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7階 ~呪われマンション『ヒアアフター』~  作者: 犬冠 雲映子
ユルカのゆるゆる夜勤勤務
55/59

54話 〈次の管理人は〉

「ねえ、そこにいるお姉ちゃんはあの男の人の味方なの?」


「ねえ、お姉ちゃん。お願い。あの男を殺して」


「お願い」

 ワラワラと女児たちがよってきて懇願してくる。多分、この子たちは管理人に殺害された子供たちだ。



「次の管理人はオマエダ」



 囁きが重なる。管理人になれ、あの男を殺せ。さあ、あやめろ。

 もうあの男は用済みだ。





「ヒッ」

 ユルカは思わず懐中電灯を投げ出して、倉庫を飛び出した。ドアによりかかり、ずり落ちる。


 るるみは自分が次の管理人になるのを望んでいる?


(それじゃあ、連鎖が続くだけ……なんとか、なんとかしなきゃ……)


 ユルカが管理人を殺めても、このマンションの状況は変わらない――シンリュウ、と不意に頭で言葉が浮かんだ。

「彼女の力を借りられれば……」



 そうこうしていると階段から何やらまた人々の話し声がして、気になった。鍵を握りしめ、恐る恐る腰を上げる。


 階段の方からだ。

 住人たちの話し声だろうか……。




 そっと階段をのぞくと担架にブルーシートが被せられた何かが警察によって運ばれていた。

「っ!」

 口を咄嗟に塞ぎ、シートから覗いたものに吐き気がした。


 あれは自分自身であった。




 警察と担架は下層へ下っていく。「お姉ちゃん、やっと信じてくれた?」

 いつものように、るるみが三輪車に乗って問うてくる。


「わたしは、死んで……でも次の管理人には、なりたくない」


「どうするの? るるみはあの人は大嫌いだけど、殺されてないからユルカに殺めてほしいとは思わないよ」

「え」



「お七お姉ちゃんのために、るるみは死んだんだ」

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