第99話 招かれざる客6
エルフ
それはファンタジー世界においてあらゆる種族の・・・以下省略
エルフってわたしのイメージでは気高く孤高の存在なんだけどな
わたしと会計士さんで屋敷に連れていくことになったのだが後ろでずっと喋っていてうっとうしい・・・修学旅行中の女子高生かよ!
そもそも被害が無かったから無罪放免で解放しようってことになったのだが今度はエルフさん達が屋敷に案内しろと帰らなかったのだ・・・メンドいゴブ
ちなみにライアンの奴は途中から興味が無くなったらしく今日もまたシスターと打合せがあると言って孤児院に行ってしまった
ここまで町が出来上がったらもう細かい打合せする必要も無い気もするけどね
そういえば身体強化と持続回復の魔法をかけたままだったっけ
まぁ悪いものでもないし気にしなくてもいいか、元気になるだけだし
戦意高揚の効果もあってやる気まんまんで打合せに行ったゴブ、何で?
「う~ん、この野菜スティックおいし~、やっぱ水が違うのかしらね~」
「水が違うどころかあの浴場と同じ聖水で育ててるらしいですよ、孤児院の子供たちが畑から採っていたので教えてもらいました」
「な、なんですと~!この町では畑に聖水を撒いているだって~?なんて無駄、いや贅沢な・・・でもこれだけおいしくなるなら無駄とは言えないのか・・・そしてこれは世界樹にも効果があるってことがすでに証明されているってことね!」
さっきから本当にきゃっきゃっと騒いでうるさいゴブ
ちなみにあの聖水で育てた野菜はわたしには超絶苦くて食べられないゴブ
もう舌から胃袋まで全力で体が拒否してくる感じで耐えられないゴブ・・・
一口食べて汗を大量にかきながら一生懸命飲み込んだらテトに馬鹿にされた
苦くても体にすごくいいんだよ~って笑って言っていたが魔物に聖属性の付いた食べ物は普通に毒だと思うゴブ
コスタリア家の屋敷に着くと先に知らせが入っていたようでメイドさん達にそのまま客間に案内された
すでにお館様と若様(おじい様とお父様)と奥方様が座って待ってらっしゃった
「初めてお目通りいたします、私、シャルナリリア大森林共同体はエルフ族七大氏族の族長が娘リリテララムと申します、こちらは従者のシャルルレリアです。本日は急な来訪にもこのように迎えていただき真にありがとうございます」
小さい方のエルフが優雅にあいさつをする
こう見ているとエルフ族の貴族と言われても納得の気品がありますね
少し前までDOGEZAして泣いていたのがうそのようだゴブ
「なにか(文句ある?)」
「ゴブ」(何も言っていないゴブ)
ちらりとこちらを睨んできたのでこっちは大人としてスルーしてあげたゴブ
「おお、これは見目麗しきエルフ族の、それも七大氏族の方が訪問いただけるとは当方としても望外の喜びでありますぞ。どうぞごゆるりとしていってください。ところで我が領にてなにかお探しのものがあるとか、よければ協力いたしますぞ」
「はい、そのような寛大な申し出ありがとうございます。我らが守護しております世界樹の樹がここ数十年の中で少し弱っているということは周知の事実ではありますがその原因と解決のため一族の代表が各地を巡って調査しているのです」
「わたくしとシャルルも村を出てもう10年になりますがいまだに原因究明も解決策も得ることが出来ずにおりました」
くうぅ・・・と悔しさと悲しみをたたえた表情と仕草をして話しだした
そりゃ、町を巡るっていってもグルメ旅だったらしいからな、世界樹の問題の解決方法なんて見つけられるはずが無いゴブ
「なにか(文句ある?)」
またちらりとこちらを見てくる
「ゴブ」(何も言っていないゴブ)
「なんとそうでありましたか!それはまた苦難の旅を続けられていたのですな」
お館様はおおげさに身振りをして感嘆の声をあげている
VIPな客人へのリップサービスだな
「そしてこの町にできた浴場にたどり着いたのです、あの清らかな水はすばらしいですわ、全身で浸かるとまるで女神様に抱擁されたかのように満たされましたわ」
「ほっほっほ、左様でありましたか。気に入っていただきなにより、なにより」
「それで・・そのぅ、話によるとあの町での浴場の効果なんて目じゃないほど濃い聖水風呂がお屋敷にあると聞き及んでお邪魔したのですが・・・」
