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悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました  作者: ぽこぺん


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第60話  閑話 貧民街の新たなボス

コスタリア領都、中心街のどこかの建物の2階


「ひょひょひょ、お前たちから議会の招集とは珍しいこともあるのぅ」


「けっ、白々しい。大体のことはもう分かってんだろ」


「お主らは少し調子に乗りすぎたのじゃ。ワシらのように身の程をわきまえて目立たぬようにひっそりと領主様に盾つかずに暮らせばよいものを」


「ちっ、あんたらが宿場町や商店街をおさえてるから俺らは貧民街しかシマを確保できねぇってんだ。よく言うぜ」


    「あの~、どうして私はここにいるのでしょうか?」


「闇魔法ギルド長はどこかへ逃げてしまったそうじゃな」


「おれの組員も半分は町から出ていっちまったよ。サイモンのところも残っていていいところ三分の二ぐらいじゃねーのか?残っている奴らはこの町で育ってここ以外知らない奴か、家族が出来ちまって動けない奴らだよ。外から流れてきて棲みついた奴はもうこの町からいなくなっちまった」


「ふぉふぉふぉ、それは何より。この町を荒らしておったのはほとんど外から来た連中じゃったからなぁ。この町を食い物にしている連中が消えたのは良いことじゃ」


不死不殺しなずころさずの守護騎士か。実際のところどうなんじゃ?」


「ああ、やばいなんてもんじゃないぜ。何せ剣も魔法もきかねぇし毒や呪いも全く効果なし、それに加えてこっちも死人が一人も出てやしねぇ」


「文字通り全く相手にされていないということか・・・確かバーゲンハイム公爵家の5男だったかの。あのライアンとかいう男は。近衛騎士団では大した評価ではなかったそうだがやはり建国の勇者たちの末裔は伊達ではないのじゃのぅ」


    「あの方は公爵家の方だったのですね」


「我らも大金を使って私兵を集めてはおるが、国家最強戦力の前ではしょせん子供のお遊戯と同じということじゃわい。怖い怖い」


「ところで今晩の議題は何じゃ?まさか組織壊滅の報告をわざわざしにきたわけではあるまいて、ふぉっふぉっふぉっ」


「ちっ楽しそうにしやがって、まぁいい。知っての通り貧民街を中心にシマ争いをしてた3組織が軒並み半壊だ。闇魔法ギルドにいたってはボスも行方不明だしな」


「それで我らと闇魔法ギルドは一旦解散、統合して新たな一つの新組織になることにした。そして新たな貧民街のボスはこのシスターライラ様になる」


「ふえぇ~!聞いていません~!いやです~」


「ほほぉ、貧民街に新たな女帝の誕生ということか」


「表向きは教会と孤児院の管理者、その実態は守護騎士殿の寵愛を受けし貧民街のボスか・・・なかなか良いではないか」


「どきっ。な、なんで私がライアン様の寵愛を受けたのを知っているんですか!」


「な~に、この町の裏の奴らはみんな知ってるぜ。守護騎士様とねんごろになってるシスターライラ様の部下になればもうあの拷問を受けることも無いってことよ」


「ねんごろとか言うのはやめてください!私シスターなんですよ!」


「大丈夫、あんたは基本的に何もしなくていい。あとは俺とサイモンの奴がこれまで通りうまくやるさ。あんたはたまにやってくる守護騎士様の相手だけきっちりしてくれればいいんだ」


「孤児院の子供たちももう少し増えてもいいだろうな。腕の立つ奴は護衛になれるよう鍛えてやるし、頭の切れる奴は幹部候補として大棚の商会にでも修行に出させてやる。女たちも器量のいいのはメイヤが早めに仕込むって言ってたしな」


「仕込むのは男を喜ばす技術だけではあるまいて。怖い怖い」


「ふぇ~。私の預かっている孤児院が養成所みたいになってしまいます~」


「はははっ、あんたもボスの肩書きがあれば守護騎士様と本当に結ばれるかもしれないぜ?」


「えっ、本当に?・・・って絶対ウソです~!裏組織のボスなんて知られたらもう会いに来てくれなくなりますよ~!」


「まぁ今日のところはこれで報告は終わりだ。後日きっちりと幹部の名簿と組織名をまとめてくるわ。それまでは仮にライラ一家とでも呼んでくれ」


「それだけはぜっっったいにやめてください!」


「おい!おめーら!ぼさっと突っ立ってんじゃねぇ!ボスのお帰りだ!馬車の用意は出来てるんだろうな!かすりキズひとつ付けたら指1本じゃすませねぇからな!」


「「へぃ、ボス!馬車はこちらになりやす!!」」


「いやです~。一人で歩いて帰れます~」


「まぁまぁ、ボス。ここは俺らの首に免じてお願いしやす」

「一人で帰したりしたら指が何本飛んでくか分からないんでさぁ」


「ふぉふぉふぉ、これからは身の程をわきまえて上手に商売すんじゃな。”群れから出たゴブリンは狩られる”とよく言うではないか」


「”ゴブリンはオーガに従う”とも言うしのぅ」


「今回のことでよく分かったよ!俺たちが領主様や国王様にお目こぼしで甘い汁を吸わせてもらっていたんだってことぐらいな!」


「一応言っておくが貧民街でゴブリンを悪く言ってると刺されてもしらねーぜ?今やゴブリンは守護騎士様とともに貧民街じゃ女神様の使い扱いだからな」


補足 異世界ことわざ(ゴブリン編)


群れから出たゴブリンは狩られる → 出る杭は打たれる

ゴブリンはオーガに従う     → 長いものには巻かれよ

ゴブリンに勇者の剣       → 豚に真珠、猫に小判

ゴブリンがドレスを着る     → 馬子にも衣装

ひと振りでゴブリン2匹を狩る  → 一石二鳥

ゴブリンも褒めれば腰みのを洗う → 豚もおだてりゃ木に登る

聖女とゴブリン         → 月とすっぽん(最近は違う意味もあり)


いかにゴブリンが庶民の生活に近いか分かりますね。

最近のコスタリア貧民街ではゴブリンを蔑視することわざは使用禁止となっています

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