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悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました  作者: ぽこぺん


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第95話 招かれざる客2

「ゴブ~」(今日は女神の日の前日だけど貧民街に行けるゴブ~)


最初はメンドイな~と思ったけどみんなと遊びに行くと思えば楽しいゴブ


出発メンバーは王妃様(剣士)、奥方様(剣士)、ライアン(戦士)、マリー(聖女)、ミセッティ(ゴブリン)という設定の変装だ


だが実際は王妃様(聖騎士)、奥方様(女海賊)、ライアン(騎士)、マリー(脱走修道女)、ミセッティ(ゴブリン)といった雰囲気ですな・・・


王妃様とライアンは装備をみすぼらしくしても内面からあふれ出る気品が抑えられていないゴブ・・・

どこぞの貴族様がお忍びで潜入しにきたんだという感じ


そして自称、聖女というマリーのオーラの無さよ

完璧な町娘だったのにわざわざシスター服に着替え直してきている

なんだよ、聖女って設定は・・・ふざけてるのか


「くふ~、聖女が変装して貧民街を救いにきているっていいじゃないですか~」


マリー本人は聖女になりきって完璧な変装だと思っているらしい

う~ん、お家の事情で修道院に幽閉されている貴族子女に見えなくもないな

ただ物欲の強さが表情に見え隠れしていているから聖女には見えないゴブ

修道院から逃げ出してこそこそ町に繰り出している脱走修道女にしか見えない


「ふふふ~、新たな聖女の伝説はこのコスタリアから始まるのです」


まぁ本人が満足しているならいいんじゃないか

コスプレの極意は本人のなりきりの覚悟しだいだからな


「ふふ、下町に変装して出向くのは久しぶりです、冒険者登録まではしませんでしたが結婚前は祭りを見に行ったり魔物討伐隊に参加したり楽しかったですわ」


奥方様が真っ赤な軽装服を着こんで鏡の前で服装チェックをしている

年季の入った皮の帽子もとてもよく似合っておられる

片目に眼帯もしていて恰好いい

剣士の装備だといっていたがこれだとまんま海賊の女船長ですね


という訳で、女聖騎士、女海賊船長、騎士、偽聖女、ゴブリンという一団で貧民街に向かうことになりました

貧民街でなくて商店街でも悪目立ちするゴブな・・・


「ちゅ」


そしてわたしのポンチョの中にこっそりとホーリーラットが1匹まぎれて付いてきているのだ

わたしたちの位置情報や会話をリアルタイムでクィーンと共有しているらしい

どうでもいいが体が触れているところがピリピリするぞ

再生スキル(効果半減)があるから別にいいけど・・・

ホーリーラットは一応聖獣になるらしく体が聖魔法の浄化で覆われているのだ

魔物と違って聖魔法の忌避効果も効かないし結界も抜けてくるのでタチが悪いらしい


~~~~~~~~

「まだ貧民街には着かないですか~、南区に入ってからけっこう歩いてます~」


マリーが疲れて愚痴を言い出した


「いや、この辺はもう貧民街に入っているっス、もう少しで目的の教会に着くっス」


先頭のライアンがマリーに答える

そうだそうだ、さっきからもう貧民街に入っているじゃないか、何をボケたことを言っているのだこのぽんこつメイドは


「は?ここのどこが貧民街なんです?家は立派だし道路は整っているし、前に来た時は道路はぼこぼこで家なんて嵐が1回来るだけで倒れそうなのばっかりでしたよ」


奥方様も平静を装っているようだがまわりをきょろきょろと見渡しておられる


「あはは~、コスタリア家も正確に把握してなかったようね~、私も報告があってもこの目で見るまでは信じられなかったわ~」


大通りには両側に屋台や食堂が並び活気にあふれている

ただ今日は売り子のお姉さまの恰好がやたらに妖艶な色気がある人たちばかりだな

きっとドノバンあたりが貴族に粗相がないように普段の店員の代わりに自分の店の娼婦さんたちを急いで店番にさせているんだな・・・

普通は誰が見ても2度見してしまうであろう怪しい私たちをただの通行人のように笑顔でスルーしている

なかなか情報が行き届いているじゃないか、さすがテト、さすがチュー太だな


教会に着くと会計士さんと黒服さんたちが入口で待機していた


「これはこれはライアン様、本日は平日にもかかわらずお越しいただきありがとうございます。ちょうど今日の夕方から温泉施設が開館できそうなのです。お連れの方々もどうぞゆっくり見ていってくださいませ」


