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扉開けたら即異世界 -ぶらり異世界冒険記-  作者: 神風 翼
第04章:魔術学園編
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0095:外へ


生垣の端に腰を下ろし、あやめと揃って缶を傾ける。

中に入っているジュースの甘味と、炭酸の刺激を感じながら、一息。

ぷはぁ、と喉へと下し、互いにため息をついた。


「…私らには、こういうのが一番だよね」

「だな」


そう言って、対岸の埠頭に停泊している貨物船やフェリーを見やる。

今日も元気に輸送業をしてるのか、遠目で見ても作業員が働いているのが見える。


「…何たそがれてんの?」

「いんにゃぁ、そんな気分なだけさね」


そう、背後に居たタクトにそう返した。



…例の正体不明の暗殺犯の存在が更に出てきた数日前。

また別の犯人に怯えないといかんのか!となり、相談する事にした。


その相手こそ、あの場に居た仮学園長のライオ氏とフロード氏。


詳細を話した所、安全策を立ててもらった。

その安全策こそが、魔術都市からの脱出である。


だが、下手をすれば相手から追われるかもしれない、と思い聞いてみた。

すると、彼らから安心できる答えを貰った。


…曰く、毒入りの食べ物は殺意を感じるが、毒が一般的過ぎる。

何せ例のデスデニアンパンジーは、メジャーすぎて解毒薬や無毒化薬が一般に出回っている。

その為、裏市場に少しでも入れば、捨て値でゴロゴロ転がってる安物だそうだ。


さらに直接殺しに来た女の刺客は、俺からの装備や格好の証言から格は低いと判断された。

どうにも、例の暗殺手口が教科書通りすぎる点と、逃げに入った思い切りの良さ。

特に逃げ足に関しては、腕の悪い連中は大体すぐに逃げるそうだ。


はした金故にしっかりした仕事をせず、割に合わなければサッサと逃げる。

そういった三流盗賊職(シーフ)は、以外にまで沢山存在しているそうだ。


恐らく雇われたのはその三流。

さらに毒はいくらでも安く手に入る品。


そこから考えて、恐らくそこまで資金的余裕が無いのでは?といった意見であった。


殺意があるのであれば、姿を消せばいい。

居なくなった相手を追うのであれば、莫大な金を積む必要がある。

もしはした金で雇った連中であれば、恐らく追いかける事をせずに懐に入れて姿を消すだろう。


…というのが2人の統一意見。


ならば、と翌日に魔術都市からの脱出を画策。

…正確には、一部のお世話になった人たちに挨拶した後、普通に都市から出るだけ。



こうして脱出して数日。

GW(ゴールデンウィーク)も終わった、次の土日。

連休中は一切出かけなかったな、なんて思い立ち、全員で出かけようとなった。


まさかの自身含め総勢12名+1羽!

車で行くには多すぎる量なので、流石にバスを乗り継ぎ、全員で遊びにやってきた。


場所は県内の埠頭。

正確には、埠頭付近にある複合施設。

元々埠頭だった場所を改修した為、機械遺産としてクレーン(テルファーだっけ?)が残された場所。

ショッピング・映画・グルメ・イベントが楽しめるベイエリア。


ファッション、雑貨、食料品。

レストラン、カフェ、すし横丁。

ミュージアム、シネマ、アミューズメントと多岐に渡るこの場所。

食事に買い物に、と全員で楽しんでおります。


…因みに、全員にお小遣いも渡してあります。

あやめは帰る前に、例の誕生日プレゼントと称してのゲーム機を買うと決めてるそうだが…もう何も言わんわ。


…とりあえず、全員で映画を見て、レストラン行って、そして今の自由時間。

例の訓練が役に立ってるのかはわからないが、皆思い思いに楽しんでる様子。


「…来たかいがありましたなぁ」

「思った以上に面白かったよなぁ…」


映画は例のVRゲームの超大作のアレ。

元ネタ知ってる連中でギャーギャー楽しんで……


「…タクトはあの映画、理解できた?」

「それなりにー」

「さよかー」


楽しめたのならよかとです。


…で、レストランに寄って昼食。

すしは、生ものってのもあって全員えっ…みたいな顔してたからパス。

今度美味い刺身でも買ってやるか……


あ、レストランでの飯は普通に美味しかったです。


「…そういやイーリスは?」

「まだあのアイスの店、シャルリアが付いて並んでる」

「あー…甘味かぁ…」


そう言いつつ、立ち上がる。

まだ今日は時間があるが、それでもここでじっとし続けるのは勿体無い。


「…そういや次何処行く?」

「ゲーセンもありだけども…んー、ショッピング?」

「ここじゃのうて」

「あぁアッチか」


そう言って異世界へと意識を向ける。


…正直、目的地も目標も決まってない。

とりあえず今度は内陸部に行こうか、程度にしか考えとりませぬ。


流石にバケモノのいる海は勘弁しちくりー。


「とりあえずは以前の…レイスティア公国のルスティ…だっけ?

あそこに戻って…ぬー……」

「…どうするのさ」


その問いに、一度首をかしげ、諦めて笑みを浮かべて見直す。


「…ま、道すがら考えるさね」

「雑ゥ!」

「いや、だって時間はまだ山ほどあるし…」

「…だね、それもそうか」


そう言いながら、残ったジュースを飲みきる。

空き缶は握り潰す!…なんて事しないで、普通にゴミ箱へシュゥゥゥゥ!


「超!エキサイティン!」

「アレまだ家にあった気がする」

「マジで!?」


あやめのその一言に驚きつつ、とりあえず中へと戻る。


今後の旅に、期待を寄せながら……


3D!アクション!ゲーム!

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