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第100話 招かれざる客7

エルフ

それは(以下省略)


一体誰がエルフが気高く孤高の種族などと言っていたのだろうか・・・

今この部屋にはどや顔のちっこいエルフ、ぶち切れ寸前の笑顔の奥方様、その間であわあわしている愛人枠のエルフさん・・・地獄ですね

さっきより部屋の気温が5度ほど下がった気がするゴブ


「あ、愛人ですか~、それなら思いついたお嬢様がなればいいじゃないですか~」


「ばかね~、七大氏族の一族から人間の愛人が出たら国際問題になるでしょ~、その点シャルルならしがらみも無いし。幼なじみさんとはまだ付き合ってるの?」


「ゔぇ、なぜそれを。奴とはもう20年以上前に別れていますが、何で知ってたんですか~」


「え~、だってお祭りの時にごろごろ甘えてたし、その後奥の茂みの中に・・・」


「わー!わー!それ以上はいいですって!確かに若気の過ちはありましたけど!もう忘れてたし、思い出したくないこともあるんですから!」


「どうせ減るもんじゃないんだし50年くらい我慢すればいいじゃない、それにほらここの若旦那さん・・・理知的で優しそうなのあんたの好みにばっちりじゃん」


こそこそ2人で話をしながら若様の方をちらちら見ている


「確かに好みの顔と雰囲気ですけど~愛人になりたいかっていうとそこまでは・・」


「それにここの関係者になればあの濃厚な聖水風呂にゆっくり浸かれるかもよ~」


「あの聖水にゆっくりと・・・ごくり、それは確かに捨てがたい話ですが・・・」


「世界樹も救えて、聖水にも浸かれて、里のみんなにも感謝されるよ~最高よね」


『ふふふ、わたしは持って帰った聖水でゆっくり浸かれるし、氏族代表選考も大きくリードするし、いいことしかないじゃない(ボソッ)』


「う~ん、そうなのかなぁ~・・・ん、お嬢様何か言いました?」


「いいえ~、何も言ってないわよ~。世界樹を元気に出来る方法がこんな近くにあったなんてと感慨にふけっていたところよ、あなたもエルフなら分かるでしょ?」


「ぐ・・・確かにあのお風呂は・・ゲフンゲフン、世界樹の回復は全てのエルフの使命であり、なにものより優先すべき最重要案件ではありますが・・・」


「はい!じゃあ決まりね~!シャルルが覚悟を決めたならもう私からは何も言いません、世界樹のため、里のみんなのため、私のため(小声)シャルルをどうぞよろしくお願いいたします」


どうやら正式に愛人としてコスタリア家に滞在することにしたようだ、いいのか?

ここにアイラお嬢様がいなくて良かったゴブ

そして奥方様がどんな顔をしているか恐くて見られないゴブ


「ほほほ、エルフの一族には全てを犠牲にしてでも成し遂げなければいけない崇高な使命がおありですのね、コスタリア家としてもその気概は無視することは出来ません。分かりました。愛人や妾としてコスタリア家に入ることを歓迎いたしますわ」


おお!なんとここで奥方様が折れましたか

そこまでエルフの一族とは関係を深めるのにメリットがあるとういうことですね

自分の感情より貴族や国の利益を優先されるとはさすが奥方様、さすが上流貴族


「賢明なご判断感謝いたします。ほらシャルルもご挨拶なさいな」


「あ、愛人は初めてなのでご迷惑をおかけするかも知れませんがよろしくお願いいたしましゅ!くふぅ、ホントにこれでいいのかしら~?」


「ふふふ、もうそんなに緊張されなくても良いのですよ、もう私たちは家族の一員も同然なのですから。大事にしてあげてくださいね、《《お父様》》!」


「ん?お、おう、ワシか?」


突然に話を振られてお館様が驚きの声をあげた

まわりのメイドもエルフさん2人も今の発言が理解できなかったようだ


「ですから、こんなにかわいいエルフさんが愛人に名乗り出てくださったのですからコスタリア領主として一人の男としてしっかり面倒みてくださいね《《お父様》》」


くは~、奥方様はシャルルさんを若様ではなくお父様の愛人にするつもりですね


「ふぇぇ、なんか思ってたのと違う展開なんですけど~」


「ふ~ん、それならそれでまぁいいんじゃない?愛人期間が50年から30年に短縮されたようなもんだし」


「そ、そういう問題なのでしょうか?」


「私たち夫婦の方は今のところ側室や妾を必要としていないのです、ねぇ、あなた」


「あ、ああ、そうだとも。少し急な展開にどきどきしたけど愛人はまだいいかなぁ」


お父様は何度もうなずきながら奥方様と見つめあっている、いい旦那様ですね~


「だそうです、なのでここは領主たるお父様が全て引き受けることになりますわ」


奥方様は満足そうな笑顔でエルフさん達と向かい合っている

このままお父様にシャルルさんをあてがう方向で決めたようだな


「さて、話がまとまったところで今度はこちらの交渉といきましょうか、まずは試しに1週間に2樽ほどを世界樹に注ぎたいから月に一度の定期便で8樽を運び出したいと思うけどいかがでしょうか?効果を確認してその後変更の可能性がありますが」


