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異次元の女優たち  作者: 宮里英門
第1章 奇才塾 編
112/117

11-6 謎の天才女優、現る⑥

 そして、我に帰った舞台監督は言葉を続けた。


「早速、本部に連絡だ。代役の美辞麗子びじれいこに連絡して、キャンセルしてもらう。私の口から言うのもなんだが、美貌野美津子びぼうのみつこよりもすばらしい舞台になるぞ。間違いない。信じられないことだ。」


 舞台から降りてくるキセキトワ。そこに駆け寄る舞台監督と、演出家。


すると、キセキトワから、


「あら、監督、いかがでしたか。代役の美辞麗子びじれいこに変わりますか。」


「い、いや、とんでもない。私が悪かった。ぜひ、君にやってもらいたい。全日程の3ヶ月お願いできますか。美貌野美津子びぼうのみつこも、1人でこなすつもりだったから、3ヶ月は、ダブルキャストとかは、なしで、君1人だが、週に1度、休演日を設けてるから、それで、どうか、ぜひ君にお願いしたい。」


「わかりました。それでけっこうですよ。」


「そうか。ありがとう。それでは、明日は、衣装を付けて、最後の稽古だ。楽しみにしているよ。それから、ギャラについてだが、それは、またあらためて相談させてもらうが、とにかく舞台が始まるまでは、このことにかかりきりなんで、あとでもいいですか。」


「大丈夫です。あわてなくてもいいですよ。私は、お金のためにやりたいわけではないので。」


「ありがとう。じゃあ、また、明日。」


 そして、翌日、衣装をつけた本番さながらの稽古が始まった。そこには、黎明劇場の関係者たちも含めて多くの関係者が、昨日の通し稽古のうわさを聞いて、最後の稽古を観にやってきたのだった。


 その後、最後の稽古とはいえ、観客席には、素人の代役屋の意外な演技力ということを聞きつけて、かなりの人数が集まっていた。


 それを舞台の袖から見ているキセキトワ。


「なるほどね。想定通りだわ。今に見てなさい。昨日よりも、もっと驚かせてあげる。」


 今回は、キャスト全員が本番さながらに衣装を付け、そして、関係者が多く集まっていることもあるので、急遽、舞台装置も本番と同様に機能させて、まさに、公演当日そのままに演じ終えた。




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