55話 〈作戦会議〉
「久しぶり。マンションに来るの、結構手が折れるんだ。あら、広田さんと……彼女は? あとソナタさん?」
ロビーには広田、ソナタ、藍田を集めた。
なんでもソナタを介してシンリュウはマンションへ訪問できるらしいのだ。どんな原理なのだろう……。
るるみもなぜか勝手に参加している。カオスな空間でシンリュウはユルカが暗い顔持ちをしているのに気づいた。
「……。許鹿、やっと自覚してくれたんだね」
「……私は連鎖を断ち切りたい。いや、人を殺めて管理人を継ぐシステムを破壊したい」
「そう。それは知らなかったわ。……これ、マンションについてさらに調べたの」
ファイリングされた書類をロビーのテーブルに置くと、コピーされた新聞紙を皆に見せた。
「衰退期にホテルは管理がずさんになったらしくて。スタッフも減り、火災予防やらの導入も無視していたみたい」
「それは倉庫室に……あ、私も知ってるよ」
記事を読むと、火事が起こるも、スプリクラーが作動せず死者が出る。焼け死んだ遺体の映像とずさんな管理体制に世間は驚いた――と記されている。
「へー、まあ、土地を買ったのは私の家族なんだけどね〜〜!」
藍田がとんでもない発言をしたが、ほかの書類をめくる。
そうしてしばらく年月が経ち……。
マンションとしてハリボテに売り出され、知らない人々が住み始める。が、やはり水浸しの女性が目撃されてしまう。
加えて焼死した客などの叫びなどが夜な夜な響き渡った。それは街の人々にも聞こえ、苦情がくるしまつ。
マンションのオーナーは他県から神職を呼び、お祓いしてもらう。が、効果はなく逆効果になる。
マンションの7階の住民が次々に怪死。死因はバラつきがあり、関連はないとなるが、噂は広まる。
退去しようにも、しようとする矢先に住民は事故にあったり、精神に異常をきたしてしまうように。
呪いのマンションとたちまち、ネットでも有名になってしまった。
「オーナーは夜逃げ。住民も立ち退き料やらを求め混乱した矢先、7階から火事が起きてしまったみたい」
防火シャッターが作動し、階段が閉鎖。エレベーターのみになってしまう。殺到した人々がエレベーターに押し寄せ、落下し、事件になった。
またその後、社会から責任追及をおわれたオーナーが7階の火元の部屋で自殺した。
オーナーの死体がお七の依り代になっているのではないか、とシンリュウは考えているようだ。
――それからは廃墟になり、今に至ると言うわけだ。