教会の隣りには孤児院を改修して前世であった銭湯のようなたたずまいの建物が出来上がっている


「へぇ~、もう完成したんだ、なかなか仕事が早いわね~やっぱり見に来て正解だったわ~」


「お褒めにあずかり恐縮です、詳しい報告などは部下の方に聞かれてはどうでしょう?おい、あの方々をお連れしろ」


「へい」


黒服さんたちが3人の町人たちを連れてきた

さえないおっさん2人と元気そうな町娘さんだな

3人ともうつむいてなんだか気まずそうな渋い顔をしている


「申し訳ありません、今日も《《普段通り》》に仕事をしようとしたのですが突然声が掛かりまして・・・とっくにバレていたようです」

「だからー私はあの白ねずみが怪しいっていったじゃないですかー、どこに行っても目が合うし、2、3回狩ってもいつのまにか別のが近くにいるし」


この3人は王妃様の密偵さんたちでしたか・・・

ホーリーラットセキュリティシステム(通称HRSS)の前には王家直属クラスの密偵もかたなしですな・・・

ちなみに誰もHRSSと呼んでいません、わたしが今適当に考えました


「・・・まぁいいでしょう、あとはこちらで判断します。あなた達はもう一人の素性を調べて報告しなさい」


おおっと、王妃様の密偵はおっさんと女の子だったようだ、ではもう一人のさえないおっさんは別の組織の密偵さんだったのか、恐いゴブ~


「さてと話が分かっているなら早いわ、早く案内してちょうだい」


「はて?もちろんです、先程から施設を案内いたしますと申しておりますが」


王妃様が笑顔で切り返す


「温泉を聖水にしている施設ですわ、地下に通じる入口までは突き止められたようだけどその先にはたどり着けなかったようね、やるじゃない」


「ははは、たまたま掘った地下水が精霊銀の鉱脈にあたっていた・・・という設定で出していたのですがさすがにしっかり調べられたら通用しませんか」


もはや王家とコスタリア家を前にしては隠し事は出来ないゴブ

会計士さんもあきらめて全てを見せる方向に切り替えたようだ


~~~~~~~

「へぇ~これが水を聖水に変える宝珠なんだ~、虹色に輝いてきれいね~」


「ゴブ~」(自分の像のままでなくてよかったゴブ~)


誰にも見られないと調子にのって作った小便小僧♀のままだったらヤバかったゴブ

そして水に押されてくるくるまわっているその宝珠はただの色付きのガラス玉なのだ

本当は台座で聖水に変えているのだが知らない人は見た目で騙されるゴブ


「けっこう大きいわね・・・んっ?持ち上げたら手が離れないわ~」


ふふふ、防犯機能その2。

台座から離れると持った手に吸い付いて離れなくなるのだ。

聖魔法[結界]の応用で持ち手ごと玉のまわりを結界で固定する


「ゴブ~」(くふふ~成功ゴブ~)


「あはは~、なかなかやるじゃない、まぁ無理やり手に入れようとは思っていないから今日のところは安心してちょうだい。頼めば作ってもらえそうですしね」


ちらりと王妃様がわたしを見てくる

わたしが作ったのはバレバレのようだゴブ


「だいたいの様子は分かったわ、これは大変重要な案件ですからこの施設は王家とコスタリア家とバーゲンハイム家の共同事業ということにしましょう」


「叔母様、よろしいのですか!確かにこれの価値は金銀では計れませんが王家と公爵家の名前をお借りする程とは思えませんが」


奥方様が驚いて声をあげる、会計士さんも目を見開いている


「ん~、こっちはまだ実家には何も報告してないっスけど、悪い話じゃないんで反対はされないと思うっス、王妃様がおっしゃるなら異論は出ないはずっス」


「価値もそうだけどここまで一般開放するのが問題ね。なにせモノは聖水ですからね~、恐らくさっきの密偵は西方真理教会の調査員よ。あいつらは初代大聖女の威厳を守るのが使命と思っているから聖水や聖女の話題には敏感に反応するはずよ」


「確かに・・・聖水はともかく特に聖女の噂には敏感ですわね、偽聖女の情報などあれば粛清に特務部隊が派遣されるとか・・・」


うげっ。やっぱりこっちの世界も宗教がらみのきなくさい話はあったゴブな

よし、今回は聖女に立候補したマリーもいることだし問題ないな


「ゴブゴブ」(聖女マリー、頑張るゴブ)


ぽんぽんとマリーの肩をたたいて激励してあげた

みんなもマリーを見て色々と思うところがあるらしくうなずいている


「ひいっ、あの密偵さんがじ~っと私の顔を見ているなとは思いましたけど~私は聖女様に憧れているただの村娘ですから~服装の真似をしていただけですから~」


偽聖女マリーの爆誕だゴブ~

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