33話 〈エレベーターにミラーボール〉
この前、穏やかになるヒーリングミュージックを選べび、防災無線や7階の廊下に設置されたスピーカーから流してみた。が、逆効果であった。
そのため、ヒーリングミュージックの種類がいけなかったのだと気を取り直し、ハープ音楽を小さく流してみた所、今のところ苦情は来ていない。
ただ深夜帯は通常運転ではあるけれど。
ユルカはどうすれば7階の騒がしさが収まるかを考えていた。ふいにクリスマスツリーのイルミネーションを思い出し、アイデアをメモに書き殴る。
「ゲーミングボタン?!」
マンションの住人で、少し親しくなった蒼南樹へ思いついたアイデアを提案してみた。
「? ゲーミングボタン? そういうヤツなの? とりあえず、7色に光るピカピカしたボタンをはめればいいかなって」
「それをして、7階が鎮まるんでしょうか……」
「明るい気分になるでしょっ! 大丈夫だよ!」
ラジオで最近、7色に光るインテリアが流行っていると耳にはしていたので無い訳ではないだろう。代用品を使ってもいい。
「確かに、エレベーターは明るくなるかもしれませんね……」
ソナタは不格好な笑いを浮かべて、ユルカに逆らえずにいた。
「ねえ、最近さー、エレベーターが悪趣味な色になってんの。ユルカちゃんがやったの?」
真夜中のラウンジでいきなり受け付けに、藍田さんが半笑いでやってきた。
ユルカはラジオを聞きつつ、コピー用紙に落書きをしていたので寝耳に水である。(悪趣味?)
「あっ、エレベーター? ソナタさんと天井にミラーボールつけて、7階のボタンの周りにLEDランプつけてみたんです。どうですかね」
「すっごいおもしろいと思う! 逆にま、魔界って感じっ!」
「えー? 魔界?」
今もエレベーターからキラキラとした反射光が漏れて、絨毯を照らしている。
「けどやっぱああも明るいと7階もドンびくよね。効果てきめんでしょ」
「ドンびく? え、まあ、多少は」
なぜ今にも吹き出しそうなのか。ユルカは分からず、首を傾げるだけであった。
ユルカちゃんは明るい方が良いですよね!




