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異次元の女優たち  作者: 宮里英門
第1章 奇才塾 編
116/117

11-10 謎の天才女優、現る10

 百合たちは、そのまま、舞台にのめり込んで行った。やはり、「黎明劇場」ならでは、舞台演出や、その規模もすばらしかったが、しかし、何よりも、キセキトワの演技力がすばらしく、そこに存在していないものまでも、まるで存在しているかのように感じさせるという、そのレベルの高い演技に感動していた。


 そして、拍手喝采の中、2時間30分の夢のような時間が終わり、最後は、感動した観客からのスタンディングオベーションがしばらく鳴り止まなかった。


百合たちは、感じていた。


 これは、何回でも観にきたいと思う舞台だわ。キセキトワの演技力は、とんでもないレベルよ。とにかく、皆、一度、この舞台をみたなら、あとは、何回でも、キセキトワの演技をみたいのよ。これこそが、人に感動を与えて、人を幸せにするエンターテイメントなんだわ。


 百合たちは、感動した気持ちも覚めやらないまま、席を立った。


 そして、その数日後、水曜日、その日も、黎明劇場には、業界の有名人の多くが鑑賞していた。この日は、1週間の唯一の休日の前日、その日の最後の回が終わると、キセキトワは、控え室で帰り支度をしていた。


 すると、帰る寸前で、ドアをノックする音がした。


 あら、もう観客も帰ったはずなのに、スタッフの人かしら。


「はい、どうぞ。」


そして、ドアを開けて、入ってきた3人の人たち、


「はじめまして。お疲れのところ、遅くにすみません。少しだけお時間よろしいですか。」


「はい。それでは、すみませんが、もう私、帰るところなので、手短かにお願いします。」


「そうですよね。この大変な舞台を、3ヶ月主演で、それも、あのようなすばらしい舞台を演じられて、私たちは、感動で言葉もありません。


 そこで、


 実は、私は、「未来映画」株式会社、社長の詩根舞子しねまいこ、そして、こちらは、映画監督の本松天都ほんまつてんと監督、そして、その隣りは、脚本家の飯本角代いいもとかくよです。宜しくお願いいたします。


 今回、あなたのうわさを伺ったのですが、この「黎明劇場」の舞台の主演女優が倒れて、代役をたてると聞いて、「黎明劇場」の舞台で代役だなんて、おまけに、あの大御所女優の美貌野美津子びぼうのみつこの代役が素人だなんて、とんでもないことが起こっていると。


 しかし、その初日の前日の舞台稽古を観た関係者から、とにかく観てくれと言われて、今日やっと、この3人で鑑賞しました。


 その感想はというと、率直に言って、本当に、もうすばらしすぎて、言葉がなかったです。


 それで、今、「未来映画」では、100周年記念作品を企画していて、その主演女優のオーディションをやる予定だったんですが、この舞台のうわさを聞いて、とりあえずオーディションを延期していたんです。もちろん、舞台のあなたを観てからにしようと思っていました。


 それで、さっき見終わって、3人とも、ぜひあなたに、私共の作品に出て頂こうと決めたのです。どうかお願いしたい。」


「わかりました。ただ、まだ、この舞台も、しばらくあるので、公演があと1ヶ月で終わりましたら、その作品の脚本をぜひ見せて頂きたいです。とりあえず、前向きに検討させてもらいますわ。またご連絡をお待ちしております。」


すると、3人とも、笑顔になって、とにかく喜びを隠せなかった。詩根舞子しねまいこは、ほっとした表情になり、


「こちらこそ、ありがとうございます。キセキトワさん、あなたとご縁があって、本当によかったです。100周年作品は、絶対に、いい作品になるわ。」


 その後、1ヶ月間も記録的な動員数で、3ヶ月間のトータルでは、「黎明劇場」始まって以来の動員数を記録した。そして、「エメラルダ女王」は、国内劇場最多動員者賞を受賞した。しかも、これは、新人が主演で受賞したのも、初めてであった。



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