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熱き恋のバトルは突然に・・・  作者: ぴたにゃん
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審査結果

私の発表でオーディションが最後だったので幕が閉まったあとみんなは袖口で待機をしていた。

その最中に麗奈がなんだか浮かない表情をしていた事に気づいていた私は何だか不安な気持ちになった。


なぜなら三人の中で一番やる気を出していて自信満々に練習をしていたのが彼女だったからだ。


そんな中、ついに審査の結果が告げられる時が来た。


私たちは審査委員長であり私の彼役だった大谷先輩の呼びかけで再びステージに集められた。


結果発表は順位で最下位から呼ばれ、上位の二名が本番であるカップル文化祭に出場することが出来る。


私たち三人は緊張でいっぱいだった。


そして待ちに待った結果発表が行われた。


「え~まずは五位を発表します。」


「第五位は・・・田中美咲さんです!」


五位に選ばれたのはお題で「別れの駅」のデートを披露した一年生で演劇部の田中美咲(たなかみさき)ちゃんだった。

美咲ちゃんは名前が呼ばれた後に悔しかったのか涙を流していた。


呼ばれた生徒は袖口に退場しなければいけなかったので美咲ちゃんは泣きながら袖口に帰った。

袖口では美咲ちゃんの仲間たちが励ましていた。


「続きまして四位の発表です。」


「第四位は・・・田崎麗奈さんです!」


麗奈の名前が呼ばれたとき、私と澪は驚いて思いっきり麗奈の方を向いた。


麗奈は名前が呼ばれるなり爽やかな表情で丁寧にお辞儀をしたあと普通に袖口に帰って行った。


このとき私はもしかしたら・・・というまさかの不安でいっぱいだった。


「続きまして第三位の発表です!」

私と澪の緊張はさらに増していた。


「第三位は・・・満島麗奈さんです!」


なんと三位に呼ばれたのは私ではなく麗奈だった。

麗奈は悔しそうな表情で一礼をして袖口へと向かった。


残るのは私と二年生でテニス部の中野美織(なかのみおり)の二人だった。


この時点で私と美織ちゃんのカップル文化祭本番の出場が必然的に確定していたが私もみんなも気になっていたのは順位だった。


そしていよいよ二位の発表が行われた。


「カップル文化祭出場の一人目となる第二位の発表です!」


そしてこの発表で会場は驚きに包まれ、後に私と澪、麗奈との熱き恋のバトルの始まりとなるのだった。


「第二位は・・・中野美織さんです!」


私は思いっきり耳を疑った。

疑ったのは私だけではなく美織ちゃん本人も同じであった。

それに気付いた大谷先輩は確認をして再度結果を読みあげた。


「第二位は中野美織さんです!」


その瞬間、会場には興奮の声と拍手が響いていた。


美織ちゃんは一歩前に出た後丁寧にお辞儀をして実行委員長であり審査委員長である大谷先輩から出場の切符を受け取った。


そして一言「みなさん、本当にありがとうございます!」と笑顔で挨拶をしてから袖口へと帰った。


ステージにはまだ名前を呼ばれていない私一人だけが取り残されていた。

そして、いよいよ一位の発表が行われた。


「本年度のカップル文化祭オーディションに見事一位で通過し、本番への出場の切符を手にしたのは第一位、齋藤夏美さんです!」


私は素直に驚いた表情を見せてしばらく動けずにいた。


しばらくして大谷先輩がステージに上がってきたので私は震える足を懸命に前に出して大谷先輩の前に立った。


そして、大谷先輩は私に一言「おめでとう!」と私につぶやき、カップル文化祭本番の切符を差し出してきた。


「あ・・・ありがとう・・・ございます。」

私は震えながら大谷先輩の差し出した切符を手にした。


その瞬間、会場はまたしても興奮の声と拍手でいっぱいだった。


私は受け取ったあとに大谷先輩の指図で澪と麗奈が待つステージへと向かった。


澪と麗奈は私が帰ってきたあとに笑顔で私を祝福してくれた。


「夏美、おめでとう!」

「なっちゃん、やったね!」


私も嬉しくてつい「うん!」と笑顔で返した。



こうしてオーディションは私の一位通過で幕をおろしたのと共に今度は私と澪、麗奈の三人の熱き恋のバトルが幕を開けたのだった。

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