0099:暗闇
100話目前にして、ついに第5章です!
姫?彼女はもう先に行ってしまったよ…(休日休みの間に追い越し)
アレから数日。
とりあえず魔術都市から離れて今日。
正確には、遊びに出かけた翌日の日曜日。
日も暮れる目前。
雨降った後なのもあって蒸し暑い今日この頃。
「あっちぃ~…」
トールはそう言いながらリビングに入ってきた。
風呂上りなのか、ホカホカというより、しっとりしてる。
…てかさ。
「パンイチヤメロォ!」
「ナイスゥ!」
「ヤメロォ!(拳)」
「イタイィ!」
ネタで返されたんで、拳で返しておいた。
「殴る事ぁねーだろ!」
「女子供の目を気にしろと何度言えば」
他の女性陣のいる前でソレはアカンでしょ。
流石に攻撃するで? 拳で。
…まぁ、そんな日常のいつもの光景はいいんですけども。
そんな中でも、今日は一段と暑いです。
「暑いー」
「暑いですね…」
「暑いならタクトを抱きかかえるのを止めなされ」
「どうしてですか?」
「聞き返すなや」
「シャルリアさん…酸素欠乏症に……」
ご覧の有様だよ!
何?まだ5月だよ?
季節的にはまだ春だよ?
雨降ったからって蒸し暑すぎだよ馬鹿じゃないの?
あまりの暑さに、雨が止んだ途端に全員動員して扇風機まで出す始末である。
「暑すぎ辛い…ドラちゃんどうにかして……」
「誰が万能青狸じゃ」
こっちみんなあやめ。
そういうのは俺じゃなくリアル猫の2人にだな……
「「こっち見んにゃ」」
「に゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛…」
「汚ねー鳴き声だすなや」
あやめさんや、何対抗して鳴き声…鳴き声?出してるのか。
てか女の出す声じゃねーだろ。
そんな事思いつつリモコンを手にする。
まぁ青狸ではないが、何とかできる、できるのだ!
そのままリモコンのボタンを押す。
ピッという音と共に、稼動音としてぐぉぉ、と鳴り出した。
…ま、リビングにもエアコンは常備されてる故、温度調節は可能なだけなんだけども。
「おぉ」
「コレは…冷気?」
「そーよー」
テクスとアルバート氏の呟きに、何気なく答えながら温度を下げる。
25度設定の冷房。
コレだけで温度はしっかり変わる。
後扉扉…
「閉めといたよ」
「流石あやめ話がわかる」
だろう? 見たいなドヤ顔しなければな!
とりあえず室温はコレでいいにして……
「夕飯今から作るけど何がいい?」
「じゃあ誰かナイアを呼んで…」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
「こらイーリス!扇風機独占すな!」
「さって動画更新とランキングは……」
「いまからレースやるけど参加者ー」
「はい!」
「あ、じゃぁ俺も」
「じゃアタシも」
うーんこのカオス感。
誰が誰だかようわからんレベルである。
とりあえず、2台に増えたハードの片割れ、そのコントローラー部分を手にしながらテレビの前へ。
…この時、俺は気付いていなかった。
横では扇風機にエアコン、PCまで付けている。
そして更に、テレビとゲーム機の電源を点けた事……
バン!と言う音と共に、部屋は暗闇に閉ざされた。
~~~
「あー…ブレーカーが落ちてる」
そう言って、廊下にあるブレーカーパネルに懐中電灯を向けた。
本来下向きのスイッチは、上を向いている。
そらリビングとダイニングでアレだけ家電動かせば、こうもなるわ。
そう思いつつ、一度リビングに顔を戻した。
「全員大丈夫ー?」
「あうぅ…」
「痛ぅぅぅ……」
「…シャルリア様にドランも…どったの?」
「いや、急に暗くなって敵襲かと動いた際に……」
あぁ、ぶつかったのね。
身長差で大事故にはなってないけども、シャルリア様の腹部にドランとかいう大質量がぶつかればそら……
…で、ドランは何に痛がってるのか。
「金具が…鼻にな……」
「あ、さいで…」
とりあえず他に事故がないか見渡す。
一応、唐突な暗闇に警戒した連中は居るようだけども、それほど動き回ってない様子。
猫'sはビクリと反応したけど、その場で動かなかったのは僥倖である。
それ以外だと…なんて思ってると、上の階からバダバダバダ!とかいう音……
「…誰か、上の階のナイア嬢を……」
「私が」
「私もー」
そう、テクスとテレーザが名乗り上げる。
こう暗い…とは言え、まだ日の入り途中だけども、暗闇にはテレーザである。
後はフクロウの大福なんだけども…期待するだけ無駄かね。
ブレーカーが飛んでからもずっと寝息が聞こえるからな。
「…やっぱ点けすぎたかね」
「キッチンで冷蔵庫二台、炊飯器二台、IHにレンジ。
更にリビングにテレビ、PC、エアコン、扇風機、挙句ゲーム機……」
「そらブレーカー飛ぶわ」
あやめの回答に頭が痛くなる。
てか、むしろ今まで耐えてたのが不思議でならん。
とりあえず再度ブレーカーに戻り、スイッチを戻す。
それに合わせて、再び室内に明かりが戻った。
コレでとりあえずは一安心、なんて思いつつ再度リビングへと戻る俺。
「炊飯器はどうなってる?」
「炊き終わりで保温だったから無事だよ」
「それ以外の被害は?」
「台所系は無いかなー」
まず先にあやめの居るリビングの確認。
問題は無さそうで一安心である。
次いでリビングは……
「衝突事故は一旦置いといて」
「おいぃ」
「家電系はまぁ大丈夫として…PCとゲームのデータが飛んでないか……」
「…飛ぶってもしかして……」
「おきのどくですが データは きえてしまいました」
「「「ノォー!」」」
そんな叫びと共に、猫'sとタクトが真っ先に電源を入れてチェックし始めた。
…冒険者がPCとゲーム機のデータを真っ先に確かめるって、シュールだなぁ……
「あっせめて扇風機とかの電源を」
バン!
「「「ギャー!」」」
「…ンモー」