奥方様がちらりとわたしの方を見てくる
「ゴブ!ゴブ~」(わたしじゃないですよ!ライアンの奴が口を滑らしたんだゴブ)
ぶんぶんと頭を振って否定しておきました
面倒ごとを持ち込んだのはライアンの奴だと分かってほしいゴブ
「あぁ、お話いただいたのは騎士様ですよ、貴族がゴブリンを使い魔としているのも驚きはしましたが」
背の高い方のエルフさんがきちんと説明してくれた
勘弁してくれよ~、いつもわたしがトラブルを運んでくるみたいな顔をして~
わたしはいつも巻き込まれているだけなんだゴブ
という訳で屋敷の大浴場にエルフさん達を案内することになりました
相変わらず少し服が少しはだけたセクシー女神様像の持っている壺からジャバジャバとお湯が注がれている
こころなしか前よりも聖水成分が強くなっている気がするな~
かけ流しじゃなくて循環型だからどんどん濃くなっているのかな
蒸発して減っていく分はお湯を足しているようだけど
もうわたしは触れるだけで大やけど間違いなしの危険地帯になってしまった
「こ、ここ、これは・・・すごい!ダンジョン深部の浄化の泉並みの清浄さじゃないのかしら・・・」
「お嬢様・・・手を少し差し入れただけでこの世と思えない気持ちよさが・・間違いなく高濃度の聖水ですよ!」
エルフさんたちには非常に評判が良さそうだ
王妃様に渡した温泉の素の方が濃縮されているけどね
ややこしくなるから言わないけど
「これがあれば世界樹の問題も解決するんじゃないかしら、何とかこの聖水を樽でいただいて里に持って帰れば・・・」
「世界樹は元気になるかもですね~そうすればお嬢様は解決に導いた功績をもって一躍代表候補の筆頭になれるかもしれませんね」
「そうそう、そうすれば強引に外に出たお咎めは無しになって、それどころか月々の仕送りももらえるようになるかも・・・もっと高くて珍しいものを食べ放題よ~」
「お嬢様・・・おめでとうございます、シャルはずっと信じておりました。これからもずっとお傍でお仕えいたします」
美しいエルフの揺ぎ無き忠誠心を見せてもらったゴブ
美人が主従の誓いをキリッとした顔で言うと絵になるゴブな~
「あ~、えーっと盛り上がっているところ悪いけどこの聖水は売り物じゃないわよ」
奥方様が少し申し訳なさそうな顔をしながら2人に話しかけた
でも目の奥はきらりと光っているのをわたしは見逃していないゴブ
「ゔぇ?譲ってくれないの?そ、そそ、それじゃあ私の輝かしい未来が、おいしいご飯が全て夢のように消えてしまう・・・お金ですかぁ!薬草ですかぁぁ?」
「う~ん、こちらとしてはお金も貴重な薬草も今のところ不自由してないのよね~」
「ぴぇぇ~、そこをなんとか!なんとかお願いしますぅ~」
先程までの高貴なたたずまいから一転、駄々っ子みたいになってしまったな
まぁそっちが本性ってのはわたしたちは最初から知っていたけど
「まぁまぁ、譲ってもらえないのはしょうがないですって~。相手は貴族ですしゴネてもよくありませんよ。世界樹は残念ですがたまにこうしてお邪魔して入らせてもらえれば充分じゃないですか」
「このお風呂はコスタリア家の屋敷に仕える者にしか開放していませんよ」
奥方様が冷たく言い放つ
「ぴゃぁぁ~、そんな~、こんな近くでこんな濃い聖水があってあおずけなんて絶対イヤですぅ~、耐えられないですぅ、なんとか、なんとか~入らせてください~」
駄々っ子が2人になったな・・・コントか?
「くぅ~お金もダメ、薬草もダメ、おそらく鉱石もたいして交渉の材料にならなさそうですわね、かくなるうえは・・・」
「かくなるうえは・・・ゴクっ、お嬢様、貴族を相手に何か秘策があるのですね」
ちっちゃいエルフが若様をちらりと見てウインクした、イヤな予感がするゴブ
「このシャルルリリアを愛人としてここに50年お預けいたします!!」
「はい~、このシャルルリリアが愛人に・・・ってウソ~!?お嬢様!?」
おいおい・・・いきなり身内を売り飛ばしましたか
そして奥方様は・・・笑顔のままだが額に青筋が出るほど切れてはりますわ
つい驚いて関西弁どころか京都弁になってしまったゴブ(出身は関西ではない)
奥方様は今でも若様と激ラブだからな~あとは知~らないっと




