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異次元の女優たち  作者: 宮里英門
第1章 奇才塾 編
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10-9 衝撃の、星ミエル・デビュー⑨

そう思った、次の瞬間であった。


「これは、、あのブローニュの森にも及ばない!」


星ミエルから、思わず発せられた、そのセリフ。


 これは、終乃葉ついのはテリが、以前、現役の女優時代、主役のドラマ「虹色の捜査官」において挑んだ名キャラクターである、フランス帰りの、名捜査官、道虹沙織みちにじさおりの、最後の決め台詞であり、容疑者は、どこにいようとも決して逃げ切ることはできない、ということを固く、そして、強い気持ちを込めて、言い放つセリフであった。


 道虹沙織みちにじさおり、通称、捜査官ミチは、以前、その仕事のため、長期滞在していたフランスの郊外にあるブローニュの森、その広大な広さを舞台にした、その中から、犯人の決め手となるコンタクトレンズを探し出し、過去事件において、最高難易度の、その事件を解決に導いていた。捜査官ミチは、そんな奇跡にも近い驚異的な捜査内容においても、見事に解決へと導いていたのであった。彼女は、その事件以来、その際のコンタクトレンズのように、そんな過酷な条件下での探し物であっても、いつか必ずみつけられ、逮捕される、事件解決には、自分には決して不可能はない、ということを、このセリフに、その強い気持ちを込めて、容疑者に叩きつける。このセリフには、今後も、どんな事件でも必ず迷宮入りにさせないという自信を犯人に浴びせ示すセリフであった。


 ミチは、犯人を逮捕したのち、事件について説明をしたあと、必ず、このセリフを発して、いかなる場合も、犯罪は見逃されることはなく、決して完全犯罪はありえない。あの時のブローニュの森での捜査と比べれば、暴けない犯罪など、ありえないと犯人に突きつけるセリフであった。そこには、そのセリフに込めた、事件への執念が込められていた。


 すると、今、ここで、星ミエルは、このセリフに、捜査官ミチの執念の気持ちと、犯人に、2度と過ちを赦さないという、強い気持ちを込めて、伝えていった。


 テリ社長は、このセリフを、自分以外から耳にしたのは、初めてであり、そのセリフに込められた執念の気持ちを、とても強く直接的に感じたのであった。


 この私である捜査官の、このセリフに、こんなに強く執念の気持ちを込めるなんて、こんなこと、これまで演じてきた私以外にできるなんて信じられないわ。それに、私が演じた時は、ここまでにドラマの展開があったという視聴者の記憶があった上で、初めて強く伝えられるもの。


 それなのに、たった今、星ミエルは、このセリフだけで、その執念を強く込めて発して、感じさせた。ここまで、一言のセリフに込められる演技力は、いったいどういうこと。その感情の込め方が、そのレベルがあまりにも高すぎる。そして、何という心地よい緊張感と、その意外すぎる展開と共に、満足感を味合わせるセリフなの!もはや、合格とか、そういう段階ではないのだわ。さっき、陽毬ひまりが驚いて、駆け寄ってきたのがわかったわ。


すると、ふとっ、我に帰るテリ社長。


「ああ、星ミエルさん、とてもよかったわ。それに、あなた、私の現役の頃の、あのドラマ、よく知ってたわね。それに、あのセリフまで、、、。」


「女優、終乃葉ついのはテリさんといえば、あのドラマですよね。それに、あの名捜査官、道虹沙織みちにじさおりのセリフには、どんなに困難な事件でも解決するという執念が、決してあきらめない気持ちを強くしている。あの一言だからこそ、その気持ちに、多くの言葉はいらない。そういうことですよね。」


「そうなのよ。そこまで感じてくれたから、あなたに、あのセリフが言うことができたのね。ありがとう。あの一言だけで、とても感動してしまったわ、私。」


「こちらこそ、あのセリフを言う機会を与えて頂けたことは、とても感謝しています。ということは、もう合格ですよね。」


「そうね。その点については、本当は、まだ今、判断をする時ではないけれども、仕方ないわ。もう、すでに合格だけど、今ので、もっと、さらに上の合格よ。」


「ありがとうございます。それでは、これから、宜しくお願いいたします。」


「ああ、そういえば、あなたの、言えなかった本名って、言えない、何か、大事なことがあるの?合格する前に、それを聞いたからって、何か不都合でもあったというの。」


「そうですね。特に、私には、不都合はありませんが、私に対する見方が変わったら、それは、私にとって本意ではないので、秘密にさせて頂いたのです。」


「そう。なら、あらためて、あなたの本名を聞かせて。別に、驚かないとは思うけど、、、。」


 すると、次に口にした、星ミエルの本名、


それは、、、。


 とうとう、明かされた星ミエルの本名。


 それを聞いたZプロダクションの女優たちは、あまりの驚きに凍りつく。それに、これなら、演技力の、そのレベルの高さにも、そして、その美貌にもうなずける。もはや、疑いようもないことなのであった。そんな女優が、ここZプロダクションに所属なら、まさに相応しいのではないかと、皆、顔を見合わせるのだった。


 そして、テリ社長は、最初から本名を明かさなかった彼女には、そのプロ意識を強く感じ、それに、彼女にとって、その本名など、何の意味もないことを、彼女自ら証明したことに、とても敬意を持って、あらためて、事務所に迎えるのであった。



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