんと約束しなさい」


「……はい、わかりました」


そうだ、剣は切るもの。


つまり人を傷付け、殺すことが出来る道具だ。


確かに貰えることは嬉しいが、浮かれすぎるのは良くない。



「うん、わかってくれればいいんだ。 よし、中に入ろうか」


そう言ってレイドは工房の扉を開くと凄まじい熱気が顔に当たり、思わず顔をしかめる。


工房の中は剣を作る炉の火のせいでかなり暑い。



「すまない、頼んでいた剣を受け取りに来たんだが」


中へと入り、レイドが声を掛けると奥から大柄なおっさんが出てきた。


……恐っ! めちゃくちゃ悪人面じゃねぇか!


しかも腕とか、細マッチョのレイドが貧弱に見えるぐらいに筋肉ムキムキだし。



「おぉ、レイド坊か」


「流石に息子の前で坊呼ばわりはよしてくれよガンドさん」


このおっさん、ガンドという名前らしい。



「息子? おぉ、こいつがお前のとこの坊主か」


「あ、初めましてアルファンドです」


こんな悪人面のおっさんでも俺の剣を作ってくれてる人だ。


きちんと挨拶しておかないとな。



「お前と違って礼儀正しい坊主じゃねぇか」


「確かにアルは礼儀正しいけど俺と違っては余計だよ、ところで剣の方は?」


「ふん、出来て無い訳が無いだろう、ちょっと待ってろ」


そう言うとガンドさんは奥へと行き、戻ってくると手に一振りの剣を持っていた。



「ほらよ、中々良い仕上がりだ」


目の前に差し出された剣を受け取る。


やはり木刀とは違ってずっしりと重みがある。


レイドに促され、鞘から剣を抜いてみる。



「うわぁ……」


曇りの無い白銀に輝く刀身、鋭利さの中にある美しさに俺は思わず声が漏れた。



「す、凄いです!」


「そうかそうか、気に入ったか」


ガンドさんが笑みを浮かべながら俺を見ている。


やっぱり職人だから、自分の作った剣を褒められるのは嬉しいみたいだ。



「はい! ずっとずっと楽しみにしていた剣がこんなに素晴らしいものだなんて、とても嬉しいです!」


あまりにも素晴らしい剣だから、興奮が抑えられない。


多分マンガとかだったら俺の周りに輝く何かが浮かんでたと思える程に。



「そうかそうか……」


「おいおいガンドさん、顔が緩みきってるぞ」


「はっ……! う、うるせぇ!」


ガンドさん、俺も思わず見ちゃったけど孫を溺愛するお爺ちゃんみたいな顔になってたぞ。


レイドが笑いを堪えながら剣の代金を支払い、顔を真っ赤にして怒り心頭のガンドさんを残して俺は工房を後にした。


工房から外へ出ると外の空気が心地好い。


すると突然レイドが何かを思い出したのかあっと声を漏らした。



「アル、父さんは少し自警団の様子を見に行くから先に帰っていてくれ」


自警団か。


実はきちんと見たことが無いから興味があるんだけど、仕事に着いていく訳にはいかないよな。



「わかりました」


「じゃあ行って来るな」


頭を撫でてからレイドは去っていった。



さて、これからどうしようか。


このまま帰っても暇だし、エミリアもウィルも今日は用事がある為遊べない。


んー適当にぶらつくか。


幸いにもこの工房の近くは余り来たことが無い。


何か面白いものが無いか探してみよう。


思い立ったら即行動だ。


俺は歩き出した。





結果から言うと、特に面白いものは無かった。


こんな狭い村だから、仕方ないと言えば仕方ないのだが。


諦めて帰ろう、そう思い来た道を引き返そうとした。



「ん?」


振り返る際、離れたところにある丘が見えた。


そしてその丘の上に一件だけ家屋、いや小屋があった。


そして遠目から、人の姿も見えた。


はて、何故わざわざ村から離れた場所にいるのだろうか?


ちょっと興味が湧いた……よし、行ってみよう。


丘に向かって歩みを進める。


場所から言うとほとんど村の外の様なものだが、多分魔物はいないと思う。


見晴らしも良いしな。


しばらく歩いて辿り着くと、確かに人は住んでるみたいだ。


屋根には煙突があり煙が出ているし、家の前には洗濯物が干されている。


しかしこの干されている服……って言っていいのか?


何て言うか、服って言うよりもローブみたいな作りだ。


よし、とりあえず会ってみよう!



「すみません、ちょっとお話よろしいですか?」


声を掛けノックをしてみる。


しかし、待ってみても中から反応は無い。


あれ? 確かに人の姿が見えたんだけどな?



「えっと、失礼します……」


押してみると、呆気なく扉は開いた。



「うわっ……凄ぇ……」


中を覗くとあったのは大量の分厚い本だった。


机とテーブル、ベッドもあるが、その上にまで本が積み重なっている。


実はこの世界に来てから本らしい本は見たことが無かった。


この世界では本はとても貴重で高価なもので、普通の一般人は中々手に入らないのだとか。


それが、今目の前に大量にある。


悪いとわかってはいたが、中に入り手近にあった本を手に取った。


表紙には複雑な模様と見たことの無い文字が書いてある。


一体、何の本なのだろうか?


適当に開いてみると、中身も見たことの無い文字がびっしりと書き綴られている。



「何の本なんだろ?」


「それは魔術の本ですよ」


「っ!?」


後ろを振り返ると、扉の前に一人の女性が立っていた。




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