表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キメラ  作者: 甲羅に籠る亀


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
11/12

11話

 角鹿への変異を腕で試しながら森の街道を進んでいると、またまたこちらに向かって来ているモンスターの存在を感じ取った。


 次に向かって来ているのはウルフの群れ、数は聞いて嗅いだ感じでは4匹の群れだと思われる。


 「奇襲するつもりかな、あれ?」


 俺が進んで行く方向の街道の近くの茂みに隠れ潜んでいるのが呼吸音や臭いで感じられる。


 とりあえず奇襲を受けるだろうことは分かったがどうしたものか。


 少し考えて決めた。


 俺は街道の端に転がっていふ石ころを拾うと茂みに隠れているウルフの1匹に向けて全力で投擲を行なった。


 「ギャン!?」と鳴き声がするのと同時に茂みからウルフの群れが気付かれたからと飛び出て来た。


 ウルフの群れのその内の1匹は足を引き摺っているところを見るに、俺が先ほど茂みに投擲した際に石ころが足に命中したのだろう。


 「来るか!」


 ウルフたちが一斉に俺の方へと駆け出してきた。


 俺は構えて待つ、のではなく今回は俺の方からもウルフたちに向かって行く。


 ある程度の余裕を持って駆け出した俺は距離が縮まったウルフの1匹に前蹴りを食らわせる。


 蹴りの直撃を受けたウルフは空中を飛んで街道の地面に叩き付けられて転がっていくのが視界に入るがすぐにウルフたちへの対処に忙しくなる。


 無傷の2匹のウルフが一斉に同時に俺に向かって攻撃を仕掛けてきた。


 ウルフたちの狙いは足と首だと看破した俺は同時にウルフに対処するのではなく足元のウルフから排除することにした。


 首狙いのウルフからの攻撃はしゃがむことで回避すると、足狙いのウルフとの距離が近寄っていく。


 そこで俺は手の指を揃えてから角鹿の角に指先から手までを変異させて槍の様に変化した手で足狙いのウルフの口内に向けて貫手を試みる。


 角鹿の角へと変異させた手での貫手で上顎から脳天を俺の手が突き抜けた。


 頭部を破壊されて力を失ったウルフの口内から貫手を引き抜くと同時にこちらに足を引き摺っていたウルフが攻撃を仕掛けてくるところだった。


 再度の貫手を行ないたいところだったが向かって来ているウルフが来る方向が俺から斜め右だったせいでそれもすぐには出来ない。


 俺はそこで貫手に使った角鹿の変異をやめて人間の手に戻すと、手の甲から角鹿の角を生やして裏拳でウルフの頭部を殴る。


 ウルフの頭部に突き刺さる角。


 手の甲に生やした角が押される感覚を感じながら俺は手の甲の角の変異を解いた。


 「これで残りは2匹。」


 俺が前蹴りをしたウルフは生きてはいるが内臓を破裂させた感覚があったから放置でも問題ないはず。


 それなら実質的に危険なのは無傷のウルフ1匹だけだ。


 俺の後ろ側で今にも攻撃を仕掛けて来そうな状態のウルフの姿が見える様に体勢を変えて。


 「来た……!」


 また狙いは首を狙うものかと思ったがウルフが狙ったのは足、それも足首を狙って来ているようだ。


 俺は向かってくるウルフが足元まで接近してくるのを待ってからその頭に拳骨を叩き込む。


 ウルフの頭蓋骨が砕ける感覚がしたと同時にウルフの頭部は地面に叩き付けられた。


 「あとはトドメを刺すだけだな。」


 残りの前蹴りで瀕死状態のウルフを始末して4匹のウルフの群れとの戦闘に勝利した。


 地面に倒れているウルフの群れを見て、俺はこれからする捕食にどれだけの時間が必要になるのだろうかと考えながらウルフの群れを1ヶ所に集めていく。


 そうして集め終わったウルフの群れを山の様に積み上げてから、積み上がったウルフの山を覆うように両手をスライムの手に変えてウルフの山を覆っていった。


 引き伸ばして包み込んだスライムの手で捕食していくウルフの群れの捕食に少し時間が掛かったが完全に骨まで捕食した。


 「捕食に時間が掛かるのがアレなんだよな。」


 もっと早く捕食するのなら消化能力を高める方法を考え付かないといけない。


 今は少しでも捕食を高める為にスライムに変異して捕食している間に酸を生成して溶かして食べているのだが、これをより早く捕食する方法はあるのだろうか?


 何かしらの消化能力の高いモンスターを捕食すればそれも解決するのだろうが、今のところは遭遇していないし、もし遭遇するのなら数多くの種類が生息している魔境にでもいるモンスターを捕食していけばその内に手に入るだろう。そう言った捕食関係の力を持ったモンスターの力を。


 「さて、行くか。」


 ウルフの群れの捕食を終えた俺は森の中にある街道を進んで行く。





 「ん?羽音だ。」


 ウルフの群れを倒してからモンスターに遭遇することなく進んで行き、歩きながら昼食を食べたりしながら休まずに歩いていると虫の羽音がしてきた。


 「あの音は……蜂?かな。」


 前世で聞いたことのある虫の羽音からして多分だが蜂のモンスターだろうと予測する。


 でも聞こえて来ている虫の羽音が大きい。この大きさの羽音なら身体の大きさも大きいはずだ。


 右から左へと街道を通り抜けるコースでこの羽音を出して飛んでいる虫系モンスターは通り過ぎるだろう。


 「ん〜隠れる?」


 今から街道の隣の茂みに隠れれば、この虫の羽音を出しているモンスターに気付かれずに済むかもしれない。


 でも初遭遇する捕食したことのないモンスターだからなるべく倒したいところだ。


 「飛んでいる数は1匹だけだからな。丁度いいから倒してしまおうかな。」


 一応、相手は空を飛んでいるモンスターだ。だからこそ遠距離用の攻撃手段である石ころを探してみたらあった。


 丁度良い大きさの石ころが運のいいことに2つもあった。この石ころで墜落させればあとは簡単に倒せるはずだ。


 俺は奇襲を仕掛ける為にも茂みに隠れて石ころの投擲を行なう準備を行なっていく。


 虫系モンスターが現れるそれまで息を潜めて待ち構えていると……。


 「来た……いま!」


 森と森の間にある街道に姿を現したのは蜂系のモンスターであるビックビーだった。


 ずんぐりむっくりしたビックビーに向かって投擲した石ころは見事に1発で命中してビックビーは地面に向かって墜落した。


 地面に落下したビックビーはもがくように身体を動かしているが、先ほどの投擲が命中したのが羽だったせいもあってビックビーは空を飛ぶことはもう出来そうにない。


 カチカチと牙を鳴らして威嚇しているビックビーに警戒しながら近寄った。


 お尻の針は毒針だと言うこともあって無闇矢鱈に近寄って刺されるのだけは気を付けたい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