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異次元の女優たち  作者: 宮里英門
第1章 奇才塾 編
109/111

11-3 謎の天才女優、現る③

 その、ネクスト、というのは、役者が、もし急にダメになったら、その時には、「次」に代役ができるのは、自分以外誰もいない、ということから、ネクスト、というらしい。


 そして、一度だけ、ビデオで通し稽古を見てもらうと、それだけで、セリフも演技もすべて完全に入ってしまうらしい。それで、一緒に通し稽古をやらせてみると、もともとの役者の何倍もすごい。素人どころか、あれは、ただのプロなんてもんじゃない。


 というわけで、スタッフの1人である、須田振雄すだふりおは、なんとか、ネクストについて、説明をしたが、実は、その人の演技というのは、知り合いから聞いた話しをしただけなのに、なんか熱く語ってしまった。脚本家や演出家にも、なんとか、ごまかして、了解を得たのだが、いざとなると、やはりちょっと心配になる。


次の日、舞台稽古をしていると、受付嬢が舞台脇から入ってきた。


「あのう、、、。ネクストさんがおみえになりました。」


すると、舞台監督が、


「そのまま、舞台脇からでいいから、入ってもらってくれ。」


「はじめまして。ネクストは、連絡用ワードで、名前は、キセキトワと、申します。宜しくお願いたします。」


 その姿をみた、座長、脚本家、脚本家の3人は、言葉を失った。


 その女性、キセキトワは、20才過ぎの若い女の子であった。


だが、舞台監督が、最初に言葉をだした。


「君が、ネクストか。驚いた!まさか、こんなに若いお嬢さんだとは、思わなかった。まさか、美人だから、あの美貌野美津子びぼうのみつこの代役が務まるとか思っていないだろうな。いやあ、無理だろう。とても、美貌野美津子びぼうのみつこの代役だなんて、もう無理なのは、明らかだ。帰ってもらおう。」


すると、キセキトワは、


「あら、人を見た目だけで判断したらいけないわ。少なくとも、ここにいるキャストの皆さんよりは、いい演技をご披露できますわよ。」


それを聞いた舞台監督は、少し気分を損ねたようで、


「なんだって。じゃあ、今、セリフを用意するから、言ってみろよ。美貌野美津子並みでなかったら、すぐに帰ってもらうからな。それでいいな、お嬢さん。」


 舞台監督は、「エメラルダ女王」のセリフを用意して、キセキトワに差し出した。


「私はこの国を、皆さんと共に守り、再び繁栄へと導くことを誓います。農地の改善、貧困の解消、そして平和の確立に向けて、全力を尽くします、、、、、。」


 これを、キセキトワは、女王らしく、淀みなく、堂々と読み上げた。


 これを聞いた、舞台監督、演出家、脚本家は、無言のまま、唸っている。すると、キセキトワは、言った。


「とにかく、これから、舞台稽古のビデオを見せてください。2時間30分の全体の見られるものをね。そして、明日の朝から、通し稽古に参加します。」


 すると、監督たちは、そのひと言のセリフがあまりにも、思っていたレベルを超えてしまったので、あまりのショックで決めるとも決めないとも、何も言えず、顔を見合わせるばかりであった。


 そして、キセキトワは、他のスタッフから、ビデオを受け取ると、映像管理室に閉じこもった。


そして、それから、ちょうど2時間30分が過ぎて、ビデオを見終わった彼女は、舞台監督に声をかけた。


「ビデオは見終わりましたので、もう大丈夫です。明日は、通し稽古に参加します。宜しくお願いたします。」


舞台監督は、驚きを隠せない。


「なんだって。話しには聞いていたが、本当にセリフは全部入ったというのか。」


「そうです。思っていたよりも、そこまでセリフは多くなかったですね。楽しみにしてます。では、また、明日。」



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