カップル文化祭(2)
麗奈と澪の突然の登場に私と大谷先輩はすっかり困惑していた。
「ちょっとなっちゃん、何してるの?・まさか大谷先輩を独り占めにしようなんて思ってないよね?」
先に事を進めたのは麗奈だった。
そして今度は澪が口を開いた。
「大谷先輩はなっちゃんの物でもなく、れいちゃんの物でもなく、私一人の物よ。」
この言葉には隣にいた麗奈も驚いた。
「ちょっと澪、何を言ってるの?一緒になっちゃんから大谷先輩を取るって約束したじゃない。」
「うっさいわね!そんなの冗談に決まってるじゃない。すべては大谷先輩と私を一つにするためのワナに決まってるじゃない!」
ここで麗奈は初めて今まで自分が信じていた親友がライバルだったことを知ったのである。
「いいわよ!澪がそう言うならここで決着させようじゃないの!」
そんな熱い女のバトルを文化祭のステージ上で繰り広げていると、大谷先輩が口を開いた。
「ったく小さい事で揉め事を起こす小さい連中だな、お前らは。・・・だから女の子ってのは・・・」
この言葉には私も驚き、同時に麗奈と澪、そしてここの全校生徒と会場までもが驚きの空気に包まれ会場はあっという間に静寂になっていた。
「言っとくが、俺はお前たちには正直何の用事もねぇ。だから先に言っておく。本当にお前らは小さすぎるんだよ!」
私はこの言葉になぜかドキッとしていた。・・・そう私も麗奈と澪と同じく大谷先輩の事が好きだったからである。
「ど、どういう事よ!それ!」
麗奈が強い口調で大谷先輩に言い放った。
「だいだいな、俺にはもう好きな人がいるんだよ。お前なんかみたいに大事な友達を見捨ててまで一つになろうとするまるでガキみたいな事しかしないお前たちよりもしっかりと自分の意志で俺にアタックしてくる女がな!」
その瞬間、会場は歓声の渦に包まれ、それとは裏腹に私と麗奈と澪の三人は驚きの表情のまま先輩の言葉の意味を理解するまでに多少の時間が掛かった。
「え、あの、その・・・好きな人って一体?」
私は勇気を振り絞り先輩に尋ねてみた。
「まぁ、言うまでもない。俺の憧れている人は常に明るくてしっかりと周りの事をみながら自分の事も出来るという本当に素晴らしいプリンセスなんだ。」
私たち三人はその言葉を聞いてすぐに叶わなかったと三人とも同じ事を考えていた。
状況を理解したのかしばらくして麗奈が口を開いた。
「そこまで言うのならその素晴らしいプリンセスをここに読んできなさいよ!」
麗奈は誰となく真剣な表情と口調で大谷先輩に話していた。
「はぁ?お前何言ってんだ?」
「ここに呼んでくる必要ないだろ?もうとっくにここにいるんだからよ!」
その言葉に私たち三人は会場の誰よりも驚いていた。
なぜならこの三人の中に大谷先輩の憧れの人がいるからだ。
私たちと会場が驚いてからすぐに今度は澪が口を開いた。
「その、先輩の憧れの人って一体…」
「この状況で隠すことなんて出来ないよな、仕方ない。せっかくだから俺の憧れの人をみんなに紹介しよう。」
会場はいつになく静寂に包まれていた。
「みなさん、よく聞いてください。僕は今日ここで僕の憧れの人に愛の告白をしたいと想います!。
今回、僕がこのカップル文化祭に参加した理由は今日この場で僕の憧れの人に告白をするためです。」
そう言うと大谷先輩はマイクを持ち演説を始めた。
「そして、もう一つカップル文化祭の実行委員長を務めたことにも理由があります。」
「僕には恋愛に恥ずかしさや場所を選ばないと思っています。
恋愛はお互いが愛し合い寄り添い合うからこそ恋愛と呼べると思っています。」
「だから、僕が言いたいのはみなさんも時と場合を考えずに恋愛して欲しいんです!
お互いに想い合う気持ちを素直に相手に伝えることで恋愛が成り立つと僕は思うんです。
だから僕は今日、ここで愛の告白をします!」
大谷先輩がそう言うと会場からは意外にも大歓声が湧き上がった。
そしていよいよ大谷先輩から愛の告白がされたのだった。




