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扉開けたら即異世界 -ぶらり異世界冒険記-  作者: 神風 翼
第03章:迷宮編
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0048:ノーム急襲


テクスが構えた盾に、バシバシと物がぶつかる。

次いで、突っ込んできたノームが剣をたたき付けた。


盾がガインと派手な金属音を立て、反撃にテクスが剣を振り抜く。

次いで、中に血と共にノームの首が飛び散った。


「ぎゃぁぁなんぞぉぉぉ!?」

「ドラン殿!タクト!構えろ!」

「うっしゃ!」

「わかっとるわい!」


即座に二人は剣とハンマーを抜いて構えた。

せめて反応してくだしあ!


「ノーム…? ゴブリンとは違うの?」

「ゴブリンは劣等亜人でノームは牙人種!

人の形をしただけで動物同然な頭空っぽな奴らだよ!」

「見た目も随分違う…茶色い肌に丸鼻、垂れた耳…ゴブリンとは大分違う……」


テレーザはあやめの問いにそう答える。


ノームの連中、ゴブリンと違って頭は無いが力があり、オマケに武器の質がいい。

戦利品か作ったのかは定かではないが、鉄器の剣や槍なんかも装備してる。

その分亜人と違って力がある…人の姿をした動物という感じらしい。


…てかあやめさんや、何でそんな冷静なのさ。


そんな中、前衛で敵と殴り合っているタクトが一歩下がった。


「数が多すぎる!」

「成程、過繁殖していたのはこいつらの事か」

「潰しきれんぞぃ!」


テクスとドランも、そう言うとそろって一歩下がった。

こりゃぁマズイ。


「とりあえず撤退!後退じゃぁ!」

「法螺貝吹く?」

「あんなら吹いてみろや!」


そう叫ぶように言うと、前衛を引きはなさい程度でゆっくりと後退する。


土くれの道から、再びの地下道へ。

水音響く排水房のある狭い細道へ。

だが、後退に合わせてまた別の反応も来る。


「…?どうしたの大福?」

「…! 後ろ!後ろからも来てる!」


大福の反応に、真っ先に気付いたイーリス。

そして背後を見て気付いて声を上げたテレーザ。

これじゃ挟み撃ちじゃねーか!


「俺が魔法で…!」

「ダメです!こんな閉所では危険です!」

「ドラン殿!殿しんがりを!タクトォ!」

「任せろ!」


その言葉と共に、タクトとテクスが後ろに飛び出して剣と盾を構えた。


タクトの剣が弾き、テクスの盾が音を立てる。

前ではドランのハンマーが地面や壁と共にノームを叩き潰す。


発動しようと手元に魔力を収束させたんですが…

この手を何処に振り下ろせばいいんでしょうか?

まぁいつも通り転移扉ですよねハイ。


もしもの為に収束させた魔力で捻るように手を構える。

…アレ?


そんな次の瞬間、左右から押されるように背中で潰される。

サッと左右を見渡せば、そこはもう地獄。


「挟まれたぁ!?」

「挟まっちまった」


言っとる場合かッ!


「前からも後ろからもノームの群れか……!」

「転移で脱出は?」

「しようと思ったんだけど…転移って通常より魔力を使うんだよねコレ」

「……それってまさか」

「理解してくれた様でよかったよ」


あやめに察してもらえたようで、俺が焦っている理由をわかってもらえたようだ。


さっき魔法を撃とうとした際の収束魔力で転移扉を出そうとした。

が、そこに扉は現れず、手応えも一切無しと来た。


「両手を挙げて、O☆WA☆TA」

「どどどどうすんのさアンタァ!

普通の魔法は使えるんでしょ!援護ぐらいしたらどうさ!」

「俺に言うなぁ!」


第一、シャルリア様に止められたのもあるが、魔法での援護は出来そうもない。

…と言うか立地と位置関係のせいで援護が一切出来ない。


そう、

×:出来そうもない。

○:出来ない。

なのだ。


水は破壊力を伴った場合、壁や天井をぶっ壊しかねない。

氷だと所詮周囲の水で氷柱を作って当てるだけ、全部倒すには威力が足りない。

風は閉所の関係上、どう足掻いても味方に被害が出る。

土に関しては、落下物を勢いよく投げつけてるだけで、第一まず物がない。

雷撃は、敵と俺の間に居る味方に当たる…電気の流れの制御は難しすぎるのじゃ。


そして爆轟に至っては、壁や自分達に爆発が来ないように魔力で防壁を置いても、熱や振動は貫通する。

つまり、振動で崩落する可能性が否定できない。


それに、上層でドランが言っていた「海面より下と見るべき」の一言。

最悪海水が流れ込んで全員お陀仏となる。

排水房の外で溺れ死ぬって、洒落にもならんわ。


「何か無いの!?」

「どれも被害が大きすぎるか火力不足でどうにも……」

「光魔法とかは!」

「破壊力を伴う光以前に、光源を作るのがどれだけ大変なのか知ってる?」


光を収束させるにはまず光源が必要なのであってだね。

そしてその光源を生み出すには、今は炎位しか作れなくてね。

そうなるともう太陽を作るぐらいしか手段は無くてだね。


…待て、光?


そう思って、荷物の中にある「ある物」を思い出した。


「…行けるかも」

「何?何するのさ!?」

「光だよ光!

光源を生み出す素材は無いけど…自分で生み出す必要は無い!」

「だから何さ!」

「持ってたんだよ!発光体を!」


俺はそう言って荷物からアレを引っ張り出した。


「ス○ールライトー(濁声)」

「冗談言ってる場合かわかってる?」

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