ちっこいエルフが愛人の話は終わったとばかりに聖水の交渉を始めた


「当方としてはその条件で構いませんわ。屋敷に立ち入る許可を出しておきますね、そして運搬に来られた方のお風呂の使用も許可いたしますわ、ふふふ」


「うん、よく分かってらっしゃる~、また私が交渉と運搬に出向くことになると思うわ、月1回だけど楽しみが増えたわね~」


「えぇ~、それじゃお嬢様は何もしなくても入れるようになったじゃないですか」


貴族と従者の優遇の違いが露骨に出ていますね

思わず声に出てしまうのも無理はないゴブ・・・


こうしてコスタリア家にお館様の愛人エルフという家族が増えましたとさ


おじい様はさっそくシャルルさんを秘書という立場で王都に連れて行った

対外的には秘書となっているがおじい様自身が愛人だと自慢してまわっているらしい

・・・子どもか!?

そしてその噂は急速に貴族のおじ様たちに広まりうらやまけしからんの大合唱だそう

そしてワンチャンスがあるのではないかとすり寄ってくる貴族が後をたたないとか

男って何歳になってもバカですな~

その結果コスタリア家の発言力が派閥を越えて強くなってきているらしい

奥方様の読み通りですね、さすがです


シャルルさんは一族が外交官的な立場であるらしく、人間社会や異種族の風習にも精通して各国の歴史にも詳しい。そりゃ本当に体験してきたから覚えているよね

そのうえ水魔法、風魔法の使い手でエルフ固有の精霊魔法も当然のように扱う


愛人なので特に働かなくてもいいはずだが

「ただでこんなおいしい食事と聖水のお風呂をいただく訳にはいきません」

という考えを持っているらしく週一の領都帰宅時の聖水風呂を楽しみに本当の秘書と護衛としてばりばり働いてくれている


奥方様も少しだまし討ちした感じで話をまとめたのを申し訳ないと思っているらしく、シャルルさんが領都邸に帰ってきている週末は薬草をふんだんに使った料理や取り寄せたお菓子でもてなしているようだ。


「ふぁ~、貴族の愛人は最高です、でも最近ちょっと体形が気になってきました~」


確かに最初よりぷりぷりしてきているゴブ

それでも人間からしたらだいぶ細身ですが・・・

細身なのに出るところだけ出てこれはもうエロフですな

貴族のおじ様たちが羨望と嫉妬の眼差しを一身に受けているのも分かる気がする


そして聖水風呂はエルフの里でも噂になっているらしくもうすでに何人も移住者が来ているらしい


ドノバンや会計士さんが交渉して貴族用のお風呂の方の従業員として雇っている

そして休憩にきた大棚の商人や貴族たちのラウンジでお酒を提供しているらしい

高級クラブやキャバクラやないか・・・

どこの世界でも権力や富を得た男どもは行動が同じですね

さすがに売春はしていないとのこと、国際問題になりますよ?


「あいつら金銭欲も権力欲も(性欲も)無いのがいいよなぁ、うまいもんと聖水風呂があれば他に欲しいものは無いっていうから楽でいいぜ。自分の身は自分で守れるってのも夜の街の女としては最高だぜ」


エルフさんへは衣裳や装飾品、金品まで口説くために貢がれているらしいがドノバン商会が全て間に入ってさばいているらしい


「今まで10年の稼ぎをこの1か月で越えたぜ、マジで震えがとまんねぇよ」

とはドノバンの台詞だ、ちなみに会計士さんはいつもの澄ました表情で飄々と職務をこなしている


そして今度は男性エルフのみが従業員の女性専用ラウンジが開店した

会計士さんやってくれましたね・・・完全にホストクラブです


これまた大繁盛、女性エルフのラウンジじゃ比べられないほどの売上があるようです

主に貴族の奥様達が気晴らしにきてハマっていくらしい

オプションで半日エルフ護衛付き同伴お出かけとかお風呂に一緒に入れる権が高額で取引されている・・・本当に売春してないですよね?

お気に入りのホスト(エルフ)をNo1にするために日々熾烈な貢ぎ争いが繰り広げられているとか

月の個人別売上がグラフになって貼り出されているあたり闇を感じるゴブ


聖女の町で盛り上がるはずだったのになぁ、異世界に風営法は無いのかゴブ

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